湊かなえ「少女」映画化 心に闇を抱える少女2人を本田翼、山本美月が演じる

「人が死ぬ瞬間」を見たいという欲望と願望を持つ少女たちの物語。

» 2016年01月05日 08時00分 公開
[ねとらぼ]

 「告白」で知られる湊かなえさんの小説「少女」の映画化が決定した。秋に公開される。

 心に闇を抱える高校2年生の桜井由紀と草野敦子が、「人が死ぬ瞬間」を見たいという欲望と願望を胸に別々の夏休みを過ごすというストーリー。それぞれの視点で語られる異なるストーリーが終盤に向けてリンクしながらつながっていく。

 桜井由紀を本田翼さん、草野敦子を山本美月さんが演じる。監督は「ぶどうのなみだ」「繕い断つ人」などを手がけた三島有紀子さん。

原作者コメント

 現場に伺った際、クライマックスのシーン撮影を拝見しました。そこからどんどん妄想が膨らんでいって、映画の完成がとても楽しみになりました。本田翼さんの演じた「由紀」というキャラクターは、誰よりも強くて、誰よりも弱い……無理をして強さを押し出している女の子です。最初に本田さんが演じると聞いた時から、「ぴったり!」だと思っていました。

 山本美月さん演じる「敦子」は、「由紀」とは反対に本当は強いけれど、一見ふわふわした感じで……弱さの中に自分を隠している子。山本さんのイメージとも相まって、敦子に合っているなと感じました。「少女」を再読すると、お2人のイメージをあてはめながら読んでしまう程です。

本田翼さんコメント

 映画出演のお話をいただいてから原作を読んだのですが、凄く面白くて……! これまで私が演じてきた役は、明るいキャラクターが多かったので、由紀の様な役柄は正直少し不安だったのですが、「チャンスだ!」と思いました。湊先生が現場にいらした時に、「由紀にぴったり」と言ってくださって、凄く嬉しかったです。

 山本美月さんとは4度目の共演。元からサバサバしている性格だということは知っていましたが、今回一緒に演じてみて、凄く研究熱心で本当に人を良く見ているなと思いました。一つの事に対する集中力が凄いんです。

 三島監督は、エネルギー溢れる監督でした。撮影中は毎日、監督から“挑戦状”を貰っている感覚(笑)。結構難しい“挑戦状”を受け取ることもあって、監督のおっしゃっていることを上手く飲み込めない時は、とても苦しくて「どうしたら監督と同じ方向を向けるんだろう」と悩ましく思っていました。1ヵ月弱の撮影期間でしたが、毎日が物凄く濃厚で……「あれ、これって今日の出来事だっけ……!?」と分からなくなる程でした。

山本美月さんコメント

 私が演じさせていただいた敦子は、感情の起伏が大きい子だと台本を読んで感じました。これまで明るいキャラクターを演じさせていただくことが多かったので、色々な感情を表現することに、凄くプレッシャーを感じていました。

 個人的に、ミステリー作品が大好きなのですが、この「少女」という作品は、ミステリー要素の中に、人間味を強く感じる作品。楽しみながら演じることが出来ました。

 本田さんとは何度か共演させていただいているのですが、ここまでしっかりと一緒に演じるのは初めてでした。いい意味で「マイペース」というお話を聞いていたので、どんな感じなのかな?と思っていました(笑)が、現場では色々な話をしたり、待ち時間にゲームをしたりして楽しく過ごせました。

 三島監督はたまに、催眠術のように演出を付けてくれるんです(笑)。監督から「だんだん(敦子は)こう思ってくる……」と耳元でささやかれると、なぜか本当にそう思えてくるんです。その影響か、撮影期間中に勉強の為にほかの作品を見ることがあったのですが、敦子寄りのキャラクターに感情を入れ込んでしまって……。心が無防備というか、傷つきやすい状態になることもしばしばありました。

監督コメント

 湊かなえさんの描く“毒”が大好物です。それに女子の17歳を描きたいというのが始まりです。17歳というのは、非常に自分勝手な時期で、どこにぶつけて良いのか分からないエネルギーに溢れ、それでいて“死”と背中合わせで、当人達からしたら、世間で言われる“キラキラと輝いている時期”ではけっしてなく、大きな閉塞感の中で生きていると思います。原作には、自分勝手さと閉塞感がしっかりと描かれていて、登場人物のキャラクターも個性的で、何より全体を通しての疾走感がありました。その三つを私なりに解釈して作品作りを目指しました。

 本田翼さん、山本美月さんという、今とても輝いている、未来有る女優のお二人の今を映像に残したいという欲求がありました。この作品では、彼女たちがこれまで開けたことのない扉をどれだけ開けてあげられるのか……ということが使命だと思っています。

 本田さんは、これまで明るいキャラクターを演じられることが多かったようですが、じっくりみるとどこか「怒りの感情」を秘めた表情を感じられることがありました。そこをしっかり前面に押し出すことで、本人が映像をみて「怖い!」と言ってしまうくらい、三白眼ベースの知的で繊細な“由紀”が出来上がったと思います。

 山本さんは、とても気を遣う、細かいところまで周囲を見ている方。であって、根の部分は明るくて男前なので、素で“敦子”を演じられるのではないかと思っていました。作品では、人間の脆さを表現しながら、かっこいい敦子が出来上がりました。

 お二人に、丁寧に演じてもらうことを一番に心がけました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news174.jpg 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  2. /nl/articles/2404/26/news154.jpg 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/12/news174.jpg 築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
  5. /nl/articles/2404/26/news022.jpg ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
  6. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  7. /nl/articles/2404/25/news069.jpg “作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
  8. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  9. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  10. /nl/articles/2404/26/news024.jpg 0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」