「忘れられないアホ毛がある」―― 伝説のデザイナー・南向春風氏に「アホ毛ちゃんばら」の原点を聞いた

「アホ毛で戦う!」という世にもアホなコンセプトで話題沸騰のiOS用ゲーム「アホ毛ちゃんばら」。その企画とデザインを担当した南向春風氏に、アホ毛についていろいろ聞いてみた。

» 2013年03月25日 22時50分 公開
[ゲームキャスト・トシ,ITmedia]

 “アホ毛で戦い、負けた相手のアホ毛を抜き去るバトルゲーム”としてネットを騒がせた、iOS用アプリ「アホ毛ちゃんばら」(紹介記事)がリリースされた。デザイン・企画を担当したのは、イラストレーターであり、現在はゲーム開発会社エムツーに所属する南向春風(なみかい はるかぜ)氏。古くからのゲームファンには、同人ゲーム「GLOVE ON FIGHT」や「RAGNAROK BATTLE OFFLINE」の人、と言えば「あの人か!」と思ってもらえるだろう。

 今回は「アホ毛ちゃんばら」リリースを記念して、なぜアホ毛で戦うのか、そもそもどうやってこんなゲームを思いついたのか、南向氏にお話をうかがってきた。

忘れられない3つのアホ毛

―― アホ毛で戦うというアイデアはどこから?

南向春風(以下、南向) アホ毛という概念が生まれたころから「これで戦わせたら面白い」と思っていたんです。

―― そんなに早くから。

南向 アホ毛だけで戦ったら、新しい戦い方ができそうだなと。手も使わない、足も使わない、己のアホ毛だけで戦うってところにロマンがあるというか。

―― そのころからゲームにしようと思っていたんですか?

南向 最初は例によって、またウソ動画のネタに(※)しようと思っていたんです。もう10年以上前のことですね。

※「GLOVE ON FIGHT」も「RAGNAROK BATTLE OFFLINE」も、もともとはジョークで作ったFlashが元ネタ

―― かなり昔ですね。

南向 そのときはアイデア止まりで結局やらなかったんですが、それを今になって企画として出したら通ってしまったという。

画像画像 アホ毛を武器にライバルと戦え!

―― 南向さんをアホ毛に目覚めさせたのはなんなのでしょうか?

南向 (熟考して)そうですね……。忘れられないアホ毛が3つあります。

―― 忘れられないアホ毛。

南向 1つ目は「痕(きずあと)」(Leafが1996年に発売したアダルトゲーム」に出てくる、初音ちゃんっていうキャラですね。昔、初音ちゃんのアホ毛がコンクリートに刺さる絵を書いたことがあるんです。思えばアホ毛を武器として認識したのはあれが最初ですね。

―― このころからもう武器にしてたんですね。

南向 2人目は、氷川へきるさんの「ぱにぽに」に出てくる姫子。「痕」のころはアホ毛という概念がまだ浸透していなかったので、一番最初に「アホ毛キャラ」として意識したのはこのキャラですね。あのアホ毛がまたよく動くんです。アホ毛を抜かれそうになったりするのも良かった。

―― アホ毛を抜く!

南向 最後は「Fate」シリーズのセイバー。セイバーのアホ毛ってなんだか触ったらキレそうですよね。セイバーも同人やアンソロでアホ毛を武器にしているネタがあって、ああ、同じことを考える人がけっこういるんだなと。

―― アホ毛で戦って、抜いて……。この3人が「アホ毛ちゃんばら」の原点みたいなものですね。

南向 そういえば、そうなりますね(笑)。

画像画像 戦いの合間に挿入される会話デモはちょっと「ぷよぷよ」っぽい

お気に入りのアホ毛は?

―― ゲーム中に出てくるアホ毛のデザインは南向さんが?

南向 僕1人ではなくて、元Leafのろみゅさんという方が半分以上デザインしてくださいました。僕は「寄生獣」みたいなのとか、いろいろ変わったものを中心にデザインしました。

―― 2人でデザインされたんですね。

南向 ろみゅさんもとんでもないものをいろいろ発明してくれて。象のアホ毛で「象毛」とか。

―― (もしかして象牙とかけているんだろうか……)個性豊かなアホ毛のなかで、特にオススメのアホ毛はありますか?

南向 2番目に書いたアホ毛なんですが、「サソリ毛」ってのが気に入ってます。デザイン的にもキレイで、なおかつ今までにないアホ毛かな、と。ありそうでなかったアホ毛だと思います。

画像画像 話題の「象毛」と「サソリ毛」。サソリ毛はちょっと三つ編みっぽい

―― デザイン以外の部分にもタッチしているんですか?

南向 企画は僕なんですが、ゲーム部分を作ったのはディレクターの並木(学)です。なのでどのように戦わせるかについては、僕が自分で考えたわけではなくて。考えたのが10年前ですから、実際にプレイしてみて「これがゲームになるんだ」とびっくりしましたね。

―― 不思議な感慨がありそうですね。

南向 僕が関わるゲーム(「GLOVE ON FIGHT」や「RAGNAROK BATTLE OFFLINE」など)って、必ず最初は嘘ムービーから始まって、それからゲームができていくという流れだった。でも今回はできあがってからムービーを作ったので、そこがちょっと新鮮でした。絵にゲームを合わせるのではなく、ゲームに絵を合わせるのは初めてでした(笑)。

―― 最後に、プレイヤーの皆さんに一言お願いします。

南向 もう、予想外なアホ毛と、予想外な展開が待っているのでぜひ最後までプレイしていただきたいと思っています。最後の戦いは僕も予想外でした(笑)。

―― ありがとうございました。

画像画像 ほかにも多数のアホ毛が登場。ヒマワリ毛の説明文が……

アホ毛で戦うロマンを

 南向氏の10年越しの思いが詰まった「アホ毛ちゃんばら」はApp Storeにて配信中(ダウンロード無料・ステージ2以降は250円でアンロック)。ぜひ、アホ毛で戦うロマンを感じとってみてほしい。3月26日からゲームのサウンドトラックも無料配信予定とのこと(気に入ったらおひねりを投げる方式)。

 なお、iPhoneゲームニュースサイト「ゲームキャスト」では、ディレクター・並木学氏へのインタビューも掲載中。こちらも併せてどうぞ。

画像 「アホ毛ちゃんばら」公式サイト

(C) MMXIII M2 Co., Ltd.

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2403/17/news022.jpg 【追記あり】夫に「油買ってきて」と頼んだのに、手ぶらで帰宅した理由はまさかの…… とんでもないオチに「やめてww」「久しぶりに大爆笑」
  2. /nl/articles/2403/18/news022.jpg 1歳息子の“はじめての寝落ち”が140万再生 10歳兄のやさしい行動に「なにこの平和でかわいい世界」「最高に癒やされる」と絶賛の声
  3. /nl/articles/2403/17/news063.jpg 「予言者いた」「先見の明」 大谷翔平選手&真美子さんの結婚を2021年時点で予言(?)している投稿が発掘され話題に
  4. /nl/articles/2403/17/news047.jpg 北海道内の移動距離を本州と比較したら…… 感覚がバグるマップ画像に「これが北海道」「大きすぎる」
  5. /nl/articles/2403/18/news042.jpg 生後1カ月の赤ちゃん「ぼく泣かないもんねっ」 うるうるおめめとへの字口が「はぁ〜たまらん!」「ぐぁぁああああっっ」取り乱すほどかわいい
  6. /nl/articles/2403/15/news126.jpg 「一番イチャイチャしているように見える」 大谷選手が公開した写真でドジャース山本由伸選手の“手つなぎ”?が話題に 「そっちに目が行く」
  7. /nl/articles/2312/29/news019.jpg 「妻の服を勝手に着て脱げなくなったムキムキ夫とデカワンコ」に爆笑の嵐 シュールすぎる状況が500万表示突破
  8. /nl/articles/2403/18/news025.jpg “おしりが5日で変わる”トレーニング! 「明日からやるか」「1日1回だけなら続けられる」と累計3000万再生突破
  9. /nl/articles/2403/18/news056.jpg 大好きなボールを100個プレゼントされたときのワンコの表情に「放心ww」「引いてない?」 直視できない姿がSNSで話題
  10. /nl/articles/2403/18/news064.jpg 赤ちゃんが妙に静かだと思ったら…… 思わぬものへの“真剣モード”に笑顔になる人続出「たれたもちもちほっぺたまらん!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  2. 昭和時代に“無かった物”が写っている……? 細かすぎて伝わらない「未来から来たことがバレた写真」に6万いいね
  3. 「マジで汚い」「こんなもんです」 辻希美、“大散乱”のリビングと“新”キッチンの差を公開し共感の声集まる
  4. 双子の赤ちゃん、姉が全力でくしゃみして…… 被害にあった妹の反応に「生後3ヶ月でドリフのコントw」「めちゃどっちもカワイイ」と絶賛の声
  5. 「よくも病院に連れてきたな……」とにらむ猫、先生が来た瞬間 驚きの変貌に爆笑の声「これがほんとの猫かぶり」
  6. 急に片耳がたれたワンコ、慌てて病院にいった結果…… 「こんな可愛い診断結果初めて見たよw」「笑っちゃった」と反響
  7. 「何羽いる?」一見普通の“草むら”、よく見ると……? 思わず絶叫まちがいなしの1枚に「どっさりいるw」「まさに迷彩!」
  8. 店員に「この子は懐きませんよ」と言われたチンチラ、家に来て3日後…… 人を信じる姿に「愛が伝わったんですね」
  9. 元SDN48光上せあら、目を離した隙に……子どもが商品を触り“全買取” 「子連れママに厳しすぎないか?」
  10. 柴犬を子どものように育てた結果、人間みたいな行動をするようになった 何気ない幸せな日常に「完全に家族の一員」「全部が愛くるしい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」