NEXT GENERATION クロスコラボレーション! TOYOTA×STUDIO4℃ meets ANA シンポジウム開催
TOYOTA×STUDIO4℃によるオリジナル・アニメーション・プロジェクト「PES」と、ANAの「IS JAPAN COOL?」のプロジェクトがコラボする。
世界最大級のアニメの祭典「東京国際アニメフェア2013」の初日となる2013年3月21日、ビジネスステージにおいて、「TOYOTA×STUDIO4℃ meets ANA シンポジウム NEXT GENERATION クロスコラボレーション 〜ソフト・パワーで拓くグローバル戦略の新機軸と、ジャパン・スピリットの発信〜」と題したシンポジウムが開催された。
2013年度、TOYOTA×STUDIO4℃によるオリジナル・アニメーション・プロジェクト「PES (Peace Eco Smile)」、これに全日本空輸(以下ANA)による訪日需要キャンペーンサイト「IS JAPAN COOL?」のプロジェクトが加わり、2つのプロジェクト間コラボレーションが始動する。
このシンポジウムは、トヨタモーターセールス&マーケティング(TMSM)とSTUDIO4℃から「PES (Peace Eco Smile)」の仕掛け人たちが、そしてANAの「IS JAPAN COOL?」の仕掛け人が登壇。さらに海外バイヤーとのビジネスの懸け橋&国内の異業種間での交流の場として東京国際アニメフェアを開催している東京都産業労働局観光部振興課長が加わった。
それぞれの立場やこれまでの各プロジェクトの事例をもとに、企業のブランディング戦略や企業間コラボレーションの新機軸、クリエイターとの関係構築や、コンテンツ・マーケティングの今後の展望、若手人材育成など、行政の役割とも絡めて様々なトピックをグローバルな視点で語り合った。
それぞれの立場で仕事への熱意を語ったシンポジウム
シンポジウムは、株式会社STUDIO4℃ 代表取締役 /「PES」共同プロデューサー 田中栄子 氏を司会進行役として、フリートークのようにざっくばらんに始まった。
株式会社トヨタモーターセールス&マーケティングの南井孝夫 氏は、「19年ほど、車のデザイン。インテリアを中心にやっていました。外見(エクステリア)はパッと見て惚れますが、インテリアは長く付き合って初めて、その良さがわかってくるものです。インテリアデザインは、ユーザーとのダイレクトコミュニケーションだと感じて仕事をしてまいりました。過去の車種では、いろんな仕掛けをやりました。街中で自分がデザインを手掛けた車を見られる環境にあったので、ユーザーが直接自分には何かを言ってくるということはないのに、その仕掛けに思い通りに乗って(反応して)くれていると、コミュニケーションした気持ちになります。」と、これまで携わったインテリアデザインの仕事について語った。
現在のマーケティングの仕事については、「デザインの分野からいきなりマーケティングの分野ということで戸惑うかと思ったのですが、何かを伝えて好きになってもらう、車を好きになってその車を買いたいなと思ってもらう。何かを伝えて好きになってもらうというのは、デザインと変わらないと思いました。何を作っているのかといわれたら、感動を作っているのだと思っています。」と、仕事に対する素直な気持ちを語った。
今回、STUDIO 4℃とともに、オリジナルキャラクターを使ったアニメーションを使って、クルマの本質的な価値を伝えているそうだ。
全日本空輸株式会社 佐野晶太郎 氏は、「最初の配属先が札幌支店で現場の営業をしていました。北海道発でANAに乗って海外へ行っていただく営業をしておりました。北海道から海外への直行便はないので、国内線を一度使って国際空港に飛んでいただき、そこから海外へという経由になります。その中で感じていたのが、直行便を使う方がたくさんいる。直行便のないANAを使って国内経由をして、何とか乗っていただけないかな……と知恵を絞っていました。」と、入社当時を振り返った。
現在の仕事については、「2年半ほど前に現在の部署に来まして、Web販売と宣伝をしております。いわゆるANAのホームページの企画や運営、販促物、プロモーションをやっています。当時、ANAが多言語で他通貨決済がやっとできるホームページを作りましたが、なかなか海外の方に売れません。人の通らないところに自動販売機を作ったようなもので、まずは海外の方にANAを知っていただく活用をしようと心に決めまして、Facebookの立ち上げとか、そしてIS JAPAN COOL?というこの企画に行き着いたわけです。いかに海外の方にANAを知っていただけるかと思いながら仕事をしております。」と語った。
東京都産業労働局観光部振興課長 北島隆 氏は、「私自身は、少しは世の中の役に立つような仕事がしてみたいなという気持ちがあり、世の中を変えていくにはどうしたらよいのだろうと考えていました。昔は、教師になろうと思っていたんです。なぜかというと、40人の学生さんがいて、世の中の役に立つ人間を毎年1人ずつ作っていったら、40年教師をやっていたら、40人、世の中に役に立つ人を作れるのではないかなと思ったんです。
