お経とダンスミュージックが融合! 現役住職の音楽ユニット「TARIKI ECHO」:目指すは「お経の一般化」
浄土真宗の現役住職による異色の音楽ユニットが注目を集めている。意外と(?)仏教界、音楽界から評価の高い彼らに、活動の背景と展望を聞いた。
いま現役の住職コンビが注目を集めている。ひとりは釈一平さん、島根県にある龍教寺というお寺の住職だ。もうひとりは釈明覚さん、埼玉県にある善巧寺の住職だ。彼らが注目を集めているのには理由がある。その異色な職業だ。この2人、現役住職とは異なるもう1つの顔を持っている。それがダンスミュージックユニット「TARIKI ECHO」だ。
彼らの楽曲には確かにお経が登場する。そして意外とハマっているのだ。どうしてお経とダンスミュージックを掛け合わせることを思いついたのか、仏教界のタブーには当たらないのか。インタビューしてきた。
きっかけは放課後のセッション
釈一平さんと釈明覚さんが出会ったのは、東京都中央区築地にある築地本願寺。同寺にある住職志望の学生が通う夜間の学校、東京仏教学院だった。学院では、インド仏教、中国仏教、日本仏教、お経を朗唱する声明など、住職になるための知識や作法を座学・実践で学ぶ。音楽の授業もあり、築地本願寺にはピアノが置いてあった。出会う前からバンド活動をやっていた2人は音楽を通じて意気投合。学生も先生も帰った放課後の音楽室で、警備員に追い出されるまで2人でセッションをしていたそうだ。
セッションをしているうちに「音楽とお経を組み合わせてみようぜ」という話になり、学生のみが参加するお寺の仏教青年会で、仏教讃歌のハウスバージョンを演奏。「もし先生に聞かれてたら怒られていたと思う」と釈明覚さんは当時を苦笑いで振り返る。半分悪ノリで始めたこのころのバンド活動が、のちに生まれるTARIKI ECHOのルーツとなった。
出会いから20年後、TARIKI ECHO結成
学院で意気投合した2人だが、卒業後は別々の道に進んだ。釈一平さんは祖父が務めていた島根県龍教寺の住職に。しかし、お寺周辺が過疎地のため、現在は東京に移住して親戚のお寺を手伝いながら、キーボード演奏、楽曲提供などアーティストとして活動している。一方、釈明覚さんは卒業後、お経の節や雅楽を学ぶための学校に通った。その後、京都本願寺などでの勤務を経て、埼玉県にある善巧寺の住職を務めている。
かたや音楽のプロとして、音楽センスと制作スキルを磨いた釈一平さんと、かたやお経のプロとして経験を積んだ釈明覚さん。そんな2人が東京で再開する機会があり、TARIKI ECHOの結成に至る。「学校の音楽室で弾いていたときは“ネタ”“おふざけ”の域を出なかった。いまだからこそうまく合わさった」と、釈明覚さんは20年の過程を語った。
「お経は気味が悪い」――そうじゃない
釈一平さんは東京仏教学院に入学する前、東京のいわゆる一般家庭で育った。これが普通の感覚だと思うが、と前置きした上で「宗教とか気持ち悪い。お経は気味が悪い。なめていた」という。しかし、本格的にお経を学ぶうちにその魅力に気づき「お経とは縁遠い方にもっと聞いてほしい」と思うようになったという。お経といえば、一定の暗い音程で唱えられるものという印象を持たれているが、中には独特の節まわしで“メロディアス”なものもあるそう。また、歌詞(=お経)には「仏様がいるから大丈夫。あなたの未来は決して暗いものじゃない」という前向きなメッセージが込められている。「西洋音楽はもちろんかっこいい。しかし、お経には日本古来のもののおもしろさを発見できる」と釈明覚さんは言う。
意外な仏教界からの反応
釈明覚さんは、お寺での御法話会にくる業界の先輩方にTARIKI ECHOの楽曲を聴かせてみたそうだ。「お経に触れるよいきっかけになるのでは」と、意外に(?)反応はよかった。この「お経×ダンスミュージック」という新ジャンルを、ヘビーメタルや、ロックンロールと同じ地位にまで引き上げていきたいと2人は語る。目指すは年末のNHK紅白歌合戦。「音楽を通じてお経を一般化させる」――高い志をもった彼らのメロディアスなお経が、街中で聴こえてくる日は近いかもしれない。
関連記事
- にゅ・う・め・つ♪ “萌え寺”了法寺から痛テーマソング第2弾
“萌え寺”了法寺が新テーマソング「なむ×きゅん」を夏コミでリリース。「乙女のハートは諸行無常」で「一途なハートはスッタニバータ」らしいぞ……? - お寺にゲーム機!? “萌え寺”了法寺が導入
