海に眠る“幻の小判”を探す ガチすぎるトレジャーハンティングを体験
幻の小判は1枚の時価約40万円……。
今年6月、トレジャーハンティングの聖地とも呼ばれるアメリカ・フロリダ州の沖合で、18世紀スペインの沈没船のものとみられる金貨51枚もの財宝が発見されました。その価値はなんと推定100万ドル(約1億2000万円)!! フロリダ沖は「魔の海域」バミューダトライアングルなどもあり、そんな沈没船のお宝が数多く見つかっている魅惑の地域でもあります。「それは海外の話。さすがに日本にはないだろう」と思いきや……なんと見つかってるんです。日本でも黄金色に輝く小判が!!
発見されたのは2005年の初夏。千葉県の塩見海岸を散歩していた男性が、浜辺に打ち上げられている“元文小判”を発見しました。江戸時代(1736年〜1818年)に作られ、金の純度はおよそ65%。時価23万円から40万円もの価値があるとか。千葉県館山市立図書館に保管されている沈没船に関する古文書によると、この海域では江戸時代後期に沈没した船が少なくとも3隻はあるらしい。小判はそのうちどれかの船の積み荷だったのか……?
小判を求めて日本の“お宝探し集団”が動き出す
「小判はまだ眠っているはずだ!」と動き出したのは、日本で唯一のトレジャーハンター集団、「日本トレジャーハンティング・クラブ(JTC)」。
リーダーは40年以上日本中の埋蔵金やお宝を探し続けてきた、作家の八重野充弘さん。
「小判が発見された2005年以降、捜索された形跡もほぼない。しかし偶然とはいえ浜に小判が流れ着いたということは、まだ水中の岩場の根の部分などに沖から流されてきた比重の大きい小判が引っかかっていてもおかしくないんですよ」
なんと、話を聞けば聞くほど期待で胸がふくらんでくる……!
実は私、記者・青山もトレジャーハンター。宝さがしの夢やロマンったら一言では語り尽くせません。子どものときはよく自宅の庭をむやみに掘りまくり、穴だらけにしたものです。そして2012年に日本トレジャーハンティング・クラブに加入。この時をずっと待っていました!
いざ、小判の眠る千葉・塩見海岸へ!!
今回の調査は記者を含め、日本トレジャーハンティング・クラブのメンバー総勢7人。一泊二日で丸2日間ガッツリと潜る今回の日程。大潮の日の干潮時に合わせて、徹底的に砂浜から海底までを洗いざらい捜索します。果たしてお宝は見つかるのか。昨今流行っている、主催者から出題されるパズルなどを解いてお宝を見つけるような、いわゆる「リアル宝探しゲーム」のようなイベントとはワケが違う、本気のお宝探し。水中カメラを片手にスタートです。
記者もウェットスーツに着替え、人生初のシュノーケリングを装着。
この日の気温は35度超え。照りつける太陽で肌がジリジリと焼けていくのが分かりますが、このワクワクは止められない! 万が一の災難に備え、浮き輪も装備。ぬかりはありません。
狙うは5メートルから10数メートルの深さにある、岩礁の根っこ。波も比較的穏やかで、どこまでも透き通って見えるような透明度が半端じゃありません。
水中では大きな熊手を使って底をかくはんし、キラリと光る小判をとにかく探しまくります。海底は比較的浅いところは一面細かな砂ですが、深いところにいくと階段状のような凸凹した一枚岩があちらこちらに存在します。
その形状は宮崎県の有名な“鬼の洗濯板”に似ていて、窪んでいる隙間に小判が沈んでいそうな感じが満載。しかし夢中になって潜っていると、気が付けば相当深い沖に迷い込んでいた記者。海の底だと思い込んでいたものはただの巨大な一枚岩で、岩と岩の間の深さは10数メートル……。なんせ人生初のシュノーケリングなので少しパニックになり、水面に顔を出しているのに海水をストローのように逆に飲みこんでしまいひとり大慌て。持っていた浮き輪にしがみつき事なきを得ましたが、もしものときの安全対策は本当に大切です。
一人茹でタコのような顔になって必死に泳ぎ続けていたところ、海底に岩でも貝でもない、なにか人工物のようなものを発見……!
海底で見つけたのは、何か年代物のつぼの一部のようなカケラ。ほかにもおちょこの底のような物や、古い陶器でできた網のおもりなどなど。また、釣り竿を船にかけておくような古めかしい部品もいくつか発見。
小判は見つからなかったものの、「この茶色のツボに小判がざっくざく詰め込まれてて、おちょこはこれで沈没船の乗組員が酒を飲んでいたに違いない」と妄想するだけでもメチャクチャ楽しい。「経過を楽しむ」これもトレジャーハンターの醍醐味です。
金属探知機も登場! 砂浜を捜索せよ
海底の次は砂浜を徹底捜索。実際に小判が発見されたときのように、打ち上げられた小判が時間の経過とともに砂の中に埋まってしまった可能性だって十分ある。数10万円もする金属探知機を使い、発見場所を中心にくまなく探します。
波打ち際の岩場だって見逃しません。この裏に入り込んでる可能性も。
記者も生まれて初めて金属探知機を握らせてもらい、プチ興奮。
金属に反応するとメーターの針が反応し、その度合いによって振り切れることもあるとか。
……って、写真を見ても分かるように記者が振りかざした地点で、探知機が異常に反応し、メーターの針が振りきれているじゃありませんか!
