約8年の年月が費やされ完成した“ロムハックゲーム”「Pokemon Prism」が任天堂の要請により公開中止に
リリース直前にまさかの公開中止。
ファンメイド作品「Pokemon Prism」を制作するAdam氏は、同作の公開を中止したことをFacebookとTwitterにて発表した。自身の公式サイトでも告知している。「Pokemon Prism」は約8年間もの時間をかけて開発されていたファンメイドゲーム。2010年の夏にベータ版がリリースされたが、それからAdam氏は本業が多忙のため開発が進んでいなかった。そして2016年の12月25日のクリスマスにいよいよ正式版が公開される予定であったが、そのリリースを聞きつけたニンテンドー・オブ・オーストラリアの法務部に「知的財産の侵害」で差し止められた形だ。
リリース直前の公開中止
Adam氏は今回の公開中止にあたって、Twitterにて「みんなごめん。Pokemon Prismはキャンセルになった。今までありがとう」と投稿している。Adam氏の動揺はおさまらないようで、Twitterでは「こんなことになるべきじゃなかった。忠告してくれた人はいたんだ。だが僕は聞かなかった」といった後悔の念や、「誰かにトレイラーを作ってくれと頼んだつもりはない。あれが注目を集めてしまったんだ」「大騒ぎしてほしくなかった。静かにしてほしかった。だけどこれがインターネットなんだね」といった予期せぬ注目を集めてしまったことへの不満を述べている。
Adam氏は静かに開発していきたかったことを示唆する一方で、過去には開発の状況を小まめに公表しTwitchでも精力的な宣伝活動をおこなってきた一面もある。こうした発言はこれまでとってきた行動とやや矛盾しているように思えるが、それほど氏はショックを受けているのかもしれない。ちなみにAdam氏は、これからも変わらず任天堂の製品をサポートしていくことを宣言しており、今回の件で任天堂を攻撃してほしくないとファンに呼びかけている。
ちなみにAdam氏にとって「Pokemon Prism」は2作目であり、前作の「Pokemon Brown」もまた『ポケットモンスター レッド』の改造作品だ。こちらも「Pokemon Prism」とともに公開が取り下げられている。
またAdam氏は、ニンテンドー・オブ・オーストラリアから送られてきた差し止めを要請する文書を公開している。そのなかで任天堂は、ファンコミュニティーに敬意を示しながらも、知的財産を守らなければいけない姿勢を固辞していくことを明かしている。
“任天堂は、あなたがポケモンフランチャイズのファンであることは理解しています。そのことに感謝している一方で、許可や監督権なく知的財産を侵害する行為から守るという決断は変更できません。任天堂としては、利益を得ることを意図していなかったとしても、ロムハッキングによって知的財産を侵害する行為に対しては同様に対処します。ファンコミュニティーの情熱や献身には感謝していますが、任天堂はフランチャイズを守り、発展させていく必要があるのです。”
ゲームの原点は『クリスタル』の改造
任天堂の要請によってファンメイド作品が中止になった事例は、これまで幾度もお伝えしてきた。そういった作品の多くは、少なからずオリジナルのゲームデータの流用があったのも確かだ。Adam氏の「Pokemon Prism」は『ポケットモンスター クリスタル』の改造から開発がスタートしており、「ロムハック作品である」と公言していた。ゲームデータの流用どころか、ゲーム本体をそのまま改造していたのである。
確かに「Pokemon Prism」はファンにとって魅力的に映る心境は理解できる。主人公は『ポケットモンスター』シリーズでは屈指の人気を誇るドラゴン使い「ワタル」の息子/娘という設定であり、既存のポケモンの多くに新たな進化形が用意され、木やガスなど新たに5つのタイプが導入されるなど野心的な構想があった。しかしながら、改造されたゲームの公開を許すことは任天堂でなくとも困難だろう。
こうした事実がある一方で、「Pokemon Prism」の公開を待ちわびていたファンは嘆きを見せている。特にredditのr/pokemonprismには悲しみの声が届けられている。Adam氏は後日、あらためて今回の騒動についての発表をおこなうとのこと。ゲームの公開を中止した一方で「僕ができるのはゲームを作り続けることだけ」と公言したAdam氏は、どのような決断を下すのだろうか。
関連リンク
- 任天堂が米国で「エターナルダークネス」の商標を登録。噂されるNintendo SwitchのゲームキューブVCへの対応を期待する声も
- アトラスが「スタジオ・ゼロ」を設立。『ペルソナ』でも『メガテン』でもない、“今の時代へのカウンター”として王道ファンタジーRPGを手がける
- ラジオDJとなって“実際に話しながら”物語を進めるVRミステリー『Untethered』がDaydream向けにリリース
関連記事
- アダルトVRゲーム『VRカノジョ』がSteam Greenlightに進出。その狙いは? 意気込みは? イリュージョンに聞いてみた
「VRカノジョ Trial」がSteam Greenlightに。なぜこのタイミングでSteamへ進出しようと思ったのかを聞いた。 - 国内外で狂騒、「ポケモンGO」って実際どんなゲーム?
意外と知られていないゲームの内容について解説します。 - “スプラトゥーンそのもの”な対戦ゲームが中国でリリース その名も「暴走落書き」
完全にアウトじゃなイカ。 - どんなゲームも最低画質に 低スペックPCで「Fallout 4」など最新ゲームを遊び続ける男の闘い
無駄な戦いに見えて、その陰には「最高画質への反逆」というテーマが。 - 「ポケモンGO」が年末年始のキャンペーン! 「ふかそうち」の無料入手、「ルアーモジュール」は2倍有効に
2016年最後の、そして2017年最初のポケGO祭り!
関連リンク
Copyright (C) AUTOMATON. All Rights Reserved.
-
祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
トリンドル玲奈の結婚相手は誰? 2024年に2歳年下俳優と結婚発表、ラブラブ2ショットを公開
-
柴犬が仮設住宅に入ると、布団に隠れた大好きなお姉ちゃんが! 被災した柴犬が見せた最高の笑顔に「こちらまで幸せな気持ちになります」
-
パパがヒゲをそって大ショックな息子の反応が3600万再生 予想外な落ち込みように両親苦笑い【海外】
-
【今日の計算】「2+13×2−6」を計算せよ
-
元パティシエ直伝、スライスチーズを使う激ウマ蒸しパンが209万再生! あまりのおいしさに「秒でなくなった笑」の声も
-
「人生で一度は見てほしい」「息をのむ美しさ」 この世のものと思えない幻想的な“一本桜”に15万いいねの大反響
-
5歳と4歳の兄弟が“子どもしか入れないパン屋”に挑戦 緊張して待つ母に見せた誇らしげな表情が370万再生「子どもも親もワクワクドキドキ」
-
赤ちゃん、寝起きの儀式が全てむちむちかわいい 4部作のポーズに「至高です」「しあわせやぁ〜」
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」