BPO「放送倫理上重大な問題があった」 2014年放送の世田谷一家殺害事件特番

元FBI捜査官に賛同しているかのような恣意的な編集が行われていました。

» 2016年09月13日 14時00分 公開
[ねとらぼ]

 放送倫理・番組向上機構(BPO)は、2014年12月28日にテレビ朝日で放送された「世紀の瞬間&未解決事件 日本の事件スペシャル『世田谷一家殺害事件』」について「放送倫理上重大な問題があった」との見解を発表しました



 同番組は2000年12月30日深夜に発生した世田谷の一家殺害事件を扱ったもので、番組への申し立てを行ったのは事件当時隣に住んでいたという被害者遺族の1人。申立人は“被害者の顔見知りの犯行であること”や“犯人は被害者に強い恨みを持つこと”などを否定していましたが、番組中に登場するFBIの元捜査官は犯人像を「被害者家族の顔見知り」「強い怨恨を抱いている人物」と見立てており、本来食い違うはずの両者の見解を「面談場面での恣意(しい)的な編集などにより(元捜査官に)賛同しているかのような形で放送された」として人権侵害があったことを主張していました。

 BPOは、人権侵害には当たらないものの、元捜査官に賛同していると受け取られる可能性が高い内容で「放送倫理上重大な問題があった」と判断。申立人の考えや被害者遺族であることを配慮する必要があることを理解していたにもかかわらず、誤解を招きかねない形で制作を行っていたと指摘し、今後は放送倫理の順守をさらに徹底するよう勧告しています。



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