指紋照合ができる! 盗聴器発見ができる! 現場検証もできる! 「探偵カフェ」で探偵体験をしてきた
探偵カクテルのほかに、ワニ肉やサボテンも食べられるぞ。
誰もがかつて一度は探偵に憧れ、そして夢破れてきたことと思う(筆者調べ)。殺人事件が起これば、自分にだってじっちゃんの名にかけた推理ができると信じて疑わなかったし、いつ体が縮んで見た目は子どもで頭脳は大人の名探偵になってもいいように心の準備は万全にしてきた。後に、探偵の仕事のほとんどは殺人事件の解決ではなく浮気調査や人探しで、そもそも普通はあんなに頻繁に殺人事件に遭遇することもないと知る。とはいえ、私は今でも「探偵」の二文字に心ときめくのは変わっていない。
そんな大人おあつらえ向けのカフェ&バーが、池袋にある。「探偵Cafe プログレス」(探偵カフェ)だ。なんと、お店の中で盗聴発見体験や、指紋採取体験ができるのだという! そればかりか、店員さんはすべて現役の探偵さんという本格ぶり。
この店でできるのは、飲食のほかには、現場検証体験(無料)、マグショット撮影(無料)、盗聴発見体験(無料)、指紋採取体験(800円)、探偵の調査サンプル動画試聴(無料)、浮気調査報告書の閲覧(無料)。※お昼のカフェタイムは現場検証とマグショットのみ
お店に入ると、さっそく床に現場検証の白いアレが! 聞いてみると、この白線には特に名称はないのだそう。探偵カフェ内では、便宜上「白線くん」と呼んでいるらしい。
さっそく、ルーペを借りて現場検証をしてみる。
せっかくなので、死体にもなってみた。
現場検証で使われる文字の置き物は、「予約席」を示すのに使われることもあるのだそう。
ちなみに、白線同様、この文字の置き物にも名称はなく、どの文字が現場に置かれるかにも特に意味はないのだという。事件の報告書を書く際に、「現場の“イ”にあったホニャララ(証拠品)」などといった言い方をするが、この文字が“イ”でも“ケ”でも何でもよく、アルファベットや数字が使われることもあるようだ。
現場検証と死体ごっこで、探偵役・被害者役を体験できるだけでなく、マグショット撮影をすれば犯人役もできる。マグショットとは、アメリカで逮捕されたときに身長計の前で撮影される写真のことで、「顔」を表すスラング「mug(マグ)」から転じて、「ごろつき」、「ならずもの」という意味も持つと言われている。
次は盗聴発見をやってみることに。なお、ここから先はすべて、午後7時からのバータイムのみで体験できるものである。
ものものしいケースから出てきたのは、盗聴器と発見器。
盗聴器がスタッフさんの手によって隠されたら、発見器を持って店内の捜索開始。盗聴器のマイクの部分と、発見器のスピーカーの部分を近づけて、「ポーーーー」とハウリングさせて見つける仕組みになっている。
次は指紋採取体験。ちなみに、指紋採取や盗聴発見は、同店のプロデューサー兼責任者である鈴木氏が探偵学校の講師をやっていたとき、もっとも生徒ウケがよかった授業がこの2つだったため、探偵カフェにも取り入れたのだそう。
指紋採取は様々な方法があるが、ここでできるのは、タンポというフワフワした道具で、指紋のついた証拠品にアルミの粉をつけていくやり方。アルミの粉をしっかりつけると、砂絵のように指紋が浮かび上がってくる。手から付着した蛋白質の部分にアルミの粉がくっつくのだ。
指紋が浮き上がってきたら、体験用の容疑者リストと照らし合わせて犯人を特定していく。闇雲に照らし合わせても時間がかかるため、指紋の形状の3タイプ(弓型、蹄型、渦型)のうち、同じ形状の犯人だけを絞り込む。
なお、リストの中には、「盗んだバイクで走り出す窃盗罪」で補導されている容疑者もいた。たぶん、15歳のときの夜の出来事だったんじゃないかと思う。
ちなみに、探偵とは無関係だが、鈴木氏(本店のプロデューサー)の趣味で変わったメニューがあるのも同店の特徴。なぜかワニとサボテンの料理が食べられるのだ。特に、ワニのタンはプルプルとした食感で脂っぽいのだが、脂自体がさっぱりしていていくらでも食べられる味。サボテンは、知っている中で一番近いのは茎ワカメだった。
ところで、そもそもなぜ現役の探偵が、こんなエンターテインメント色の強いカフェをやっているのだろうか。現役探偵でもあるプロデューサーの鈴木氏は言う。
「普通、困ったことがあった! じゃあ探偵に相談しよう! とはなかなかならないですよね。怖いかも、変な組織かも、料金が高いのかも、というイメージがあって敷居が高い。探偵がテーマにされている漫画やドラマが多いわりには、その実態はほとんど知られていません。それを身近に感じてもらうために、お店の形にしたんです」(鈴木氏)
実際にこの店に来て、後日改めて調査依頼に来たお客さんも少なくないのだという。
最後に、探偵業の要でもある、浮気調査のサンプル動画やサンプル報告書を見せてもらいながら、調査のポイントや、相談の際のコツを教えてくれた。
なお、調査の際にバレずに映像を撮る方法や、尾行の仕方などを隙あらば聞き出そうと試みるも、肝心なところははぐらかされてしまった。カフェから調査依頼への流入システムといい、いちいち抜け目ないスタッフの探偵たち。探偵という職業にますます心をときめかせたひとときなのであった。
朝井麻由美(@moyomoyomoyo)。フリーライター・編集者・コラムニスト。ジャンルは、女子カルチャー/サブカルチャーなど。ROLa、日刊サイゾー、マイナビ、COLOR、ぐるなび、等コラム連載多数。一風変わったスポットに潜入&体験する体当たり取材が得意。近著に『ひとりっ子の頭ん中』(KADOKAWA中経出版)。構成書籍に『女子校ルール』(中経出版)。ゲーム音楽と人狼とコスプレが好き。
関連記事
- 怪獣に囲まれながら怪獣料理が食べられる パワーアップして復活した「帰ってきた怪獣酒場」に潜入してみました!
