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» 2013年09月19日 18時00分 UPDATE

ジブリ×人気マンガ家、本気の二次創作てんこ盛り 「もっと!」の特集「ジブリの狂気が大好き」がアツい

マンガ誌ならではのスタジオジブリ特集が組まれた「もっと!」最新号。ジブリを題材にしたイラストやエッセイマンガを40ページ掲載した。

[高橋史彦,ねとらぼ]

 秋田書店が9月17日に発売した季刊誌「もっと!」(vol.4)で、マンガ誌ならではのの“スタジオジブリ特集”が組まれている。通常の連載作品に加えて、ジブリを題材にしたイラストやエッセイマンガ、スタッフへのインタビューなどを約40ページにわたって掲載。ジブリとのコラボによる二次創作がてんこ盛りなのだ。

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 まずは表紙に注目していただきたい。「風立ちぬ」の主人公・堀越二郎と、二郎を見つめるヒロイン・里見菜穂子――このかわいらしいイラストは、「花のズボラ飯」などで知られる人気マンガ家の水沢悦子さんが描き下ろした。さらに力強い筆致が印象的な題字の「もっと!」はジブリの鈴木敏夫プロデューサーによるもの。そこに「ジブリの狂気が大好き(ハートマーク)」という特集タイトルが掲げられている。

 中身もざっとご紹介しよう。

  • カラーイラスト「マンガmeetsジブリキャラ」(小玉ユキ/石黒正数/花沢健吾/磯谷友紀)
  • エッセイマンガ「わたしとジブリ」(水沢悦子/磯谷友紀/衿沢世衣子/石黒正数/天堂きりん)
  • 映画「夢と狂気の王国」砂田麻美監督インタビュー
  • 映画「かぐや姫の物語」西村義明プロデューサーインタビュー
  • 論考「高畑勲と宮崎駿の50年」(叶清二)
  • ジブリガールズファッション10選(つばな)
  • 宮崎駿のフード文法(福田里香)
  • cocoon×風立ちぬ(藤田貴大)
  • ジブリ狂気レビュー&落書き大会(施川ユウキ/カラスヤサトシ/山田胡瓜ほか)
  • 「ホロビクラブ」(クール教信者)や「サナギさん」(施川ユウキ)のジブリ特別編などマンガ本編も“ジブリ祭り”

 注目すべき点は、やはりマンガ家による二次創作作品。スタジオジブリという大きなテーマに、第一線で活躍するマンガ家が公式に挑むのは非常にレアな光景だ。また、インタビューやコラムといった記事モノがマンガ誌で存在感を発揮することも珍しい。こうした企画はどのようにして誕生したのか。この特集をほぼ1人で担当したというEleganceイブ編集部の金城小百合さんに聞いた。

マンガ家もテンションが上がるジブリ特集

画像 小玉ユキさんによる二郎と本庄(風立ちぬ)。萌えます

 「もっと!」とは、女性マンガ誌「Eleganceイブ」の増刊号として2012年にスタートした新しい雑誌だ。執筆陣にはマンガファンによく知られている人気作家が並び、金城さんも「奇跡的なラインアップ」と自信をみせる。ただし、3カ月に1回の刊行という季刊誌の特性上、「読者に忘れられないか」と焦る気持ちが編集部にはあったという。

 初号や前号では、水沢さん描き下ろしの日めくりカレンダーなど、豪華付録を付けてアピールしてきたが、使える予算には限りがある。そこで今号では新たに特集を打つことに。ジブリ案のきっかけは、金城さんの先輩編集者が飲み会の席で冗談で言った「あまちゃんかジブリは間違いない」という意見だったという。

 ジブリ特集を本気でやろうと決心したのは今夏公開された「風立ちぬ」を見てからだ。作品に深い感銘を受け、また今秋公開予定のドキュメンタリー映画「夢と狂気の王国」の“狂気”という文字が気になった。そこで金城さんは思い切ってジブリに直接連絡。すぐに返事が来て、8月上旬から本格的に動き始めた。


画像画像 これまでの「もっと!」と付録の日めくりカレンダー。ちなみにジブリ特集と同時に考えたプランBはラジオ特集だったそうです

 発売まで1カ月強しかないなか企画をイチから準備した。当然スケジュールはカツカツだったが、テーマがジブリということでテンションが上がった作家陣も多く“お祭り”のような感覚に近かったという。金城さんもジブリを取材した。例えば高畑勲監督最新作「かぐや姫の物語」(11月23日公開)の西村プロデューサーは、インタビューが始まる前から終わりまで質問の答えに無駄がなく洗練された動作だったそうで、「これが日本の文化を支える人か」と金城さん自身クリエイターを支える1人として大いに刺激を受けたそうだ。

画像 花沢健吾さんによるナウシカ(風の谷のナウシカ)は独特の雰囲気

 「もっと!」の執筆作家の7割以上を担当している金城さん。今夏はジブリ特集と並行して、Eleganceイブ最長寿連載の特別編でブラックジャック40周年を記念した「神の手をもつふたり〜ダーク・エンジェル外伝 ブラック・ジャック×氷川魅和子〜」(手塚治虫+風間宏子)や、担当作品「cocoon」(今日マチ子)の舞台化、7月にスタートしたWebコミックサイト「Championタップ!」での連載とビッグイベントが重なり「忘れられない夏になった」と語る。

画像 金城さん、大忙しの夏でした

 奇しくもジブリ特集の最終校了日、宮崎駿監督の引退会見が開かれた。正直なところ、特集タイトルについては「ジブリで狂気を煽っていいのか」と後ろめたい思いもあったが、会見終盤に宮崎監督が語った「想定外の作品解釈でもそれはそれで受け止める」という主旨のコメントを聞いて気分が晴れたという。「特集には各作家のこだわり、強い思いを載せているつもりです。そこに狂気をみつけてもらえたら幸いです」

 さて、そんなジブリ特集だが、この機会を逃すと読めなくなる可能性が高い。各作家のイラストやエッセイなどを単行本化する予定は現状ないからだ。雑誌は一定期間しか店頭に置かれないため、しばらくすると入手は困難になるだろう。現在は書店に並んでいるので、興味を持った人はゲットしてみてはいかがだろうか。

もっと!作家リスト(掲載順)とツイート

 水沢悦子、小玉ユキ、花沢健吾、石黒正数、磯谷友紀、久住昌之+水沢悦子、石井光太+内水融、西田東、三島衛里子、青木俊直、榎本俊二、サメマチオ、きづきあきら+サトウナンキ、よるのなおこ、陸野ニニ夫、雁須磨子、つばな、伊藤潤二、阿部共実、天堂きりん、施川ユウキ、衿沢世衣子、カラスヤサトシ、クール教信者、さと、伊東七つ生、田口愛美。

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