初音ミクの「メルト」を人形浄瑠璃で――「世界ボーカロイド大会」リポート(1/2 ページ)
ネギを振る文楽人形、ボカロ列車、ファンによるボカロライブ……ファン主催によるイベント「世界ボーカロイド大会」は盛りだくさんな内容だった。
6月8〜9日、ボーカロイドファンによるイベント「世界ボーカロイド大会」(ボカコン)がヤマハリゾート「つま恋」(静岡県掛川市)で開催された。ファン主催イベントの先輩格であるSF大会を模し、参加者によるさまざまな催しを行うもので、今回は準備大会として「第00回世界ボーカロイド大会」として開催された。
東京からは公式バスツアーと貸切のボカロ列車ツアーが運行され、ねとらぼでは両ツアーおよび初日のリポートをお届けする。
ボカロ列車は天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅から掛川駅までの約1時間を「ボカロ列車」のヘッドマークをつけて運行、車内では鉄分の多いスタッフの車掌コスプレによる検札も行われた。
途中の停車駅では偶然居合わせた利用客がボカロ列車に気付き撮影する一幕も。また停車したボカロ列車に警察官が立ち寄り、何事かと参加者は一時騒然。警察官が初音ミクコラボメガネをかけたため、ボカロ列車を見に来た初音ミクファンと判明し、発車時には手を振って見送る警察官に別れを告げた。
会場となる「つま恋」は、かつてヤマハ主催の「ヤマハポピュラーソングコンテスト」が開催された場所であり、吉田拓郎、八神純子、小坂明子、世良公則、中島みゆきなどそうそうたるミュージシャンを生み出した地だ。またボーカロイドを生んだヤマハ関連のリゾート施設でもあるということで、世界ボーカロイド大会の開催地にふさわしいとして選ばれた。
大会には宿泊参加が約100人、日帰り参加者が約50人参加。ニコニコ動画でも話題となったポリッドスクリーン(ビニール系素材を使ったスクリーン)やアミッドスクリーン(網戸を使ったスクリーン)によるコンサートなどが披露された。
ぼーかりおどPによるライブでは、日大芸術学部大学院生・なヲタ氏が開発した「SYNCHLOiD」(コンピュータが人間に合わせる同期演奏システム)による初音ミクとのアドリブによる掛け合いMCもあり、SYNCHLOiDの可能性を感じさせた。
ボーカロイドのファンイベントでは、参加者が持ち寄ったフィギュアなどを飾る「祭壇」が恒例となっており、ボカコンでは8段のひな壇が用意されたものの、瞬く間にひな壇からあふれ出るほどの祭壇が姿を表した。
さらに参加者によるさまざまな展示も行われており、VOCALOIDのイベントカレンダーサービス「VOCALENDAR」、没入感を体感できるVR(バーチャルリアリティ)ゴーグル「Oculus」でミクに会える展示が見られた。「踊ってみた」ではミクコスプレイヤーによる早朝モーニングコールも行われた。
Oculusはモーションセンサーが組み込まれ、見る位置や姿勢がリアルタイムで立体映像に反映されるため、腰掛けている初音ミクをさまざまな位置や姿勢から眺めることができ、初音ミクの膝枕という素晴らしい体験も可能だそうだ(なにそれうらやましい)。
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