国民的英雄がなぜ容疑者に? アカデミー賞期待のクリント・イーストウッド×トム・ハンクス映画、ポスター解禁

155人全員生還した1549便不時着事故、ヒーローとなった機長の、語られなかった裏のストーリー。

» 2016年07月22日 17時00分 公開
[城川まちねねとらぼ]

 9月24日公開の、トム・ハンクス主演映画「ハドソン川の奇跡」(監督:クリント・イーストウッド)のポスター・ビジュアルが解禁されました。

「ハドソン川の奇跡」ポスタービジュアル

 同作は2009年1月15日に起こったUSエアウェイズ1549便不時着事故を描いたもの。ニューヨーク発シアトル行の1549便が、両エンジン停止によって飛行高度維持ができなくなり、機長のチェズレイ・サレンバーガーの判断でハドソン川に不時着した事件です。乗客150人と乗員5人全員が生還し、1人も死者を出さなかったことから、当時のニューヨーク州知事によって「ハドソン川の奇跡」と呼ばれました。

 サレンバーガーは事件後、オバマ大統領の就任式に招待されるなど、多くの人命を救ったヒーローとして今日でも人々の尊敬を集めています。しかし、ポスター上に確認できるキャッチコピーは「155人の命を救い、容疑者になった男」。なぜヒーローであるはずのサレンバーガーが容疑者となったのか? 社会や人間の明暗を客観的な視点から描いてきたイーストウッド監督の手腕が光る作品となりそうです。

「ハドソン川の奇跡」

 イーストウッド監督は「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」で2度のアカデミー賞監督賞に輝き、後者では74歳という史上最高齢での監督賞受賞となりました。また、サレンバーガーを演じるハンクスは、「フィラデルフィア」「フォレスト・ガンプ/一期一会」で2度のアカデミー賞主演男優賞を受賞。アカデミー賞常連の2人がタッグを組んだ同作は、既にアカデミー賞有力候補として見られる向きも。現在86歳のイーストウッド監督が同作で監督賞受賞となれば、自身の最高齢記録を更新することになります。

 映画化発表後、サレンバーガーはTwitter上で「クリント・イーストウッドがWarner Bros Picturesと私の物語を映画化するチームを結成。このような才能あふれる人びとによって作られるとは、名誉なことです」と喜びをツイート。題材が実在するアメリカのヒーローを扱ったものであること、86歳でなお精力的に映画製作し続けているイーストウッドの手によるものであることなどから、同作に期待を寄せる映画ファンも多いようです。

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