「かがみ」←どう読んでた? 衰退進む「鼻濁音」来世紀にはほぼ消滅か

鼻濁音、ちゃんと使ってますか?

» 2015年03月09日 07時00分 公開
[ねとらぼ]

 日本語の「鼻濁音(ガ行鼻音)」について調査を行ったところ、現在の日本人で鼻濁音を使っている人は全体の約2割にすぎず、また若い人ほど使用率が下がっていることが分かりました。

 今回調査を行ったのは、ノートルダム清心女子大学の尾崎喜光教授。調査は尾崎教授が国立国語研究所に在籍していた2009年に行われたものですが、最近になって同大学の学内誌(紀要)で論文が公開されると、朝日新聞などがこれを紹介し、注目を集めました。

 日本語の「ガ行」には、ハッキリと強く発音する通常の「濁音」と、鼻から抜けるように優しく発音する「鼻濁音」の2種類が存在します。たとえば「外国人(ガイコクジン)」のように「単語の先頭」にガ行が来た場合は通常の濁音で、「鏡(カガミ)」のように「単語の先頭以外」にガ行が来た場合は鼻濁音で発音するのが一般的とされています。


画像

 調査は全国の20〜79歳の男女803人を対象に実施されたもの。「鏡(カガミ)」「日本語(ニホンゴ)」などの単語を実際に発音してもらったところ、鼻濁音を使って発音している人は全体の約2割にとどまったそうです。また男女による差はほぼありませんでしたが、年齢別で見ると、70代ではおよそ39.5%が鼻濁音を使っていたのに対し、30代では11.5%、20代ではわずか5.8%と、若い人ほど鼻濁音を使わない傾向が顕著に見られたとのこと。

 以下のグラフは「鏡」の発音について調べたもの。


画像 「鏡」の属性別分析(全体/男女別)

画像 「鏡」の属性別分析(年代別)

※尾崎教授の調査データをもとに編集部で作成


 また地域による差も大きく、中国・四国・九州で鼻濁音を使っていた人はゼロ。近畿地方も4.3%と非常に低くなっており、西日本では鼻濁音はほとんど使われていないという結果に。一方で、北陸や東北では鼻濁音の使用率は6割以上にのぼっており、今でも多くの人に使われているようです。


画像 「鏡」の属性別分析(地域別)

※尾崎教授の調査データをもとに編集部で作成


 鼻濁音は今後も衰退の一途をたどると考えられ、「来世紀には、東北地方にわずかに残るのみで、それ以外では消滅している可能性が高い」と尾崎教授はまとめています。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  2. /nl/articles/2404/18/news025.jpg 生後5日の赤ちゃん、7歳のお姉ちゃんから初めてミルクをもらうと…… 姉も驚きの反応がかわいい
  3. /nl/articles/2404/18/news057.jpg 9カ月の赤ちゃん、バスで外国人の女の子赤ちゃんと隣り合い…… 人生初のガールズトークに「これは通じあってますね!」「ベビ同士の会話、とろけます」
  4. /nl/articles/2404/17/news037.jpg 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/17/news034.jpg 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
  6. /nl/articles/2404/18/news155.jpg 大谷翔平選手、ハワイに約26億円の別荘を購入 真美子夫人とデコピンとで過ごすかもしれないオフシーズンの拠点に「もうすぐ我が家となる場所」
  7. /nl/articles/2404/17/news179.jpg 「ケンタッキー」新アプリに不満殺到 「酷すぎる」「改悪」の声…… 運営元「大変ご迷惑をおかけした」と謝罪
  8. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  9. /nl/articles/2404/17/news129.jpg 「ハーゲンダッツ硬すぎ!」と力を入れたら……! “目を疑う事態”になった1枚がパワー過ぎて約8万いいね
  10. /nl/articles/2404/16/news175.jpg 「そうはならんやろ」をそのまま再現!? 「ガンダムSEED FREEDOM」のズゴックを完全再現したガンプラがすごすぎる
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」