地球侵略の足掛かりは川崎に決定! - 3時間待ちも当たり前? 知らない人と相席になれる、話題の居酒屋「相席屋」に潜入してみた
“知らない人と相席になれる”居酒屋「相席屋」がいま人気らしい! - 自宅に酒ドリンクバーが誕生! 全自動カクテルマシン「Somabar」がすごそう
5秒でお好みのカクテルを作ります。 - 溶けすぎない“ナナメ氷”が作れるウイスキーグラスが便利&おしゃれ
氷がすぐ溶けないので、ウイスキーを薄めすぎずに楽しめる! - 「御手洗潔」シリーズ最新作が映画化! テレビ版に続き玉木宏さんが主演
「星籠の海 探偵ミタライの事件簿」は2016年に公開。 - 小説「探偵の探偵」7月からドラマ放送 主演は北川景子さん
フジテレビ系の木曜午後10時枠で。 - 昭和の少年少女のロマン「少年探偵」シリーズの表紙がマグネットになってガチャで登場 これはミステリー……
全8種類のガチャガチャになりました。 - 真実はいつもひとつ! 渋谷にオープンしたコナンカフェに行ってきた
3月28日〜5月10日まで、タワーレコード渋谷店2階のTOWER RECORDS CAFE渋谷店にて。 - 「眠りの小五郎」ごっこも捗る 「名探偵コナン」より腕時計型麻酔銃をイメージした腕時計が登場
※ただし撃てません。 - 「名探偵コナン」作者入院により不定期連載に
作者の青山剛昌さんは夏頃に退院の予定。 - 「鳥取砂丘コナン空港」開港 日本初の実在作品ロゴを冠した「名探偵コナン」一色の空港に
怪盗キッドが乱入? - 「怖すぎ」「完全にホラー」と騒がれていた「ブラック・ジャック」ピノコのリアルすぎるロボットに会ってきた
コワッチョンブリケ! - カルビの上でわたあめが溶ける! 「わたあめすき焼きカルビ」が激ウマだった
ふわっふわのわたあめに割り下をかけると、あら不思議。わたあめが一瞬で溶けます。 - kgや円、cmにGB、身近なものの単位を見て触って体験できる「単位展」が面白すぎた!
「しごと」と「かてい」、どっちが重いの? - 盆栽ティラミスに苔パフェ 「盆栽カフェ」で“わび・さび”を堪能してきた
ティラミスの上でカイワレが芽吹いているぞ。 - 2月14日は「ふんどしの日」! 3日間ふんどしを履いて“ふんどし女子生活”を送ってみた
ふんどし体験記。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
元横綱・貴乃花、再婚後の激変ぶりに驚きの声 ヒゲ生やした近影に「ショーケンみたい」「ワイルドー」
-
中山美穂、金髪&ミニ丈の大胆イメチェンに視聴者びっくり! “格付け”出演の最新ビジュアルに「誰だか分からなかった」
-
「『ちゅ〜る』の紅麹色素は大丈夫?」 小林製薬の「紅麹」報道で飼い主に不安広がる
-
ミス筑波大モデル、25キロ減量したビフォーアフターに「ホント凄い」 整形疑う声も「元々は埋もれてたようですね」
-
【まとめ】小林製薬「紅麹」問題 味噌や酒など紅麹原料使用メーカーの自主回収相次ぐ 20社以上が発表
-
日本エレキテル連合・中野、ネタで酷使し容姿に異変→手術を決断 「ダメよ〜、ダメダメ」でブレイク、2022年にがん公表
-
「紫のトトロ買った」 “ジブリを1ミリも知らない”友だちから連絡→まさかの正体に爆笑 友だちはその後ジブリを見た?
-
ドイツ人家族が日本のバウムクーヘンを実食、一番おいしいと絶賛したのは…… 満場一致の結果に「参考になります」「他の食べ比べもお願い」
-
「紫のトトロ買った」 “ジブリを1ミリも知らない”友人から連絡→まさかの正体に爆笑「それトトロやない」
-
「ご安心ください」 “紅麹ショック”でDHCとファンケルが声明…… サプリ販売は継続中 小林製薬では死亡患者がサプリ摂取
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
- 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
- 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
- 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
- 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
- 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
- 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
- パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
- “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
- 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
- 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
- 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
- 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
- “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
- 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」