「サポート詐欺」の報告が増大 うその警告で不安をあおり偽のサポートセンターに電話させてだます手口

通話中に相手のいいなりになると、実体のない有償サポート契約を結ばされてしまうそうです。

» 2016年11月02日 08時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 「サポート詐欺」と呼ばれる詐欺手口の増加について、トレンドマイクロが調査結果を公開しました。ウイルス感染など、うその警告を発して偽のサポートセンターへ電話するようユーザーを誘導。通話を通して有償のサポート契約を結ばせようとするそうです。


詐欺サイト 不正広告で詐欺サイトに誘導し、もっともらしい名前のサポートセンターへ電話で問い合わせるよう指示してくる

 海外で2012年ごろに発見され、2015年から2016年にかけて、日本でも増大しているとのこと。犯人はまず、ブラウザなどに表示される不正広告から、ユーザーを「サポート詐欺サイト」へ誘導します。サイトでは日本語音声やビープ音などで、ウイルス感染やシステムの異常などを発見したと偽の警告を発信。ユーザーの不安をあおり、指定した電話番号へ問い合わせるよう指示します。


詐欺サイト 「レジストリ障害」と警告して問い合わさせるパターン

詐欺サイト 「Google Security Warning」と称して電話をうながすパターン

詐欺サイト ブルースクリーンを表示して「公式技術者」へ電話させるパターン

 命ぜられるまま、「Windowsサポート」といったもっともらしい名前の会社に電話をかけると、スタッフらしき人物が対応。サポートを行うためと称してリモートデスクトップツールをユーザーにインストールさせ、調査としていくつかのコマンドをリモートで実行します。しかしこの「調査」は、単なる形式だけのもの。同社が確認した事例では、「tree」コマンドでドライブのフォルダ構造を見るなど、無意味な操作しかしていなかったそうです。


調査? サポート対応者が遠隔操作で「調査」しているとする様子

 そして電話の相手先はうその調査結果をもとにして、障害解決のために必要と、有償サポート契約を勧めてきます。ここまでの経緯からして、この契約は実体を伴わない詐欺であろうと、同社は推察しています。


サポート契約 提示されるサポート契約の例。それらしきサポート内容は書いてあるものの、実体はないものと考えられている

 今回の調査で判明した手口は、ユーザーからサポート契約の名目で金銭を詐取するもの。しかし海外ではユーザーにリモートデスクトップツールを導入させた段階で、ランサムウェアなどの不正プログラムを侵入させる事例も確認されているそうです。犯人のやり方次第で、被害はいくらでも大きくなる詐欺と言えます。

 トレンドマイクロは、昨今のネット詐欺は「サポート詐欺」に限らず、正規のサイトやサービスの利用中でも不正広告やSNS上の書き込みを介して誘導される可能性を指摘。URLにアクセスする際は、リンク先サイトの正当性に注意するよう呼びかけています。特に短縮URLや、モバイル端末に表示されるURLは内容が確認しづらいため、さらなる注意が必要としています。


(沓澤真二)


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  2. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/25/news043.jpg 娘の給食の献立表を見たら…… 正体不明の“謎の料理名”が「これはわからんw」と話題に その意外な正体に納得!
  5. /nl/articles/2404/25/news129.jpg プロ野球チップスでまた“不良品”流出 伊藤大海「176m」表記に続き…… カルビー謝罪「深くお詫び」
  6. /nl/articles/2404/24/news018.jpg 1年半ケージに引きこもっていたシャーシャー猫が、ある夜布団に入ってきて…… 感涙の行動に「まるで別猫」「こんな日が来るなんて」
  7. /nl/articles/2404/24/news017.jpg メルカリで300円の紙モノセットを買ってみたら…… 出品者のあたたかな心遣いに「利益は考えていないんでしょうね」「見ててわくわくします」
  8. /nl/articles/2404/23/news185.jpg 子どもに高級キーボードのパーツを捨てられた → 公式の“先読みしすぎた対応”が話題「そういうこともあろうかと」
  9. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
  10. /nl/articles/2404/22/news124.jpg ダイソー「マルチ万能ほうき」が家事ラクの救世主 名前負け知らずの便利さに「これやばっ!!」「220円に驚き」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」