「美味しんぼ」問題に環境省動く 「放射線被ばくが原因で、住民に鼻血が多発しているとは考えられません」

環境省が福島第一原発事故による健康被害について「不当な風評被害が生じることを避ける」ためコメント。明らかに「美味しんぼ」問題への対応です。

» 2014年05月09日 11時52分 公開
[ねとらぼ]

 環境省は5月8日、福島第1原発事故によって周辺住民に鼻血や疲労感といった症状が出ていると懸念する声が寄せられたとして、「放射線被ばくが原因で、住民に鼻血が多発しているとは考えられません」と見解を示しました。「不当な風評被害」を回避し、住民の心情に配慮するための対応だとしています。

photo

 作品名などに対する具体的な言及はありませんが、今回の声明は、小学館の「ビッグコミックスピリッツ」4月28日発売号に掲載された漫画「美味しんぼ」に端を発する騒動への対応であることは明らかです。

 漫画では、福島第1原発を見学した主人公らが突如、鼻血や疲労感に襲われます。医師が主人公の鼻血について「放射線と関連づける医学的知見はありません」と語る場面はあるものの、症状の原因についての説明や推測は多く示されず、「福島では同じ症状の人が大勢いる」と説明したところで掲載回は終了。こうした内容に「風評被害を招く」といった批判が殺到し、大きな騒動となっています。

 被ばくによる疲労感や鼻血は、高い線量の放射線を浴びた場合に生じる「確定的影響」の1つとされています。環境省は今回、国連が福島住民に「確定的影響は認められない」と発表していることや、県民健康調査で「放射線による健康影響があるとは考えにくい」範囲の被ばくしか認められていないことなどを挙げ、住民の被ばくによる鼻血や疲労感を科学的知見から否定しています。

 「美味しんぼ」原作者の雁屋哲氏は4日、漫画への批判についてブログで「福島を2年かけて取材をして、しっかりとすくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されなければならないのか分からない」とコメント。批判への反論は漫画の次々回が掲載されてから行うとしています。ビックコミックスピリッツ編集部は、同誌の5月19日発売号で、今回の騒動に対する識者の見解などを集めた特集を掲載する予定です。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」