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» 2014年04月25日 11時00分 UPDATE

共に電王戦出場、世界最強の“同僚”――コンピュータ将棋ソフト開発者 一丸貴則さん・山本一成さん(前編) (1/4)

人間のプロ棋士とコンピュータソフトが対戦した「将棋電王戦」。「人間 vs. コンピュータ」という構図で語られがちなこの戦いは、プロ棋士と将棋ソフト開発者という「人間 vs. 人間」の戦いでもあった。

[杉本吏,ITmedia]

 将棋のプロ棋士とコンピュータソフトが5対5の団体戦で雌雄を決した「第3回将棋電王戦」は、コンピュータ側の4勝1敗で幕を閉じた。3勝1敗1引き分けでやはりコンピュータ側が勝ち越した昨年の第2回に続き、プロ棋士側にとっては厳しい結末となった。

 「人間 vs. コンピュータ」という分かりやすい構図で語られがちな電王戦は、しかし一方で、プロ棋士と将棋ソフト開発者という「人間 vs. 人間」の戦いでもあった。

 第3回電王戦で副将を務めた将棋ソフト「ツツカナ」の開発者である一丸貴則(いちまる・たかのり)さんと、大将を務めたソフト「Ponanza」(ポナンザ)の開発者である山本一成(やまもと・いっせい)さんに、ソフト開発を志すに至ったきっかけから、電王戦を通じて見えてきたこと、そして今後の人間とコンピュータとの関わり方について聞いた。

→“敵”が“先生”になる日――コンピュータ将棋ソフト開発者 一丸貴則さん・山本一成さん(後編)

世界最強の“同僚”

ts_103_01.jpg ツツカナの開発者・一丸貴則さん

 現在29歳の一丸さんと28歳の山本さんは、同世代で共にトップレベルの実力を持つコンピュータ将棋ソフト開発者でありながら、その言動や印象は実に対照的だ。謙虚で寡黙、ニコニコ動画などでは「妖精」の異名も持つ一丸さんと、陽気で冗舌、開発者の中でもひと際目立つ存在感を放つ山本さん。「美しい棋譜を残す」ことに強いこだわりを見せる一丸さんと、勝負に辛(から)く、形に固執せずに常に全力で勝ちを求めにいく山本さん。2人の開発したソフトも、そんな“親”の形質を色濃く受け継ぎ、それぞれ大きく異なる棋風※に仕上がっている。

※将棋の指し手の性質のこと。攻め重視か守り重視か、早指し派か長考派か、など。

ts_yamamoto_01.jpg Ponanzaの開発者・山本一成さん

 そんな2人は、将棋ソフト開発者としてはライバルの関係にありながら、普段はスマートフォンアプリなどの開発を手がけるベンチャー企業「HEROZ」(ヒーローズ)に所属する同僚エンジニアでもある。同社の看板作でもあるアプリ「将棋ウォーズ」は、過去にインターンとして働いていた山本さんの声がきっかけとなって開発されたものだ。

 将棋ウォーズ上では一丸さんの「ツツカナ」と山本さんの「Ponanza」も稼働しており、プレイヤーはそれぞれのソフトと対戦したり、自分の代わりに何手か指してもらったりもできる。現在では駒の動かし方を覚えたばかりの初心者から現役のプロ棋士まで、毎日15万局以上の対戦が行われているという。

「羽生七冠誕生」のころ将棋と出会う

 ツツカナの開発者である一丸さんは、1984年生まれの29歳。ネット上では「103」(=イチマルサン)の愛称でも親しまれている。子どもの頃は家の中で遊ぶよりも外で身体を動かす方が好きで、小学校ではソフトボール部に、中学校ではソフトテニス部に入ったが、「力が強くなく、運動面ではあまり良い成績は残せなかった」(一丸さん)。

 将棋に出会ったのは小学校時代。雨の日に教室内で遊べるゲームとして、先生から持ち込みを許されていたためだ。当時(1996年)は日本中が「羽生善治7冠誕生」に沸き立ち、連日のように対局場にマスコミが押し寄せるなど、将棋ブームが巻き起こっていたころ。一丸さんもルールを覚え友達と対戦して楽しんだが、のめりこむほどに熱中したわけではなかった。PCに初めて触れたのも同じ頃で、当時「初代」が発売されたばかりのポケモンの情報をインターネットで調べるなどしていた。

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