「え、なになに」
「この辺り怪しいな……」と他のトレジャーハンターさんたちがどんどん集まってくる。
まじすか。もしかして見つけちゃいましたか。
反応があったポイントをスコップで掘り返すことに。
「もしかしたらキラリと光る小判が見え………」てくることはなく、反応は徐々に静かになっていきました。
そう簡単には見つからない、だがそこがなんとも楽しい。
金属探知機は空き缶の破片にも反応してしまうので、浜の至るところで「ピー! ピー!」と音が鳴ることもあるみたいです。残念ながらこのときも空き缶に反応していたようで、黄金色のお宝は発見できず。しかし酷暑の中でもみな終始笑顔で浜や水中を動きまくりの探しまくり。「超真面目に遊んでいる大人たち」は最高に格好良かったです。
「トレジャーハンティングはプロセスが面白い」
「もちろん結果も欲しいですよ。でもね、経過を楽しんでこそのトレジャーハンティングです」と語るのは、代表の八重野さん。
「トレジャーハンティングは夢とロマンがある一方で、一攫千金の欲望にとりつかれてすべてを投げ出し、財産や家族、信用を失ってしまう人々も実際にこの目でたくさん見てきました。一歩間違うと人生を狂わせかねない一面もある。だからこそ結果だけにとらわれず、『真剣だけどすべてのプロセスを楽しんじゃう』という気持ちがなければダメです」
公式サイトのメンバー募集のページにも、
- 宝探しをあくまで健全なレジャーとして楽しもうという人。
- 宝探しを金もうけの手段と考えない人―――という条件がかかれています。
今回の捜索でも、結果的に小判は見つかりませんでしたが、夕食中もトレジャーハンター同士で埋蔵金伝説で盛り上がったり、「○○県の山中の横穴が怪しい……」「あの崖をどう登るか」とビールを飲みながらの熱い話が最高に楽しかったです。そんな場面も、トレジャーハンティングの面白さの一つのような気がします。
そして諦めることなくしぶとく挑み続けるのもトレジャーハンターの特徴。「今回の千葉の捜索も発見には至りませんでしたが、今度はもっと沖でダイバーをつかって海底をしらみつぶしに探したい。まだまだ諦めるには早すぎます」と八重野さん。
いつかこの執念が実を結び、新聞の一面を飾ることを夢見て……トレジャーハンターたちは今日も夢とロマンを追いかけます!
(青山ゆずこ)
関連記事
- 300年前の難破船から財宝! 金貨など1億円以上がフロリダで発見
お宝ざっくざく。 - なんてステキな叔父さんなのでしょう 宝探し風に渡されたお小遣いがユニーク&かわいいと話題に
3000円でも1万円分ぐらいの価値を感じます。 - 太平洋戦争で特攻兵器として使われた潜水艇「海龍」が下田沖で見つかる
物資不足のために魚雷は装備されず、特攻兵器として使われました。 - 日テレ「バンキシャ!」取材チーム、潜水艦空母「伊402」70年ぶり発見か
取材中、長崎沖の海底で「伊402」と非常によく似た構造物を発見したとのこと。 - 「シブヤン海で戦艦武蔵を発見」MS共同創業者ポール・アレン氏が報告
船首に菊の紋があり、巨大な錨もあったという。 - 埋蔵金は九州に眠る? 日本全国で推定総額1兆6550億円
推定総額1兆6550億円。これ、タンスの肥やしになっている貴金属ジュエリーの推定総額だそうです。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
不二家の「プレミアムショートケーキ(国産苺)」が半額に! 3日間限定キャンペーン
-
中山美穂、金髪&ミニ丈の大胆イメチェンに視聴者びっくり! “格付け”出演の最新ビジュアルに「誰だか分からなかった」
-
日本エレキテル連合・中野、ネタで酷使し容姿に異変→手術を決断 「ダメよ〜、ダメダメ」でブレイク、2022年にがん公表
-
動物病院の会計中、振り返って愛犬を見たら…… “柴らしい”もん絶級の光景に「天使かよ!」「帰れるもんねw」
-
「ハンガー・ゲーム」出演俳優、撮影中の性的暴行被害を告白 泣きながら撮った当時の写真添え「すごくつらかった」と胸中明かす
-
ミス筑波大モデル、25キロ減量したビフォーアフターに「ホント凄い」 整形疑う声も「元々は埋もれてたようですね」
-
上沼恵美子さん直伝「ホタテの一番おいしい食べ方」に絶賛の声続々! 「発想が主婦目線」「マネして作ってみます」
-
【今日の計算】「8×4−2+1」を計算せよ
-
1歳赤ちゃん、寝ぼけまなこの謎行動が150万再生突破 「仕事の疲れ、吹っ飛んだ」「少し出ちゃったの可愛すぎ」
-
「めざましテレビ」“新お天気キャスター”が「美しすぎる」と注目 ミス東京GP獲得から約4カ月で
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
- 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
- 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
- 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
- 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
- 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
- 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
- パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
- “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
- 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
- 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
- 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
- 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
- “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
- 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」