アンナミラーズのこれから 再起にかける不退転の決意創業から現在まで、そして――(2/2 ページ)

» 2012年04月23日 11時30分 公開
[岡徳之,ITmedia]
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横浜ランドマークプラザ店閉店、それは苦渋の決断

 世代を越えてファンを引きつけているアンナミラーズ。横浜ランドマークプラザ店閉店を発表した際は、予想以上にお客さんからの反応が大きかったそうだ。「横浜ランドマークプラザ店がなくなって、ウィング高輪店はなくならないのか」「ウィング高輪店だけはなくさないでください」――あらためて、アンナミラーズがファンに愛されているブランドであることを実感し、感謝すると同時に、申し訳ない気持ちになったと新スイーツ部店舗管理・運営チームのチーム長、新関正さんは言う。

 創業から約40年、アンナミラーズを取り囲む環境にも変化があった。中でも、低価格のファミレスチェーン店の台頭による影響は大きかった。アンナミラーズは、ファミリーレストランというカテゴリーとは一線を引いていた。「アンナミラーズは、アンナミラーズなのだ」と。しかし、消費者の頭の中ではちょっと高いファミレスと位置づけられてしまったのかもしれない。素材やお店のアメニティーにこだわっていたアンナミラーズとしては、コストを下げての価格競争に出るわけにも行かなかった。これからも値下げをすることは一切ない。

 「でも、もしかしたら、お客様にとって価格に見合ったバリューを提供できていなかったのかも」と新関さんは店内の様子を眺めながら話した。しかし、横浜ランドマークプラザ店は、アンナミラーズ自体が赤字になって閉めたわけではない。それは、グループ全体としてバランスを取るための苦渋の決断だった。

「チャンスがあれば、再び店舗を拡大していきたい」

 今後は店舗事業に限らず、アンナミラーズブランドを生かした事業展開に軸足を置いていくという。ウィング高輪店は旗艦店として存続させていきながら、店舗まで足を運べないファンに向けた流通商品を展開していく。現在企画中のため詳細は明かせないそうだが、とても楽しみだ。

 「ファンに支えられてここまで来たという思いをスタッフ一同共有しています。ウィング高輪店のみになっても、この店だけはファンの期待に応えられるような店舗づくりを目指していきます。またチャンスがあれば、再び店舗を拡大していきたい、それが私の夢です」。大学生の頃にアルバイトとして働きはじめてから、これまでアンナミラーズ一筋だった新関さん。ぜひその夢をファンとかなえてほしい。

大学生の頃からアンナミラーズ一筋の新関さん

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