「お寺とゲーム機」というありそうにない組み合わせを、あの“萌え寺”了法寺が実現してしまった。 - あの萌え寺がネットラジオ 「みんなで永眠 了法寺ラヂヲ」
“萌え寺”了法寺がネットラジオの配信を開始した。住職のありがたいコーナーもあるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
【追記あり】夫に「油買ってきて」と頼んだのに、手ぶらで帰宅した理由はまさかの…… とんでもないオチに「やめてww」「久しぶりに大爆笑」
-
1歳息子の“はじめての寝落ち”が140万再生 10歳兄のやさしい行動に「なにこの平和でかわいい世界」「最高に癒やされる」と絶賛の声
-
「予言者いた」「先見の明」 大谷翔平選手&真美子さんの結婚を2021年時点で予言(?)している投稿が発掘され話題に
-
北海道内の移動距離を本州と比較したら…… 感覚がバグるマップ画像に「これが北海道」「大きすぎる」
-
生後1カ月の赤ちゃん「ぼく泣かないもんねっ」 うるうるおめめとへの字口が「はぁ〜たまらん!」「ぐぁぁああああっっ」取り乱すほどかわいい
-
「一番イチャイチャしているように見える」 大谷選手が公開した写真でドジャース山本由伸選手の“手つなぎ”?が話題に 「そっちに目が行く」
-
「妻の服を勝手に着て脱げなくなったムキムキ夫とデカワンコ」に爆笑の嵐 シュールすぎる状況が500万表示突破
-
“おしりが5日で変わる”トレーニング! 「明日からやるか」「1日1回だけなら続けられる」と累計3000万再生突破
-
大好きなボールを100個プレゼントされたときのワンコの表情に「放心ww」「引いてない?」 直視できない姿がSNSで話題
-
赤ちゃんが妙に静かだと思ったら…… 思わぬものへの“真剣モード”に笑顔になる人続出「たれたもちもちほっぺたまらん!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- 昭和時代に“無かった物”が写っている……? 細かすぎて伝わらない「未来から来たことがバレた写真」に6万いいね
- 「マジで汚い」「こんなもんです」 辻希美、“大散乱”のリビングと“新”キッチンの差を公開し共感の声集まる
- 双子の赤ちゃん、姉が全力でくしゃみして…… 被害にあった妹の反応に「生後3ヶ月でドリフのコントw」「めちゃどっちもカワイイ」と絶賛の声
- 「よくも病院に連れてきたな……」とにらむ猫、先生が来た瞬間 驚きの変貌に爆笑の声「これがほんとの猫かぶり」
- 急に片耳がたれたワンコ、慌てて病院にいった結果…… 「こんな可愛い診断結果初めて見たよw」「笑っちゃった」と反響
- 「何羽いる?」一見普通の“草むら”、よく見ると……? 思わず絶叫まちがいなしの1枚に「どっさりいるw」「まさに迷彩!」
- 店員に「この子は懐きませんよ」と言われたチンチラ、家に来て3日後…… 人を信じる姿に「愛が伝わったんですね」
- 元SDN48光上せあら、目を離した隙に……子どもが商品を触り“全買取” 「子連れママに厳しすぎないか?」
- 柴犬を子どものように育てた結果、人間みたいな行動をするようになった 何気ない幸せな日常に「完全に家族の一員」「全部が愛くるしい」
- 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
- パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
- “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
- 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
- 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
- 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
- 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
- “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
- 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」