埼玉県警「チカン抑止シール」の使い勝手を検証してみた

2009年から販売されている「痴漢撃退シール」がベース。

» 2015年04月22日 19時00分 公開
[林健太ねとらぼ]

 埼玉県警鉄道警察隊が電車での痴漢行為抑止を目的に配布している「チカン抑止シール」が話題となっています。

チカン抑止シール 埼玉県警鉄道警察隊が配布している「チカン抑止シール」

 このシールは、携帯電話などに貼って使うシールで、表面には埼玉県警のマスコットキャラ「ポポ美ちゃん」のイラストとともに「×」印と「さわらないで!」という文字が書かれたもの。シールを見せることで痴漢行為に歯止めをかけることが目的です。警告しても行為が止まらない場合は、シール表面をはがしてシールの2層目を痴漢の手に押し付けることで、赤い「×」印を残すことができます。

チカン抑止シール 「チカン抑止シール」の使用方法を説明したチラシ

 女性が痴漢にあった際に声を上げづらいという意見をうけて作られたもので、2015年1月から同隊の派遣所などへ痴漢相談に訪れた女性に無料で配布されています。また、希望すれば誰でももらうことができ、遠方の方などは郵送も可能です。

チカン抑止シール 手の甲に付けられた×印

 シールが話題となると、ネットユーザーの間では賛否の声があがっています。シールがあることで「少しでも痴漢の抑止になれば」、「声をあげることは難しいので少し安心かも」といった期待の声がある一方、「満員電車のなかで痴漢されながらシールをはがす余裕なんてない」「痴漢冤罪が増えそう」といった声も。

 シールが正しく使われ、痴漢行為の抑止につながるのか、埼玉県警鉄道警察隊に聞いてみました。

 「手のひらに×印が付いていたからといって犯人と決めつけることはありません。あくまで補強証拠です。目撃者の確保や捜査するうえで、客観的な証拠のひとつとなります。使用者は痴漢行為をされているときに印を付けてください。また、身動きがとれないほどの満員電車ではシールを見せる、印を残すことは難しいかもしれません。その時は、声を出す、かばんなどの荷物で防ぐ、体をよじる、痴漢をにらむなど、状況に応じて最適な対抗手段を選んでいただければと思っています」

 実際に使い勝手はどうなのか? 編集部でシールを用意し、20代女性記者が使い勝手を検証してみました。

チカン抑止シール 痴漢発生
チカン抑止シール まずはシールを見せて警告
チカン抑止シール 行為が止まらない場合はシールをはがす
チカン抑止シール 行為中の手の甲に「×」印のインクを残す
チカン抑止シール すぐには消えない仕様
チカン抑止シール 補強証拠となる

 使い方は簡単でしたが、体験した女性記者によると「痴漢されているときに震えた手でシールをはがせるかどうかは疑問。はがすのもコツがいりました」とのこと。ただし、「意思表示として『さわらないで』の文字を見せるのは有効だと思います」という感想も。あくまで選択肢のひとつとしてあれば安心という程度でしょうか。また、骨ばった部位ではインクが付きにくく、手の甲の親指下あたりの柔らかい部分に押し付ける必要があったのでご注意を。

 ちなみに、このシールは2009年から神奈川県シール印刷協同組合が販売していた「痴漢撃退シール」をもとにしたもの。仕組みは基本的に同じで、「痴漢撃退シール」は異なるイラストの3枚のシールが入ったセットが2パターンあり、1セット500円(税込・送料別)で販売されています。

痴漢撃退シール 2009年から販売されている「痴漢撃退シール」

 同隊によると、4月から6月にかけては、新学期で慣れない路線で通学する学生が多いことや、薄着になっていく時期ということから、特に痴漢が増えるシーズンとなっているそうです。

林健太

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」