「別れにつながる機能は徹底排除」 恋人限定SNSアプリ「Pairy」のこだわり

注目を集めつつある、2人だけで使うリア充専用SNSアプリ。そんなアプリの1つ「Pairy」は恋人間のネガティブな要素をとことん排除している。

» 2012年09月03日 15時05分 公開
[岡徳之,ITmedia]

 「恋人からのメールは別フォルダで分けていた」という人は多いのではないだろうか? 恋人からのメールはそれだけでまとめておいて、ふとしたときに読みかえしたいときもあるだろう。また、フォルダを2人だけで共有しているという感覚もうれしい。スマートフォンが普及し、今では恋人間のコミュニケーションもメールだけではなくなった。面白い写真が撮れたので恋人に見せたい、旅行先での動画も2人だけで共有したい。2人の間のやりとりはよりリッチなものになってくる。

 スマートフォンの普及を背景に登場し、注目を集めつつあるのが、恋人限定SNSアプリ。文字通り恋人同士、つまり2人だけで使うSNSアプリだ。ソーシャルメディア上で恋人とやり取りするのをためらうカップルからの需要もあるようだ。海外では「Pair」「Between」など恋人限定SNSアプリが既にいくつかあり、スマートフォンアプリのカテゴリーとしてすでに確立している。

2人の世界を作れる恋人限定SNS

 日本では「Pairy(ペアリー)」というiPhoneアプリが知られている(Android版は近日公開予定)。恋人限定SNSとはどのようなものだろうか。

Pairy

 Pairyの特徴的な機能は3つ。「タイムライン」「チャット」「ペアプロフ」だ。

左からタイムライン、チャット、ペアプロフ

 「タイムライン」は、やり取りした写真やテキストを時系列で記録する機能。アプリとFacebook・Twitter・ブログを連携させることで、友人に投稿を見られることなくコメントやLike(いいね!)を付けることもできる。ソーシャルメディア上で恋人とやり取りして、冷やかされたくないという人には嬉しい。

 「チャット」はタイムラインよりもインスタントなやり取りをしたいときに使える。LINEで爆発的な人気を博し、いまや定番となりつつあるスタンプも送れる。オリジナルキャラクター「ごめんナスちゃん」がゆるかわだ。

 「ペアプロフ」は2人の出会った日、初デートの場所、指輪や靴のサイズ、オススメしたいものなど、自分や2人に関係する情報を共有しておく機能。ここに入力されている情報をもとにPairyが2人の記念日をお知らせしてくれる。

 Pairyは、普段の何気ないやり取りを助けてくれると同時に、2人のやり取りをアーカイブしてくれる。ふとしたときに恋人とのやりとりを振り返りたいときにはとても便利そうだ。

別れにつながる機能は徹底排除

 Pairyを運営するのは博報堂とDeNA出身の3人によるTIMERS。同社の代表でデザイナーの高橋才将さんに、Pairyを開発するに至った背景について聞いてみた。

 「なにか自分たちでサービスを作りたいと思っていたが、あまり技術に寄ったギーク向けサービスはしっくりこなかった」と語る高橋さん。そこで自分たちで作るなら、以下の3つの条件を満たしたものにしようということになった。1つ目は「昔から変わらず存在するニーズがあること」。恋愛という元々リアルで存在していたコミュニケーションを助けるサービスに絞った理由はここにある。2つ目は、「将来的にマネタイズを狙えるようなものであること」、そして3つ目は「ポジティブなサービスであること」だ。

オフィスにあるテラス席で開発することもあるそう

 Pairyの企画開発においてのこだわりは、「恋人間のネガティブなやりとりにつながる機能は徹底的に排除すること」だそうだ。例えば、カレンダー共有機能を実装しようという話もあったが、恋人同士がお互いの予定を見られることで窮屈になることもあるだろうと判断した。また、チェックイン機能も先日のアップデートで取り除いたという。これも、お互いの位置情報の投稿を強制させるような使用方法を懸念したからだ。Pairyはあくまでも恋人間のポジティブなコミュニケーションを助けようとしている。

 実際の恋人からアプリに対する要望をもらったり、ユーザーヒアリングを重ねることで、日々サービスを改善しているそうだ。もちろん高橋さんら自身でもPairyを使っており、COOの田和晃一郎さんは彼女ができるまでは、高橋さんと2人でPairyを使っていたという。

 Android版のリリース後には、カップルにより素敵な体験をしてもらえる新機能の実装も控えている(内容はリリースされてからのお楽しみという)。「チャットの返信を待っている間でも、相手のことを想う時間を過ごせる機能がついています。また、そこから今までに無いコミュニケーションも、たくさん生まれます。Pairyを使えば、いちゃつきたいカップルも、そうでないカップルも、よりよい関係が築けるようになる、そんなサービスを目指してます」と田和さんは語る。

TIMERSの3人。左から椎名アマドさん、高橋さん、田和さん

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/17/news023.jpg 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  2. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  3. /nl/articles/2404/17/news136.jpg もう別人じゃん! miwa、大胆イメチェンで面影ゼロに「まさかのこんな色になってるとは」「だれー!?」
  4. /nl/articles/2404/17/news111.jpg 「ぶち抜きたいです」 辻希美、懇願拒否された13歳長男が“荒くれ反抗”……息子の室内破壊に嫌悪あらわ「言葉が出ない」
  5. /nl/articles/2404/16/news185.jpg 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  6. /nl/articles/2404/17/news029.jpg 「キュウリが冷凍できるとは76年も生きて来て知らんかったなあ」 野菜ソムリエプロが教える冷凍&活用アイデアが328万再生
  7. /nl/articles/2404/17/news117.jpg 「虎に翼」、壮絶過去演じた16歳俳優に注目の声「違国日記の子か!」 「ブラッシュアップライフ」にも出演
  8. /nl/articles/2404/17/news025.jpg 築36年物件の暗くてボロいトイレをリメイク→ぐーんと垢抜け! 驚きのビフォアフに「すごいですね!」「天才」の声
  9. /nl/articles/2404/15/news081.jpg 【今日の計算】「13+8×2−11」を計算せよ
  10. /nl/articles/2211/26/news054.jpg 辻希美&杉浦太陽、15歳迎えた長女のレアな“顔出しショット”でお祝い 最近は「恋バナ」で盛り上がることも
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」