そこから、だんだん欲が出てきて、まとめて日本を教育したら、どうなるんだろう? まとめて東京を教育したら、どうなるんだろう? と思って行き着いた先が東京都庁だったわけです。私自身の仕事に対するスタンスは非常にシンプルで、相手方。今回のアニメフェアであれば、アニメ業界の方がいい商売をして、儲かって、笑顔になって、経済が活性化すればよいな。というのが基本的なスタンスなんです。」と、自らの仕事に対する姿勢について詳しく語った。
夢のコラボが実現!「PES (Peace Eco Smile)」 × 「IS JAPAN COOL?」
今回のシンポジウムでとくに注目したいのは、「PES」×「IS JAPAN COOL?」のコラボだ。
TMSM×STUDIO4℃「PES」
まず「PES」だが、これはTMSMとSTUDIO4℃とのアニメーション・コラボ・プロジェクトだ。TMSMは「TOYOTA」の社名の中に潜む、人々の楽しみやトキメキといった気持ちの原点である「TOY(=おもちゃ)」をコンセプトに、そうした「移動の喜び」を発信するプロジェクトとして「ToyToyota」を立ち上げた。
そして、クルマの本質的な価値を、オリジナルキャラクターを使ったアニメーションという暖かさで伝えていこうと2012年に誕生したのが「Peace Eco Smile」、略して「PES」だ。
つねに独創的な映像表現に挑み国内外で高い評価を受けるSTUDIO4℃とのコラボにより、クオリティの高いオリジナル・アニメーションを提供することで、TOYOTA の願いや、思想・ポリシーに関する話題を盛り込み視聴者への興味・関心を促す。
加えて、アニメならではの宇宙人という目線をとおして、人間が忘れかけている移動の喜び、ふたりだけの空間、日常にあふれるささやかな幸せや、当たり前に安全であることなどの価値と大切さに気づいてゆく物語を描いていくというものだ。
不思議生命体NaSuBiが登場
PESに登場する不思議生命体NaSuBiはこれまで世界各地のイベントに出没しており、TAF2013にももちろん登場。商品製作をはじめ街や店舗とのタイアップを多数実現し、リアルとバーチャルを融合するこのプロジェクトの中心的存在となってきた。
2013 年はこのNaSuBi のキャラクター展開を拡大するとともに、販路を世界中で増幅させる。会場で目撃情報を呟くのも来場者×NaSuBi のコラボであり、「PES」のグローバル展開は、ひとつひとつのコミュニケーションに支えられている。
また、番組コラボとしては、フランスのケーブルテレビ局NOLIFEで放映されている、日本のカルチャーJ-POP、ガイドブックには載っていない情報、話題の商品情報などを取り上げる人気番組「Japan in Motion」で、「PES」のコーナーが放送を開始している。
日本の魅力を世界へ発信!「IS JAPAN COOL?」
一方、「IS JAPAN COOL?」は、日本のカルチャーやディスティネーションとしての魅力を海外目線・リアル・イマドキという視点で掘り下げ、世界へ発信していく需要喚起プロジェクトだ。
伝統から最先端、自然からテクノロジーまで、多種多様でカオスな日本の魅力を「DISCOVER」「TOKYO」「OKINAWA」「COSPLAY」「TRADITIONS(KYOTO)」「KAWAII」といったカテゴリーに細分化し、2012年2月の公開から続々とシリーズ展開してきた。
プロジェクトが視覚化されたWEBサイトは、世界中のユーザーに「IS JAPAN COOL?」と問いかけた答えが“ランキング”や“コメント&シェア”にてリアルタイムに変化していくなどソーシャル時代に即したユーザー主導型となっている。
Twitterでは海外に影響力のある方々による拡散、航空券が当たるキャンペーンには152か国(地域)から5万人以上の応募、Youtubeでは約100万回の動画再生回数。また、2020年に向けた東京オリンピック開催の国際誘致PR フィルムにも選定されている。今後さらに多くの人たちに日本の今を伝えられるよう、「IS JAPANCOOL?」は進化し続けるというのだ。
これらのコラボをきっかけとして、TMSM×STUDIO4℃、全日本空輸(以下ANA)というグローバルを舞台に戦う企業同士が、根幹事業である製品やサービスではなくソフト・パワー(コンテンツ)を通した新しいつながりを提案する。まずは、興味を持っていただいてから、その企業や製品、サービスについて知ってもらうというのだ。
シンポジウムは1時間半にも渡る長いものだったが、登壇者の卓越した話術で、あっという間に時間が過ぎた。内容が企業や行政の現場最前線から語られる貴重なプロジェクト・ケース・スタディであるだけに、ビジネス・パーソンからクリエイター、学生にいたるまで、興味深くためになるシンポジウムであった。
記事提供元:ITライフハック
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