超音波で重力に挑む! 黒い粒が空中浮遊するコバエアート「lapillus bug」:SFC ORF 2013 Report
慶応SFCの「ORF2013」で超音波を使った物体浮遊アートが展示された。黒い粒が小刻みに振動しながら飛行する姿は、コバエそのものだ。
黒い粒がコバエのように空中を飛行する――慶応義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の研究発表イベント「Open Research Forum 2013」(11月22〜23日、東京ミッドタウン)で、超音波を使った物体浮遊アート「lapillus bug」が展示されていた。
展示ブースでは、台の上にパンとミニトマトが乗ったお皿が置かれ、その上部に四角い箱が吊るされていた。黒い粒をピンセットでつまみ、お皿と箱の空間のある1点で放すと、お皿の上に落ちてしまうはずの粒が浮いたまま小刻みに震え出す。その様子はコバエそのものだ。
なぜ粒を空中浮遊させることができるのか。その答えは四角い箱にある。箱は285個の超音波振動子を搭載した小型超音波収束装置と呼ばれるもので、装置からは人間の可聴域の約2倍にあたる40キロヘルツの超音波がお皿に照射されている。装置から照射された超音波がお皿に当たると超音波は反射して反射波となり、照射された超音波と重なることで定常波という波が発生する。定常波には、お互いの波が打ち消し合って振動しない“節”と呼ばれる場所があり、超音波で“節”を発生させると物体をその“節”に“置く”ことができるのだ。この仕組みは「音響浮揚」と呼ばれ、テントウ虫などの生き物を浮かせる実験も行われている。
超音波の発生をコントロールすることにより、粒を一定の場所で静止させることもできるそうだが、今回の展示では、粒をわざと振動させたり移動させることで、コバエの動きを再現した。また装置にはカメラが搭載されており、お皿の上にレーザーポインターを照射すると、照射された場所に粒が移動するという仕掛けも実装されていた。
この展示は同大学院 政策・メディア研究科の河野通就さんの研究で、実験では上下に並べた10個以上の粒を移動させたり、お皿の上に置かれた粒を超音波だけで浮遊させることもできたという。横向きの照射でも浮遊に成功しており、理論上は下から上への照射でも浮遊させることはできる。なお反射面はお皿に限らず、特に素材の制約はないそうだ。
今回はアート作品として展示を行ったが、非接触で電子部品を移動させたり、化学薬品などの液体を別の薬品に接触させたりせず正確に調合したりといった「人々が当たり前だと思っていた重力という制約から解放されるような、新たな作品・研究に応用されていくことが期待できる」と話していた。
関連記事
- “聞こえない音”が情報を届ける 超音波でデジタル情報送る技術「SteganoSonic」
超音波に載せてデジタル情報を伝達する研究が慶応SFCの「ORF2012」で展示された。端末をある場所に持って行くと、スピーカーから受信した情報が画面に表示されるというものだ。 - ネットで人の脳をコントロール!? ワシントン大学の実験成果が攻殻機動隊ばりにSFっぽい
ネットを介した「脳から脳へ」の通信に成功。 - 市販のレーザーポインターの光、富士山からどこまで届く? メガスター開発者が実験
80キロ先からでも見えました。 - 【動画あり】新手のほこ×たてか! ドリフトしまくるベンツ VS 座禅に集中する僧侶がすごい
ハイパフォーマンスカーのドライブを間近に接しても、無の境地を保てるのか――。 - “プラネタリウムでミクさんのコンサートやりたいね” ガチなプラネタリウムにMMDを投影する会に参加したった
ある男のつぶやきがきっかけで生まれた「ミクさんのプラネタリウムコンサート」という前代未聞の企画が実現!
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
不二家の「プレミアムショートケーキ(国産苺)」が半額に! 3日間限定キャンペーン
-
中山美穂、金髪&ミニ丈の大胆イメチェンに視聴者びっくり! “格付け”出演の最新ビジュアルに「誰だか分からなかった」
-
日本エレキテル連合・中野、ネタで酷使し容姿に異変→手術を決断 「ダメよ〜、ダメダメ」でブレイク、2022年にがん公表
-
動物病院の会計中、振り返って愛犬を見たら…… “柴らしい”もん絶級の光景に「天使かよ!」「帰れるもんねw」
-
「ハンガー・ゲーム」出演俳優、撮影中の性的暴行被害を告白 泣きながら撮った当時の写真添え「すごくつらかった」と胸中明かす
-
ミス筑波大モデル、25キロ減量したビフォーアフターに「ホント凄い」 整形疑う声も「元々は埋もれてたようですね」
-
上沼恵美子さん直伝「ホタテの一番おいしい食べ方」に絶賛の声続々! 「発想が主婦目線」「マネして作ってみます」
-
【今日の計算】「8×4−2+1」を計算せよ
-
1歳赤ちゃん、寝ぼけまなこの謎行動が150万再生突破 「仕事の疲れ、吹っ飛んだ」「少し出ちゃったの可愛すぎ」
-
「めざましテレビ」“新お天気キャスター”が「美しすぎる」と注目 ミス東京GP獲得から約4カ月で
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
- 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
- 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
- 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
- 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
- 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
- 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
- パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
- “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
- 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
- 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
- 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
- 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
- “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
- 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」