全キルミストの必読書 「キルミーベイベー」のカヅホ先生が描く科学コメディ「カガクチョップ」は劇薬注意!虚構新聞・社主UKのウソだと思って読んでみろ!第47回

これキルミーよりアカンやつじゃないですか!

» 2015年06月05日 11時00分 公開
[虚構新聞・社主UKねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 ねとらぼ読者のみなさん、こんにちは。虚構新聞の社主UKです。ウソは得意ですが、ダジャレは苦手です。

 さて、第47回となる本連載、今回ご紹介するのは先日最新7巻が発売された代表作「キルミーベイベー」(芳文社)でおなじみ、カヅホ先生の科学コメディ「カガクチョップ」(〜2巻、以下続刊/フレックスコミックス)。Webコミック「COMICメテオ」にて連載中です。


画像画像 「カガクチョップ」(〜2巻、以下続刊/フレックスコミックス)→ 試し読みページ


これキルミーよりアカンやつじゃないですか!

画像 毎回ろくでもない発明品が登場し、それにツッコむのがお約束の流れ

 本作は真面目なクラス委員長・長倉蓮がマッドな科学部部長・鈴園沙衣の発明品に振り回される1話完結の読み切りマンガなのですが、「飲んだ後食べ物のカロリーをほぼ完全にカットする薬(※ただし薬自体のカロリーが1日の摂取カロリーの2倍)」「大きさ・重さともに従来の3分の1の折り畳み傘(※ただし広げたサイズも3分の1)」など、役に立たない発明品を交えた蓮と沙衣の漫才的やり取りは「キルミー」の主人公ソーニャ&やすなから、あのわさわさするウザさが抜けた感じで、社主も読みはじめは「これは『キルミー』より広く受け入れられそうだな……」と。

 そう、そんなふうに考えていた時期が社主にもありました。が、その印象は第6話にして早くも裏切られてしまいます。

 転換点は突如現れたもう1人の科学部員・盛本雨柚(もるもと・うゆ)。科学部部室の巨大冷蔵庫の中から凍った状態で発見された彼女は、その名の通り沙衣のモルモット。先ほどの冷凍実験でも解凍中、凍った部分が少し欠けてしまうなど、しれっとひどい目に遭っています。にもかかわらず、「ここに来ると、お菓子とかもらえてー」という理由だけで実験に協力し続けている彼女の登場により、本作独自の方向性が定まったとも言えます。端的に言うと「キルミー」が漫才なのに対し、「カガクチョップ」は3人のコントを見ているような感覚です。

画像 実は一番ヤバイ人のような気がする盛本さん

 またその後のモルモット、もとい盛本さんの活躍はとどまるところを知りません。実験台として殴られたり流血したり炎上したりは日常茶飯事。さらには「微弱電流の効果で眠れる安眠布団から発生した体が跳ね上がるほどの大電流を浴び、よだれを垂らして安眠」「電子レンジの原理を応用した『体が温まる服』を着たら口から焼肉のにおい」など、「キルミーより広く受け入れられそうだな……」が「あっ、これあかんやつや……」に変わるのにさほど時間は要しませんでした。

 ちなみに盛本さんは毎回アニメ「サウスパーク」のケニーばりのひどい目に遭いますが、1話完結なので、次の話になるとこれまたケニーと同じく何事もなかったかのように復活しています。ご安心を(そういう問題かどうかはさておき)。



キルミーと共通する「あまり深く考えちゃいけない部分」

 今回なぜこの「カガクチョップ」を取り上げようと思ったのかと言うと、この「あかんやつ」が何ともおもしろかったからに他なりません。

画像 そのアイデアに思わず脱帽の「人工サンタ」回

 特に2巻収録「サンタハザード」に登場、沙衣が開発した「人工サンタ」は、そのぶっ飛んだ発想含め完全に脱帽しました。お父さんに変わって子どもにプレゼントを渡してくれるこの人工生命体はその役目を果たした後どうなるか。

沙衣 「朝日に当たれば自動消滅するし 肉は食用に調整されてるからクリスマスのディナーにでも!」

 「プレゼント持ってきてくれたサンタさんをその日の夕食にするなんて悪趣味すぎる…」

 こころわさわさするブラックさ! やすなとソーニャのリズム感ある漫才に脚光が当たりがちな「キルミー」の底に漂う「あまり深く考えちゃいけない部分」に気づいている読者であれば、この「カガクチョップ」もきっと楽しめるはず。

 また「ガチで怖い。ともすればピロシキ」とネットでも話題になった「キルミー」7巻、廃ビルと化したスルメ工場探索回のように、「カガクチョップ」の作風が「キルミー」にフィードバックしているのではないかと思われるところも多々あるので、全キルミスト必読の書と言ってよいでしょう。

 しかし今にして思えば、第2話でネズミの原型をとどめないほどにまで挟みつぶす「パワーマウストラップ」が出てきた時点で本作の可能性に気づくべきでした。



オーソドックスだけどよく考えられたオチ

 さて、ここまで盛本さんや人工サンタのようにとがった部分ばかり紹介してきましたが、「8ページ1話完結」という全体構成の中で本作のオチのつけ方は意外にオーソドックスでもあります。

 けれど、ベタなオチからダジャレオチ、考えオチ、2段オチ、爆発オチなどそのパターンが非常に豊富なこともあって読んでいて飽きることありません。ショートストーリーは4コマとはまた違った展開の難しさがあると思うのですが、普段オチに悩みながら虚構記事を書いている社主として、「毎回よく考えておられるな」とカヅホ先生の技量には感心することしきりです。

 読み手を選びつつ選ばない「カガクチョップ」、ぜひおちカガク(近く)のチョップ(ショップ)でお求めください(相当に苦しいダジャレオチ)。

 今回も最後までお読みくださりありがとうございました。


キルミーの声優・赤崎千夏さんと田村睦心さんによる「カガクチョップ」PV。この勢いでアニメ化してくれてもいいですよ…?)

(C)カヅホ/COMICメテオ (C)フレックスコミックス


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news174.jpg 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  2. /nl/articles/2404/26/news154.jpg 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/12/news174.jpg 築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
  5. /nl/articles/2404/26/news022.jpg ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
  6. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  7. /nl/articles/2404/25/news069.jpg “作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
  8. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  9. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  10. /nl/articles/2404/26/news024.jpg 0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」