ポカリスエットとアクエリアス、その違いはどこにある?味博士の味な豆知識

夏のオアシスとしての歴史を誇るポカリスエットとアクエリアス。その違いを探ってみました。

» 2014年08月16日 17時00分 公開
[味博士,ねとらぼ]

 すっかり暑くなり、清涼飲料水が美味しい季節になりましたね。特にこの時期に毎年売り上げが伸びるのが、スポーツドリンク。さて、スポーツドリンクと聞いてあなたが思い浮かべるのはなんでしょうか。今頭の中にあるのは、青いパッケージ?

 それはポカリスエット? それともアクエリアス?

 夏のオアシスとしての歴史を誇るポカリスエットとアクエリアス。同じジャンルではありますが、もちろん味は同じではありません。世間ではポカリスエットは「甘い」、アクエリアスは「さっぱり」というイメージがあるようですが、果たしてどうなのか、2つの味の違いを「味覚センサー」で見える化してみます。

味覚センサーとは?

 私たちが食べ物を食べると、舌の味細胞が味のもとになる物質を感じ、その刺激が電気信号になって脳に伝わります。このとき味は「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」の5つの基本味に分解されて伝達されます(ちなみに「辛味」は痛覚、つまり触覚に近いものであり、基本味には含まれません)。

 味覚センサーはこの仕組みをまねたもので、糖類(甘味)や食塩(塩味)など5つの基本味のもとになる成分を電気的に測定し、さらに人工知能で補正することで、人間が感じる味の強さを測ることができます。機械が人間の舌のように味を“感じ”つつ、それをデータとして見える化できるのです。これによって主観的なものである「味」を客観的に比べることができるようになります。


「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」の5つの基本味をチャート化。1:甘くない、2:かすかに甘い、3:甘い、4:とても甘いというように1→4になるにつれて味が強くなる

 ポカリスエットとアクエリアスの味を「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」の5つの基本味で表してみると、なるほど形は似ています。しかしよく見ると「甘味」と「酸味」に差があり、ポカリスエットの方が甘く、アクエリアスのほうが酸味が強くなっています。小さな差に見えますが、95%の人が違いを認識できるレベルの差です。イメージ通り、ポカリスエットのほうが甘いという結果となりました。アクエリアスの「さっぱり」は酸味成分のクエン酸がもたらすものでしょう。

 甘味が強いということは、糖分濃度が高いということです。糖分はエネルギー源になるため、エネルギー補給をしたいときにはポカリスエットのほうが向いていると言えます。一方、アクエリアスに含まれるクエン酸は運動後に作られる老廃物を分解し、新陳代謝を促進させる効果があるため、疲労回復にはアクエリアスがよいと思われます。

 甘味と酸味には実は、互いの味を抑え合う効果があります。両方の味を同時に取ると、一方の味が弱く感じてしまうのです。いわば綱引きのような、まさに甘酸っぱい関係……あなたの身体に染み入るのは、甘味ですか? 酸味ですか?

筆者「味博士」紹介

鈴木 隆一:AISSY株式会社代表取締役社長、慶應義塾大学共同研究員(兼務)。慶應義塾大学理工学部卒業、同大大学院理工学研究科修士課程修了。大学在学中よりシステム開発の受託などを行いながらSFC研究所研究員も兼務。大学院修了後、慶応義塾大学から出資を得てAISSY株式会社を設立。

味覚や食べ合わせの研究を行い、メディアにも多数出演。通称「味博士」。

最新著書として、『日本人の味覚は世界一』(廣済堂新書)、他にも『味博士のぜったい太らない食べ方』(日本文芸社)『「味覚力」を鍛えれば病気にならない』(講談社)がある。


本稿は「味博士の研究所」を加筆・修正をして掲載しています。



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた