ニュース
» 2015年12月13日 11時00分 UPDATE

司書メイドの同人誌レビューノート:フィンランドで「スイッチ」を買ってきた ニッチすぎる旅行記に同人誌の可能性を感じる

今週はサークル「レトロピリカ」さんの同人誌「Finland TravelII」をご紹介。

[シャッツキステ,ねとらぼ]
シャッツキステ

 年末年始、長期のお休みに向けて旅の計画を始める方も多くなってきたころだと思います。皆さんは、旅先でどんなお買いものをしたいですか? 今回は、フィンランド旅行でなぜかスイッチを買ったという作者さんの同人誌を紹介します。スイッチというのはフィンランドの伝統工芸……などではなく、電気を付けたり消したりするあのスイッチです。なぜわざわざスイッチを買ったのかというと……。


今回紹介する同人誌

「Finland TravelII フィンランドで快適モバイル通信 2013年フィンランドスイッチの旅」A5 20ページ 表紙・本文カラー

著者:N、樹港



Finland TravelII フィンランドで快適モバイル通信 2013年フィンランドスイッチの旅 Finland TravelII フィンランドで快適モバイル通信 2013年フィンランドスイッチの旅

せっかくフィンランドに行くのならば、家のスイッチをフィンランドのスイッチに変えてみたい

 というのがその理由なのだそう。くっ……、深い理由があったわけではなかったのですね……! でも、そういうところから個性的な感覚の持ち主であることがうかがえ、心ひかれてしまう自分がいます。私は旅行に行くと、お土産物屋さんに行くのが楽しいタイプなのですが、「ここの土地ならではのものが欲しいなぁ」と売り場をウロウロし、「でもこれおうちに帰って、使うかな?」とひとしきり悩み……、旅行先での貴重な時間を費やしてしまうこともしばしば。お土産屋さんで悩むのは楽しいもの、でもせっかくなら「使う度にその土地のことを思い出すし、日常にも使える」という一石二鳥な逸品と巡り会いたいのです!「そう、そんな願いが簡単に叶うのです。旅行先のホームセンターならね」というどこかで聞いたようなセリフが脳裏をよぎりましたが、それはさておき、フィンランドにまで行ってスイッチを探そうというその謎の情熱、たまりません。

 誌面には、フィンランドのホームセンターにあるスイッチ売り場の写真が掲載。意外にも日本とあまり変わらない感じで、シンプルな棚にずらっとスイッチが並べられています。「ほほう……調光機能付きのスイッチが多いんですね」と、コメントを参考にしながら読み進めると、次のページに衝撃の事実が待っていました。

フィンランドで買ったスイッチは日本では使えません

 ええっ!?「フィンランドのスイッチは日本では売っているのを見たことがありませんでした。この理由は後でわかります」などとチラチラ伏線が張ってあったので、もしかしてと思ってはいたのですが……。日本で取り付けるには数値検査をした製品でなければならないのだとか(日本で取り付け工事をしてもらうには、検査をした証である「PSEマーク」が必要とのこと)。ページ内に添えられたイラストの猫さんのやさぐれた目が、作者さんのショックを物語るようです……。事前に調べてさえいればこんな悲劇は生まれなかったのに……。

Finland TravelII なんということでしょう……。

Finland TravelII Oh……

 でも後ろのページでは、はるばる海を渡ってきた、スイッチ2個、プラグ2個、コンセント3個、有線LANコネクタ1個をしっかりと写真付きで紹介していました。「無駄な装飾もなくとてもすっきりしたデザインです」という解説の後で、「日本では使えませんが」と自らに追い討ちをかけるように一言添えてあるのが涙を誘います。ちなみに、取りあえず壁に取り付けて楽しんでいるのだそう。配線できなくても前向きです。

Finland TravelII スイッチかわいいです。見ているだけでかわいさが伝わってきますから!

