辞典アプリ「大辞泉」が“ソシャゲ風”に その理由は

使うほど利用可能な回数が減っていき、時間がたつと回数が回復する――「大辞泉」がソーシャルゲームのスタミナシステムのような方式を取り入れた。

» 2013年05月20日 20時37分 公開
[ねとらぼ]

 デジタル国語辞典「大辞泉」の新しいiPhoneアプリがこのほどリリースされた。無料アプリで、ソーシャルゲームのような要素を取り入れている点が独特だ。

 同アプリでは利用回数に上限があり、検索すると1減り、画像を表示すると3減る、というように使うごとに減っていく。回数が足りなくなると機能が使えなくなり、減った回数は時間がたつと回復するという、ソーシャルゲームで見られるスタミナシステムのようになっている。有料のアドオンを購入すれば、利用回数を回復(85円)したり、利用回数の制限を外したり(2000円)できる。

 開発を担当したHMDTはブログで、ソーシャルゲーム風にした理由について、App Storeで有料アプリが売れないことが背景にあると説明している。従来の「デジタル大辞泉」アプリは2000円とApp Storeでは高額な部類。ユーザーに触ってもらえれば気に入ってもらう自信はあるが、2000円のアプリではそのハードルが高いため、「無料にするしかなかった」と述べている。

 有料アドオンの販売方法は、はじめは機能ごとの販売という案もあったが、最終的に利用回数の制限に決まった。この方式であれば最初から無料ですべての機能が利用できる。「もちろん、ソーシャルゲームを参考にした。パズドラ好きだし」(HMDT)。この方式にするには「HMDT内部だけでなく、コンテンツ提供元である小学館さんも巻き込んで大論争」があったという。

 今後のポイントはアドオン課金率がどの程度になるかだ。同社は「ここは、アプリの出来と、コンテンツの中身の勝負だと思っている。このアプリのコンセプトとユーザインタフェースには自信があるし、バックグラウンドの技術もかなり先を見越して設計している」と自信を見せ、「とにかく、がんばりますよ」と結んでいる。

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