鳥嶋和彦、田尻智、シブサワ・コウ―― とんでもないインタビューを量産し続けるサイト「電ファミニコゲーマー」とは何者なのか(5/6 ページ)

» 2016年06月23日 10時00分 公開
[多根清史, 池谷勇人ねとらぼ]

「エイジ・オブ・エンパイア」の世界ランカーだった


―― これまでのお話にもあったように「ゲームの企画書」が成り立っているのは、平さんご本人の存在が大きいですよね。そもそもゲームとの出会いは?

平:
 最初は多分「超時空要塞マクロス」の液晶ゲームとかになるんだけど、やっぱりファミコンですね。小学校の1〜2年生ぐらいにファミコンが出て、普通に「ベースボール」や「スーパーマリオブラザーズ」あたりから入って、中学高校ぐらいまでは家庭用のゲーム中心に、ジャンル関係なく遊んでました。本当に全ジャンル。途中までパズルものとギャルゲーだけは避けてましたが、「ときメモ(ときめきメモリアル)」はハマったかな。


―― 広く浅くという感じですか?

平:
 いえ、いろいろやるんだけど、格ゲーであればその界隈では一番になりたいと思うぐらいやり込んでました。ちょうどSNKのゲームがブームだったころで、「餓狼伝説SPECIAL」とか「ザ・キング・オブ・ファイターズ」とか。「ストリートファイター」は「ZERO」や「III」、「バーチャファイター」や「鉄拳」は「3」までとか。


―― 対戦格闘が一番熱かったころにはやり込んでいたと。

平:
 そうですね、ひとしきりやって、プロのレベルまではいかなかったけど、そのゲーセンで一番強いぐらいにはなりましたね。ただ本格的にやりこんだって意味で言うと、PCゲームの「エイジ・オブ・エンパイア」。これは本を書くぐらいやっていて、どのぐらいやったのか聞かれると困るけど、何千時間とかそういうレベル。あと「ウォークラフト3」もガチでやっていて、多分日本人では一番ランクが高かったと思います。世界ランク27位ぐらいだったかな、周りはぜんぶ韓国のプロだったので。


電ファミニコゲーマーインタビュー いまだに根強いファンが多い「Age of Empires II」。現在はHD化された「Age of Empires II HD」がSteamで配信中(画像はSteamの商品ページより)

―― 世が世ならプロゲーマーとして食べていけたかもしれませんね。

平:
 当時はそんな高額な賞金の大会はなかったですけど、アラブの王子が私的に開いたオンライン大会で、優勝して小切手が送られてきた経験はありますね。5000ドルぐらい。当時はゲームのリプレイというものもなかったので、実際にプレイして見せる講習会を好きでやったりしてました。「エイジ・オブ・エンパイア」は攻略サイトも作っていて、それなりの規模感とPVもあって人気でしたね。



4Gamer時代に培われたインタビュー術


―― ゲーム系のメディアに関わったきっかけは?

平:
 「実況パワフルプロ野球」とかサッカーゲームとか、攻略本を書くアルバイトをしていて。たしか双葉社だったかな、編プロ経由や、知り合いのツテで仕事をやらせてもらったり。それである日、よく見ていた4Gamerでスタッフを募集していたので、いろいろと意見書を送りまして。


―― 単なる履歴書じゃなく、意見書を送ったんですか?

平:
 生意気なことを書いた気がしますね、僕ならこう直しますとか。そのころの4GamerってWeb日記のシステムをちょっと改良したサイトにすぎなかったんですよ。タイトルごとに情報がまとまるような仕組みが全然なくて、そこを改良したほうがいいんじゃないかとメールしたり。そのあたりが、当時の編集長の目にとまったんですね。


電ファミニコゲーマーインタビュー 4Gamerのタイトル別ページ。レビュー、そのタイトルに関するレビュー、ニュース、動画などが一望できる(画像は「Overwatch」)

―― 今の4Gamerのフォーマットは、平さんが作っていった部分が大きいんですね。

平:
 まあ今は現場を離れちゃてるので、僕が放言するわけにもいきませんが。もともと4Gamerはソフトバンクパブリッシングの紙媒体から始まっていて、編集のメンバーも元「ログイン」やPCゲーム雑誌系の人たちだったので、逆にWebのことが分かる人が全然いなくて。その中で僕が一番若いぐらいのポジションだったんです。上の人たちが分からないことはぜんぶ任されて、結果として何でもやる立場になった感じですね。


―― 平さんは4Gamerだと名インタビュアーという印象が強いですが、あのインタビュー術はどこで培われたんですか?

平:
 それは明確で、完全に編集長の岡田の指導です。もう僕の師匠は岡田さんで、面白い記事、面白いインタビューも目指すものは岡田さん。岡田さんの記事で代表的なのは稲船敬二さんのインタビューかな。別に細かく指導を受けたわけではないですが、やっぱり取材には同席していたので、学ばせてもらった感じですね。インタビューがやけに評価してもらってるな、と思ったのはここ2〜3年ぐらいのことかな。


電ファミニコゲーマーインタビュー 師と仰ぐ、岡田和久編集長による「稲船敬二氏は、何を思い、何を考え、何を目指してカプコンを辞めていくのか」(4Gamer.net)。冒頭でいきなりカプコンを退社することを告げられ、困惑しつつも正面から稲船さんの本音を引き出した会心のインタビュー


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」