 今回買ったスイッチやコンセントはシンプルなものばかりですが、それだけに厚みや、差し込み口の曲線など、微細な部分での美しさに目を見張るものがあります。うん、これならインテリアとして楽しめそう。

Finland TravelII カチカチしたいです

フィンランドのモバイル通信事情

 本の構成は大きく2つに分かれていて、半分がスイッチの話、もう半分がフィンランドでモバイル通信を使ってみたというリポートになっています。旅先でも快適に過ごすため、価格やメリットを考え、実際にモバイル通信を使ってみた様子を写真入りで細かく紹介。旅先でのネット環境の確保は大事ですが、意外とガイドブックになかったりする情報なので参考になります。

 また、「外国とはいえホームセンターはホームセンター」など、端々に書かれたフィンランドでのちょっとした情報が分かるコメントも楽しめます。本文はフルカラー、中のページもフィンランドの国旗を思わせるデザインで統一されており、気軽に読める分量です。これからの旅の計画に、そして日本で使えないスイッチを買ってしまうという過ちを犯さないためにも、手に取ってみてはいかがでしょうか。直近では、来年5月開催の「コミティア116」で出展されるそうです。参加の際は、せっかくなのでスペースでスイッチを触れるようにと計画中らしいですよ!

Finland TravelII

サークル情報

サークル名:レトロピリカ

Webサイト:http://blog.nekoism.net

Twitter:@nekoism_net

参加予定イベント:コミティア116(2016年5月開催)


今週のシャッツキステ

 12月25日にアニメ「ご注文はうさぎですか??」のティッピー型クッキーセットを販売することとなり、館内でもラッピングのためのリボンを作ったり、クッキー作りの準備を進めています。メイドがデザインしたラベルにも、ちょっとしたこだわりが隠れているんですよ。

著者紹介

司書メイド ミソノ 司書メイド ミソノ:秋葉原カルチャーカフェ「シャッツキステ」でメイドとしてお給仕する傍ら、とある大きな図書館で司書としても働く“司書メイド”。その一方で、こよなく同人誌を愛し、シャッツキステでも「はじめての同人誌づくり」「こだわりの特殊装丁」の展示イベントを開く。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えた辺りで数えるのをやめました」と語る

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

コミック アース・スター×ねとらぼ:都道府県擬人化バトル「四十七大戦」出張連載

  1. 「板長が暇つぶしに切った大根」が暇つぶしってレベルじゃねーぞ! 江戸時代から伝わる技法があまりにもアート
  2. 「はちま起稿」買収問題、DMM社員はどう見たか 「正直、気分は良くない」「色々な意味で倫理にもとる行為」
  3. 「はちま起稿」買収騒動から4週間、沈黙続くDMM・インサイトの現状は―― まとめサイトの「運営隠し」は何が問題なのか
  4. 男子学生の恋愛ドラマかと思いきや……急展開すぎるだろ!! 米国NPO団体が実際に起こっている悲劇を動画化
  5. 本当にプレイできるゲーム筐体型家具まで開発 新ジャンル「ゲーミング家具」を掲げる家具屋さんの本気を聞いた
  6. うちの母のお弁当、そんなに面白いですか? 編集部員のお昼を公開【母弁写真32枚】
  7. ニンゴジラ「ひや、マイニンテンドーストア混んでますわ〜」 アクセス集中で登場する謎の怪獣、任天堂にデザイン意図聞いた
  8. 異議あり(物理)! モンハン×逆裁コラボで「マスコットキャラで敵をぶん殴る成歩堂」などクレイジー場面続出
  9. 「ゲームに飽きたんじゃない、成長しないことに飽きたんです」 プロゲーマー・梅原大吾が語る“ゲームに飽きる理由”に共感集まる
  10. 「リゼロ」レムの誕生日ケーキが発売 双子の姉・ラムファンから悲しみの声があがる

やまもとありさ×ねとらぼ: SNSマンガ家群像劇「アオイトリデ」


» 続きを読む
» 過去のまんが一覧

ねとらぼがスマホからも見れる!

過去記事カレンダー