「自然と溢れ出た思いを絵にしました」 日本水道協会“水属性ヤンデレ”ポスター制作への熱い思いを聞いた
テーマは水だが心は熱い。
2014年10月、モールスケープ(駅などにある電子掲示板)に多くの人の目を引くポスターが登場しました(関連記事)。マンガ形式になったその広告は、女子高生が最後のコマでマンガにあるまじき長せりふで水道について熱く語るというもの。広告の配信元は、なんと日本水道協会です。
マンガ形式であることを半ばぶん投げた斬新なデザインと、日本水道協会公式というパワーにより話題になった同広告。「女の子が病んでいるのでは」「ヤンデレだ」といった声が冗談半分にあがったものの、結果的には多くの人たちから「面白い」と支持を得ました。
しかもこの広告、2015年、2016年と1年に1本ずつ新作がリリースされることに。内容は毎回「女の子が憧れている野球部の男子・水野君が水道から水を飲んでいるところを発見→最後のコマで女の子が長せりふ」というお決まりの流れですが、毎回Twitterを中心に話題になる人気のシリーズとなりました(関連記事)。
お硬そうなイメージのある日本水道協会が、なぜこんなやわめな広告を出すことになったのか。そして、一体誰が描いているのか。多くの人が抱いているであろう疑問を、日本水道協会に直接聞いてみました。
広告ができるまで
―― 漫画の作者名を教えてください
日本水道協会: 青春の甘酸っぱさを知りながら、水道水への熱い思いを持つ人です※。
※編集部注:匿名ということです。
―― ポスターを作ることになったきっかけとその狙いは
日本水道協会: 現在、水道事業が抱える課題は非常に深刻です。この広報では、国民の皆さまに、普段、何げなく使っている水道水の存在と必要性を再認識していただき、水道水を享受できることが当たり前でないということ、さらに水道の抱える課題についても関心を持っていただくきっかけとしていただきたいという趣旨のもと行っています。
―― 漫画化や最後の長いせりふのアイデアは誰が出したものだったのでしょうか
日本水道協会: 漫画化自体は、さまざまな世代の方に親しみを持っていただけるように、という本協会の考えです。長せりふについては、青春の甘酸っぱさを知りながら水道水への熱い思いを持つ人がPRポスターを考えていたら、(劇中の女の子と同じように)自然と思いが溢れ出てしまったので、それをビジュアル化しました。
―― ポスターを作成した効果は何かありましたか
日本水道協会: インターネットを通じてたくさんの方にご覧いただけたようです。定量的な効果については分かりかねますが、この広報をご覧になった方に、水道への関心が芽生えていればと期待しています。
―― ネットで話題になっていることについてどう思いますか
日本水道協会: インターネットを中心に多くの方に関心を持っていただき、たくさんの方の目に触れることができているのは大変ありがたいことと考えております。
漫画の設定について
―― 漫画の登場人物2人のプロフィールがあれば教えてください
日本水道協会: とある高校の同級生の男女です。あとは、読者の自由な想像にお任せします。
―― 1年に1回ポスターが出ますが、1年から始まって現在3年生だったりと作中の時間は進んでいるのでしょうか
日本水道協会: 二人の仲はゆっくりゆっくり進んでいます。されども、人生はジェットコースター。今後、どうなるかは分かりません。
―― ポスターは2017年も作りますか。また、作るとしたら同じ作風になる予定ですか
日本水道協会: 皆さまからのご意見等を参考に、今後検討を進めていく予定です。
最後のコマのせりふのガチっぷりからなんとなく分かってはいましたが、広告に掛けている思いはとても真面目で、水道水が沸騰しそうなほど熱いものでした。果たして次回は話がさらに展開するのか、今から楽しみですね。
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