チルトシフト風の不思議な世界観 クリエイター木村世忍インタビューvol.2

ミニチュアのフィギュアと現実世界が同じスケールで共存する不思議な画像。その加工作業のこだわりを聞いた。

» 2013年07月19日 08時43分 公開
[Tokyo Otaku Mode]
tokyoOtakuMode

 チルトシフト風の背景にフィギュアを合成させた作品で人気を集めるクリエイター、木村世忍さんにお話をうかがっている。前回の記事はこちら

 ミニチュアのフィギュアと現実世界が同じスケールで共存しているというありえない光景のはずなのに、目に何の違和感も与えず私たちを楽しませてくれる点が、木村さんの作品の魅力の1つだろう。

 前回は、撮影の際の興味深い工夫について教えていただいた。加工作業の段階では、どういったこだわりがあるのだろうか。

Q. 撮影の段階からすごく細かく工夫されていましたね。加工作業も、それだけデリケートなんでしょうか。

A. 1分の1の合成ですので、とても繊細です。人間の目って、無意識のうちに違和感を感じ取ってしまうので、かなりシビアに調整していきますよ。何枚か撮った写真を合わせて理想的な作品に近づけていくのですが、ジオラマや実写と同じように目が感じ取ってくれるよう、かなり頑張ります。

Q. 遠近感をつける方法も、自我流なんですよね。

A. そうですね。僕のやり方としては、まず下から上にグラデーションを作って、何も障害物が無い状態のシンプルな遠近感をイメージします。そこから実際に映り込んでいるビルなどの距離に合わせて、フォーカスを合わせていくんです。計算というよりは、自分の目を信じて自然な距離感を生み出せるようにしています。背景とフィギュアの一体感を出すために、レンズは普通の一眼レフを一貫して使うようにしているので、Photoshopの加工頼みです。ですから、僕の作品はチルトシフトレンズを使っているわけでも、チルトシフトのソフトを使っているわけでもありません。あくまで「チルトシフト風」なんですね。

Q. 一体感を出したいけれど、フィギュアと背景は別で撮影するんですか。

A. 合成に慣れてくると、単体で撮った方が綺麗に仕上がると改めて気づかされました。背景画像の中でも、ビルやタワーを入れてあり得ない光景を作り出すことも出来ますしね。それぞれ単体で合成素材を撮って、少しぼかしながら合成した方が精度が高い綺麗な仕上がりになるんです。こんなに時間がかかることをやってる人は、他にいないでしょうね(笑)。

 実在する場所にごく自然にフィギュアが紛れ込んでいる、そんな非日常な風景。木村さんの作品が持つ独特の世界観は、その独自性の高い手法が生み出しているのだった。最高にオリジナルで不思議な空間を、ぜひあなたにも覗いてみてほしい。

Creator’s Portfolio Page

英文:A Mysterious World in Tilt-Shift Style - Creator Interview: Kimura Yoshinobu Vol.2

© Tokyo Otaku Mode Inc.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評