日本の教師の労働環境は“世界最悪” 改善のため部活動顧問の受け持ち自由化を求める署名を実施中
「2014年の休日は7日間だった」という教師も。
オンライン署名サイトChange.orgで、「教師に部活の顧問をする・しないの選択権をください」という署名活動が実施されています。現在部活動の顧問は全教師が強制的に受け持たされており、残業代も出ない極めて“ブラック”な労働環境となっているため、文部科学省に署名を提出して改善を求めるとのこと。
学校の部活動指導は教育課程に含まれておらず、全て教師の勤務時間外に行われています。しかし、教育現場では教師に部活顧問の担当が強制されており、日本の教師は世界で最も長時間労働というデータもあるほど。特に、朝練・放課後や土日の部活指導により教師は多忙を極めており、授業の質の低下や、生徒と関わる時間の減少といった“生徒自身への不利益”にもつながっているとしています。
現場の教師からは、以下のような声が上がっています。
100連続勤務達成。2014年の休日は7日間でした。全ては部活動のせい。ストレスなのか疲れなのか最近心臓がバクバクなって頭に血が上った状態になる。病院に行く暇は皆無。
部活で忙しくて授業の準備にまで手が回らない。もっと良い授業をしたい。
「補習してほしいと言われても放課後に教える時間すらない。勉強の苦手な生徒を助けてあげたい。」
土日も働きづめで心身ともに疲弊し生徒としっかり向き合って接する余裕がない。もっと生徒によりそいたい。
このように、教師自身の健康問題へ発展したり、本来の教師の仕事がおろそかになったりといった問題が発生しているとのこと。放課後は部活指導ばかりに拘束されるのではなく、教師自身の裁量で使える時間が必要であるとしています。
この問題を改善しようと、現役の教師などからなる匿名の有志団体「部活問題対策プロジェクト」が立ち上がり、2015年12月末に署名を開始しました。2016年2月15日現在、1万9000人以上の賛同者が集まっています。また、2月末〜3月上旬に文部科学省に署名を提出するべく、準備を進めているとのことです。
学生時代、部活の顧問の先生にはお世話になりましたが、その裏でこんな激務を抱えていたとは考えたこともありませんでした。教育現場改善のためにも、良い方向に進んで欲しいものです。
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