雑誌連載終了→作者が独自にWeb連載の漫画「あにめたまえ!」 単行本の一般予約開始同人流通を使ったインディーズ出版!?

商業誌連載→Web連載→インディーズ流通という特異な道のり。

» 2014年07月15日 16時36分 公開
[ねとらぼ]

 雑誌連載終了した漫画を、作者が自身のWebサイトでの無料連載に切り替えたことで話題になった「あにめたまえ! 天声の巫女」(Rebisさん)の単行本第1巻・特装版一般予約が始まりました

 単行本は1000円。ミニノベライズ・特典同人誌・資料小冊子がついた限定版セットは2400円となっています。

 同作は、美少女声優ユニットが「天声の巫女」として妖怪娘と戦うという萌え&百合要素たっぷりの作品。漫画誌「月刊コンプエース」で連載していましたが、担当編集者との方針不一致により雑誌での連載を2013年4月号で終了し、Rebisさんが独自にWebで連載してきました。その後は単行本化のためクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で資金支援を募り、目標を見事クリアしています。

 それに加えて、このたびの単行本第1巻の流通方法も特殊です。頒布場所が「コミックマーケット86」3日目のほか、同人誌を取り扱う漫画専門書店のメロンブックスやとらのあな、そしてAmazonのみで購入することができる漫画……これはもしかして同人誌なのでは……?

 このような流通手法を選択した「あにめたまえ!」をRebisさんは自ら「同人流通を使ったインディーズ出版です!」と明言しています。Rebisさんはブログで、「同人流通」を選んだ理由について、個人で法人を立てISBN(国際標準図書番号)を取り、取次と取引できるよう努力していたら金銭的にも仕事的にもつぶれてしまうだろうということ、「Nitroplus Books」や「TYPE-MOON BOOKS」のようなインディーズ流通からスタートし、出版社のインフラと提携して、メジャー流通に移行する出版の形態をとるジャンルが登場したことを挙げています。

 さらにRebisさんは「二次創作同人誌をめぐる状況が変わりゆく中、同人流通を使ったオリジナルタイトルが育っていくことで、オリジナル同人誌の未来も拓けていくかも……なんてことも思う次第です」という希望も抱いているようです。

 商業誌連載からクラウドファンディング、そしてインディーズ流通という特異な道のりを経た「あにめたまえ!」。その挑戦と行方から今後も目が離せません。

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