人はこれを、監禁と呼びます 幼女と暮らす女子高生「ハッピーシュガーライフ」松坂さとうの純愛あのキャラに花束を

愛のためだったら、なんだってできるよ?

» 2015年11月27日 10時00分 公開
[たまごまごねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

画像 思わず目が合ってびっくりする表紙

 幸せになりたい。甘い気持ちになりたい。

 仮に大勢にモテたとしても、きっと心は満ち足りない。

 マンガ「ハッピーシュガーライフ」(→試し読みページ)の主人公の少女松坂さとうは、一緒にいて幸せになれる、大切な存在を見つけました。

 これは、愛の物語。



愛を求め続けてたどり着いた

 松坂さとうは、いろいろな男の間をフラフラする生活を送っていました。周囲からは「尻軽で男とっかえひっかえ」「頼んだらヤらしてくれるいー女」と呼ばれています。悪口ではなく本当のこと。友人と男遊びを繰り返していました。

 ところが彼女は男との交遊を、一切やめます。心に決めた人ができたからです。すっかり一途になり、その人のために、がんばって仕事をはじめます。

 めでたい! いやあよかったぜひ幸せになってほしい。相手はこの人です。


画像 最愛の人です(1巻P12)

 一緒に暮らしているのは、彼女が見つけてきた女の子、神戸しおちゃん。純粋でよく笑う、まだ物事を何も知らない幼女です。

 神戸しおちゃんと過ごす時間は、松坂さとうにとって至福の時間でした。今まで乾いていた心を、男とつながっても得られなかったものを、満たしてくれました。


画像 あなたがいれば、もうそれだけでいい(1巻178ページ)

 「きっとこのキラキラしている感情が 愛とよばれるものなのね」今までフラフラと男の間をうろついていた彼女が、はじめて感じた気持ち。彼女と生きていくために働いてお金を手に入れよう。いいものを買ってあげよう。頑張ろう!



何も知らない子

 神戸しおと松坂さとうの住む部屋にはテレビがありますが、映りません。松坂さとうが外出する時、神戸しおは「外は危険なものが沢山あるから しおちゃんは絶対出ちゃダメ」と言われて、その言いつけを笑顔で守っています。窓も開けてはいけません。危ないからね。

 神戸しおは「さとちゃんの言うこと 全部正しいもんね」と信じ、目と目を合わせて微笑みます。2人は幸せでいっぱい。

 ただし人はこれを、監禁と呼びます。


画像 ウソはついてない、愛を守りたいだけなんだ(1巻42ページ)

 彼女の笑顔を、自分の幸せを、失う訳にはいかない。そのためならなんだってする。



行き止まりしかない、ハッピーシュガーライフ

 幸せを探した結果、思いっきり道を踏み外した松坂さとう。幼女をさらってくるのがいいわけがない。なのにフワフワと少女漫画タッチで描かれた、神戸しおの満面の笑顔を見ると、これはこれで幸せなんじゃないかと勘違いしてしまう。いやいや、だめだよ、しおちゃんは状況を分かってないだけだ。

 作中では他のキャラたちの歪んだ愛が対比になっているため、松坂さとうの行動が一見正しくすら見えてしまう。いじめ、ストーキング、レイプ、淫行条例違反。自分の満足のために相手を傷つける人間ばかり。それに対して松坂さとうの愛は、相手に嫌な思いをさせていない、見返りを求めない、という意味では純粋。

 ハッピーエンドになる気配はない。彼女たちの住んでいる家ってなんなの? 神戸しおはどこから来たの? 松坂さとうの親はどこにいるの? ちょっとした疑問で、何もかもガラガラと崩れます。

 神戸しおちゃんは、部屋で自由に過ごすことができる「軟禁」状態。(ちなみに日本では「軟禁」は法律用語ではないので、「監禁」と同一扱いです)。ただし「閉じ込められている」という意識が神戸しおちゃんにはない。双方が合意の上だから、幸せで甘い生活が成立してしまった。

 松坂さとうも分かっているはず。彼女には、この状況を守り続けるしか、選択肢がない。


画像 2人の部屋は、住み心地がいい。で、その袋なに?(1巻74ページ)

 裏表紙に書かれた文字。「騙しても、犯しても、奪っても、殺しても、いいと思うの」。よくないよ。でも彼女が騙して犯して奪って殺していく様が、もっと見たい。

 2人の生活は砂糖のように甘くて、砂糖のように脆い。


画像 12月22日には第2巻も発売予定

画像 こちらは裏側。不穏……

画像 帯には「彼女の恋は、甘くて痛い。」


(C)鍵空とみやき/スクウェア・エニックス

たまごまご


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた