レトロゲーム好きには胸熱スポット ドイツのコンピューターゲーム・ミュージアムに行ってきた
ベルリンにあるコンピューターゲーム・ミュージアムは、およそ2万5000タイトルを収集。ゲームで遊ぶこともできます。
ドイツの首都ベルリンには観光スポットがたくさんありますが、最近、地元ベルリンの人たちにも注目されているのがコンピューターゲーム・ミュージアムです。
「コンピューターゲーム:メディアの進化」というコンセプトで、デジタルゲームの発展の歴史を300点の展示物を見ながら学ぶことができます。アナログではなくデジタルのゲームに特化し、テレビゲームの隆盛前夜のコンピューター開発におけるゲームの歴史にまでさかのぼったところから展示がスタートし、現代のテレビゲーム事情までをさまざまな角度から俯瞰(ふかん)する内容となっています。
コンピューターゲーム・ミュージアムが開館したのは1997年。インタラクティブなエンターテイメント文化を紹介する常設展としては、世界初だったそうです。その後、2011年1月に現在の展示コンセプトに変更となりました。収集したゲームはおよそ2万5000タイトル、ゲーム機やコンピューターシステムは100種類以上、雑誌は1万2000冊以上を保有しているとのこと。また、アーケード向けゲーム筐体やメディア・アート作品、グッズなども収集の対象としています。
2015年1月に新設されたのが、ゲーム文化とライフスタイルの変遷を体験できるコーナー。1970年代の終わりごろから90年代まで、ゲーム機が遊ばれた家庭空間を再現したものです。このエリアは実際に「部屋」の中に入ることができ、当時のゲームで遊ぶことができます。
「子ども時代を思い出す」と来館者
来館していた人に話を聞いてみました。
北ドイツから甥が遊びに来たので連れてきたというコルゲさんはベルリン在住。新旧問わず興味深いが、古いゲームで遊んでいると、子ども時代を思い出すそうです。
学生時代からの友達同士だというフェアトメンゲスさんとプライヤーさんは20代後半。ゲームファンで古いゲーム機をたくさん所有しているそうです。「スーパーマリオ」はどこの国で作られたか知っているか聞いてみたところ、「アメリカかしら」との回答でした……。
孫と一緒に来たというリューディッケ夫妻にとっては、最初期のゲーム機が興味深かったとのこと。特に「スーパーマリオ」については、当時、息子に買い与えたのを思い出したそうです。
「日本人にも来てもらいたい!」
コンピューターゲーム・ミュージアムのスタッフ、マティアス・オボルスキーさんから話を聞くことができました。オボルスキーさんはゲーム機の修理や展示品のメンテナンスを担当するチームを統括しています。
同館は、子どもから大人まで楽しめる場所として、ドイツ国内にとどまらず、欧州各国からも来館する人がいるそうです。ただ、一番多いのは地元ベルリンの生徒たちで、校外学習の一環として利用しています。また日本人の来館者はほとんどなく、ぜひ日本人にも来てもらいたいそうです。ガイドツアーは英語、ドイツ語、ロシア語の3カ国語で提供していますが、日本からの来館者が増えれば日本語も検討したいと話してくれました。
ベルリンで開館した経緯については、コンピューター発明者の1人がベルリン出身だったり、ベルリンにはゲームデザインを学ぶことができる専門学校もあったりと、協力を得やすい環境があったそうです。
展示は、デジタルのゲームを文化遺産として、その歴史を関連分野と合わせて総合的に紹介すること目指し、技術者よりも文系の研究者に協力してもらっています。展示品の多くは寄付でまかなっていて、古いものは個人から、新しいものはメーカーから提供してもらうことが多いのだとか。
今後は展示エリアを拡大させ、ゲーム文化の歴史的価値をさらに世の中に広めていきたいと話していました。
コンピューターゲーム・ミュージアムは交通が便利なベルリンの中心部にあります。レトロゲームが好きな方、ベルリンを訪れる機会があったら立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
コンピューターゲーム・ミュージアム(Computerspielemuseum)
住所:Karl-Marx-Allee 93A、10243 Berlin
入館料:通常価格8ユーロ(大人)、割引価格5ユーロ(子ども、学生、障害者、年金受給者など)、ファミリーチケット17ユーロ
開館日:毎日
開館時間:10〜20時(年末年始は開館時間が変則的になります)
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