あくまで実験だから私の尿を飲んで! 恋愛ベタな中学生が明るいエロスを発揮するラブコメ「上野さんは不器用」

「虚構新聞・社主UKのウソだと思って読んでみろ!」第77回。恋愛表現が不器用過ぎる女子中学生が、科学部の実験と称してスカートをのぞかせたりふとももをさすらせたり。

» 2016年10月23日 21時00分 公開
[虚構新聞・社主UKねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 ねとらぼ読者のみなさん、こんにちは。虚構新聞の社主UKです。

 ウケる下ネタとウケない下ネタの違いって何でしょう?

 社主は「明るくて乾いているかどうか」が大きいのではないかと思っています。あっけらかんとした雰囲気での下ネタは笑いやすいけれど、あまりに性的で生々しいネタだと一同ドン引き。この前見ていたプライムタイムの漫才特番でも、きわどい下ネタを披露したコンビはTwitterで「家族が凍った」と概ね不評でした。やっぱりなあ、と。

 これはテレビの話ですが、マンガでも下ネタは使いどころが難しい。特に男性中心的な下品なネタは、昔ならウケたかもですが今はもう無理でしょう。

 そう言う意味で今回紹介するマンガは、下ネタ・エロの使い方がすばらしく上手い作品。「ヤングアニマル」にて連載中、tugeneko先生のちょいエロラブコメ「上野さんは不器用」(1巻、以下続刊/白泉社)です。

上野さんは不器用 「上野さんは不器用」第1巻(「ヤングアニマルDensi」で試し読み3話公開中)(C)tugeneko/ヤングアニマル

あくまで実験の一環だから私のろ過した尿を飲め

 科学部部長の女子中学生・上野さんと彼女が片想いしている後輩部員・田中くん。想いを伝えたいけれど、そのプライドの高さからか素直になれない不器用な彼女は、自作の発明品を通して、ものすごく遠まわしに告白しようと試みます

 しかし、相手の田中くんも田中くん。「お前男として、いや人としてどうなってんだ」とツッコまずにはいられないほどの超鈍感。彼は上野さんが次々と繰り出すアプローチに全く気づきません。本作はそんな先輩VS後輩をニヨニヨと眺めるちょいエロなラブコメなのですが……

 まさか第1話から飲尿を持ってくるとは思わなんだ。

 いつものように部室の理科室にやって来た田中くん。待ち受けていた上野さんが意気揚々と取り出したのは、どんなドブ水でも完全に浄化できるという究極の携帯型ろ過装置「ロッカくん」。効果を確かめるため、彼女は浄化した自分のおしっこを田中くんに飲めと迫ります。当たり前と言うか何と言うか、「汚いから」と拒み続ける田中くん

 「田中が飲まないと意味ないんだよぉ!」「おまえに飲んでもらいたいからに決まってんだろ!!」

上野さんは不器用 そろそろ察してやれよ、田中ぁ!

 実験のためという名目で、好きな男の子に自分の尿を飲んでもらおうと迫り続ける上野さん。不器用過ぎる、というか間違っている。まぁここまで言われればさすがに田中くんも真意を察するというもの。しかし「単に嫌がらせしたいってことですか?」と首を傾げるなど、その比類なき鈍感は変わることなく、結局彼女の想いは届きません。

上野さんは不器用 こういうところだけは普通の女子中学生なんですよね

 「でもあーいうとこが好き!!

 田中くんが去った後、真っ赤にした顔を隠しながら叫ぶ上野さん、超かわいい。

 なお、作者のtugeneko先生は以前「週刊アスキー」で4コママンガ「彼とカレット。」(全4巻/KADOKAWA)を連載していました。セクハラ大学生イケダくんと、彼のもとにやって来た一切家事をしない家政婦ロボット・カレットさんを中心にした、さわやかエロとその報復バイオレンスの応酬が光る良作。連載が終わってさみしく思っていましたが、1話完結式の「上野さん〜」でもその手腕は存分に発揮されています。

気づけば上野さんの歪んだ愛情表現を応援しちゃう

 その後も空間を部分的に真っ暗にする発明品を使って、田中くんに真っ暗になった自分のスカートの中をのぞかせようとしたり、発電スパッツを履いた太ももをさすらせようとしたり。あの手この手で田中くんをドキドキさせようとアピールするものの、全くと言っていいほどなしのつぶて。

 それにしても、上野さんの歪んだ愛情アピールも大概ですが、普通の男子なら大喜びで乱舞するシチュエーションでも表情ひとつ変えず、時には迷惑そうな顔で、立ちかけた恋愛フラグをバキバキにへし折っていく田中くんの鈍感っぷりもすさまじい。脱臭装置の実験で上野さんの脱ぎたてタイツの匂いを嗅いだ田中くん、いや田中の第一声「くっさ」は、さすがに上野さんがかわいそう過ぎて涙が出そうになりました。これがさとり世代というやつか……(多分違う)。

上野さんは不器用 「くっさ」はないだろ、田中ぁ!

 第1話から「おしっこ飲め田中」が出てきたときは「どんだけハードル高いんだこのマンガ」と顔面ストレートを浴びせられましたが、下手するとドン引きになりかねない題材でも全く不快感なく、気付けば「ろ過してあるんだから、おしっこくらい飲んでやれよ田中ぁ!」と言いたくなってしまうほど明るい展開に仕上げられるのは、tugeneko先生のかわいらしいポップな画風、そしてコントを見ているようなテンポとノリの良さがあるからこそでしょう。

 方向性こそ残念ながら想いは純粋な上野さんと、思春期男子とは思えぬ性欲ナッシングな田中くんの「変態先輩VSさとり後輩」みたいな構図は、「偶然スカートの中が見えちゃった」的なラブコメのお約束を片っ端からぶち壊していて爽快。後味の悪さゼロの楽しい作品なので、ぜひ読んでみてください。

 ちなみに、男として割とどうかしている田中くん、本刊収録第10話のとあるシーンで、初めて上野さんの姿にほんの少しだけ照れます。ここまで見事なまでに上野さんが空回っていましたが、ノーデリカシーな田中くんの心境に変化が芽生えるかどうか、次巻に注目したいと思います。上野さんがんばって!

 今回も最後までお読みくださりありがとうございました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/27/news009.jpg しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  2. /nl/articles/2404/27/news020.jpg パパに笑顔を見せる4カ月の赤ちゃん、ママの顔を見ると…… あるあるな反応に「なんで?!」「ママをすごく信頼してる証拠」とさまざまな声集まる
  3. /nl/articles/2401/26/news015.jpg スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
  4. /nl/articles/2404/27/news003.jpg 顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
  5. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  6. /nl/articles/2404/27/news008.jpg 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  7. /nl/articles/2404/27/news010.jpg 巨大ウサギのデカさを伝えるため、2Lペットボトルを横に置いてみたら…… 衝撃の比較結果に「えっ、500mlじゃないんですか」「マジで大きい」
  8. /nl/articles/2404/26/news154.jpg 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  9. /nl/articles/2404/26/news187.jpg 実写「シティーハンター」、最後まで見るとあるはずの仕様がない配慮「わかってる」「粋なはからい」「いい判断」
  10. /nl/articles/2404/25/news174.jpg 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」