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» 2015年08月28日 21時14分 UPDATE

「女の子にサインコサイン教えて何になる」 鹿児島県知事の発言がネットで非難 発言撤回の会見動画も公開

三角関数の公式は教えて何になるのかという従来の持論を、たまたま女性と結びつける形でしゃべってしまったとのこと。

[黒木 貴啓,ねとらぼ]

 鹿児島県の伊藤祐一郎知事が8月27日に県総合教育会議で「高校で女の子にサイン、コサイン、タンジェントを教えて何になるのか」と発言。ネットでは性差別や偏った教育観ではないかと非難や疑問の声が上がっています。伊藤知事は28日の定例記者会見で、従来からの持論をたまたま女性と結びつける形でしゃべってしまっただけで、女性蔑視のつもりはないと発言を撤回しました。

画像 28日定例記者会見での伊藤知事

 発言が話題となったきっかけは、南日本新聞が28日の朝刊に掲載した「女性にサイン、コサイン…教えて何になる」という見出しの記事。県庁での第2回県総合教育会議で伊藤知事が高校教育について「高校で女の子にサイン、コサイン、タンジェントを教えて何になるのか」「社会の事象とか、植物の花とか草の名前を教えた方がいい」と述べたのを大きく取り上げたものです。「どんな文脈の中での発言であろうとも、性別を理由に教育内容を変えることを意味し、非常に問題」「時代錯誤が甚だしい」と、大阪大学大学院の木村涼子教授による見解とともに紹介しました。

 ネットでは記事がFacebookやTwitterで拡散され、物議を醸します。「そんなもん、男でも同じだろうが」「女性差別だっていうコトじゃなくて、性によって固定的に決めつけることがよくないよね」と、性差別的な偏見だと批判する声。また「建設業界、それも上流の設計工程を不要と言っているのか?」「社会で使わない知識や論理は教える必要ない、という発想なんだね」と、三角関数を汎用性に乏しいと決めつけるような姿勢、そうした知識を教育から外そうという考えに、難色を示すコメントが相次ぎます。

 発言は会議中に、全国学力テストで結果が悪かった鹿児島県がどうすれば順位や学力を向上できるのか話し合う中で起こったもの。伊藤知事は定例記者会見で、会議では生徒に何を教えればいいのか決めるのは難しいという趣旨の話をしていたと説明しました。そのなかで以前から抱いていた「サイン、コサインというのは教えて何になるのか」という個人的な考えを、「たまたま女性を結びつけて、口が滑った形でしゃべった」とのこと。「数学を専門にする理科系の人は違いますよ」と一言も踏まえました。

画像 28日定例記者会見での伊藤知事

 南日本新聞の報道については、会議で教育について自分の考えや教育観を多く話したのに対し、例の発言部分だけを引っ張り抜かれたと釈明。「女性蔑視とか何とかという話ではなくて、どうしてああいう記事なのかはわからない」と言っています。

 28日の定例記者会見のもようはYouTubeで公開済みです。南日本新聞の報道については12分30秒ごろから。

8月28日鹿児島県定例知事記者会見 南日本新聞の報道についての発言

 昨日の教育会議ではいろんな議論がありました。私の教育に対する基本的な考え方とか相当なことをしゃべっています。どういう人物像が必要だとか。それはまったく取材の対象にはなっていないようですね。これが本論です。教育会議でありますから。

 そのあと学力調査の報告があったんです。鹿児島がなかなか順番が伸びないという過程の中で、確か「小中校(編注:もしくは小中高)においてはきちっと勉強しないといけないよね。そこからさらに何を教えるかは難しいよね」という類の中で、たまたま女性に関連して「サイン、コサインというのは教えて何になるのかなと思うこともありますね」ということを言っているんです。

 そもそもサイン、コサイン、タンジェント、みなさん高校時代に習ったと思いますけど公式は覚えておられますか? 私は人生で1回使いました。私の足がもし15センチ長ければ、私はボルトぐらいのスピードで100メートル走れます。ということで私の足を15センチ長くして、一歩一歩どういう形で……すごい回転速いですからね。その時ぐらいしか使ってないよねと。

 だからサインコサインは一体何に使うのかね、というのは従来からあって、昨日はたまたまそれと女性を結びつけて、口がすべった形でしゃべった。というのが本当のところですね。だから女性蔑視とか何とかという話ではなくて、どうしてああいう記事なのかはわからないけど、その程度の話なんですよね。

 教えないといけないんだけどね、サインコサインとかログ(対数)とか。数学を専門にする理科系の人は違いますよ。だからいろんなカリキュラムのなかで何を教えるかというのはけっこう難しいよね、というのがセンテンスです。全部読んでいただくとそうなっていると思いますが。「女の子にサイン、コサイン、タンジェントを教えて何になるのか」というところだけ引っ張りぬかれました。以上です。

――知事としてはその発言には問題なかったと考えているか。

 まあ少々軽率だったかも知れません。と言ったほうがよろしいでしょうね。そういう意味じゃなくて女性だけではなくて、私にとって、サインコサインは使ったことはないよねと。ずっと今までそういう話をしていて、たまたま昨日はそれを女性とうっかりしゃべってしまった。というのが昨日の発言の趣旨ですので。

――いわゆる撤回訂正はしないのか。

 撤回訂正というか……口が滑ったというのは撤回訂正ですよね。

 実際難しいんですよね、何を教えるかというのはね。中学の頃に明確に言われた話が実は頭のなかにあって、この発言が出てくるんだけど。「君たちね、英語の単語を1つ覚えるよりも、世の中の草花の名前を覚えたほうが人生は豊かになるんだよ」と。中学校のときの先生に教わったセンテンスでそれが今も頭のなかにあって、考えてみれば草花の名前なんてほとんど知らないよね、というのが潜在的にあるものだから、ああいうセンテンスになって発言したんですけど、皆さん方いかがでしょうか。昨日私は教育観についても人間像についてけっこうしゃべっていますので、きちっと議事録を読んでいただければと思います。


黒木貴啓


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