郵便局員も知らない幻の体操「郵便体操」を見てきた

これが「郵便体操」(全編)初公開だそうです。

» 2015年02月02日 17時35分 公開
[太田智美,ねとらぼ]

 「郵便体操」という、伝説の体操があるらしい。情報を求めてネットで検索してみたが、確かな情報は見当たらない。動画投稿サイトなどで検索してみたものの、あったのは音楽のみ。体操している動画らしいものは一切なかった。

 郵便体操とは何なのか。気になったので日本郵便に電話してみた。ところが、電話に出た担当者さえ「郵便体操についてあまり知らない」と言う。いよいよ踏み込んではいけない世界に踏み込んでしまったのかもしれない、と少し恐怖を覚えながらも、郵便体操を知っている担当者を探す。――いた……!

 そんなわけで、実際に見せてもらうことに成功。午前8時、日本郵便 豊島郵便局の朝ははじまった。作業をしていた郵便局員たちは、音楽がかかり始めるとわらわら位置につく。前奏が終わると「今日も元気に郵便体操いきましょう!」という声が流れ、体操が始まる。


「郵便体操」全編

画像

画像 「大きく背伸びの運動から〜!」

画像 腕を大きく振って太ももを上げます!

画像 みんな羽ばたいてる……!

画像 首をぐるぐる回すやつ

画像 腰から反対側にぐにゃんってやるやつ

画像 反対も

画像 フリスビー投げるみたいにブーンってするやつ

画像 両手上げて反るよ!

画像 伸びー!!

画像 身体グルグル回すやつ

画像 ジャンプ、ジャンプ

画像 ふー

 郵便体操は約3分。途中鳥のようなポーズをしたり、両手を上に上げて伸びをする姿が印象的だ。そして最後はやはり深呼吸。体操のあとには「安全確認トレーニング」などを行う。


画像 「安全最優先の業務を実践し、事故・災害を根絶しよう! よし!」

 なるほど、これが伝説の郵便体操か。

 ところで、この体操はなぜ作られたのか。日本郵便豊島郵便局局長の富澤敦氏に聞いてみた。

「日本郵便は保険も扱っているが、保険は人が長生きするともうかるという仕組み。だから、『健康で長生きしてもらえる体操』としてラジオ体操が生まれている。郵便体操もその延長線上にあるもので、社員の健康と規律を守るためのもの」(富澤氏)


画像 日本郵便 豊島郵便局局長 富澤敦氏

 郵便関係の資料によれば、そもそも郵便体操ができたのは昭和50年(1975年)。腰痛症などの対策として取り入れられた体操だった。

 それから約40年。一時体操をあまり行わない時期もあったが、郵政民営化と共に再び積極的に行うようになったという。ちなみに、「郵便体操」の英語表記は「Gymnastics for postal」。作曲者・振付けを行った人は不明。

 郵便体操を行うのは、主に郵便関係の仕事に携わる職員。配達をする局ではたいていこの体操をしているが、郵便関係の仕事ではない部署ではラジオ体操のことも多いという。

 業務運行の安定を図るために考案されたこの体操だが、実は今回見学したのは「郵便体操(その1)」。「郵便体操(その1)」は、基本的な動きの中から郵便の作業特性にふさわしいものを選び、職場で気軽に行えるよう構成したもの(12種類56動作)だという。

 そしてなんと、これには続きがあった。その名も「郵便体操(その2)」。

 「郵便体操(その2)」は、郵便作業は腰への負担がかかることから背筋や腹筋を鍛えるための体操。専門の医師が推奨する背腹筋の強化運動で、こちらは1人で実施することが想定され作られている(3種類6動作)。その2は郵便局員でもほとんど知られておらず、今では幻の体操となっている。


画像 「郵便体操(その2)」の動き

画像

 郵便体操の全編が公になるのは今回が初めてのこと。今日も郵便局の朝は郵便体操から始まる。

太田智美

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」