フジ「嫌われる勇気」に日本アドラー心理学会が抗議 放映中止・脚本見直しを要求

ドラマ内におけるアドラー心理学の理解が「一般的な理解とはかなり異なっている」としています。

» 2017年02月12日 21時30分 公開
[宮原れいねとらぼ]

 日本アドラー心理学会が、現在放送中のフジテレビ系ドラマ「嫌われる勇気」に対する抗議文をホームページに掲出。ドラマの内容に対して問題点を指摘し、放映の中止または脚本の見直しを求めていたことがわかりました。


アドラー心理学会 フジテレビ ドラマ 嫌われる勇気 抗議 フジテレビ「嫌われる勇気」(公式サイトより)

 同ドラマは、アドラー心理学の思想を物語形式で描いた書籍「嫌われる勇気 自己啓発の源流『アドラー』の教え」を原作とする作品。ただし本編では、香里奈さん演じるアドラー心理学を体現する刑事・庵堂蘭子が主人公の“刑事ドラマ”として大きくアレンジされています。

 日本アドラー心理学会はフジテレビに対し「貴番組のアドラー心理学理解は日本及び世界のアドラー心理学における一般的な理解とはかなり異なっているように思えます」と所見を述べ、その内容が普及宣伝されるのは同心理学の啓発・普及に対して大きな妨げになるとしています。


アドラー心理学会 フジテレビ ドラマ 嫌われる勇気 抗議 掲出された抗議文


 問題点の一例として、“勇気”は“共同体感覚(他者と共同し協力して生活する能力)”と関係すると理解されているが、同ドラマの中では「『私はただ、感じたことを口にしているだけ』と言っている主人公を『ナチュラルボーンアドラー』として、『相互理解のための努力』や『一致に到達する努力』や『意見や信念を分かちあうための努力』の側面を放棄しているように見受けられます』」と指摘。

 さらに専門家の意見として同学会所属のアドラー心理学指導者・野田俊作氏の言葉を引用。「自分の行為の結果が他者にどういう影響を与えるかについて、いつも配慮をしなければならないと思います。ドラマの中の考え方には『他者の利害』という見方が完全に欠落している気がします」として、アドラー心理学ではないという結論を示しています。

 なお、抗議文の日付はドラマの第4話が放送された翌日「2月3日」で、原作の著者の1人で哲学者の岸見一郎氏には事情を伺った上で送られたことが書かれています。


アドラー心理学会 フジテレビ ドラマ 嫌われる勇気 抗議 原作図書『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』

(宮原れい)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/07/news109.jpg 「ロッチ」中岡、顔にたっぷり肉を蓄えた激変ショットに驚きの声 「これ…ヤバいって」「すごい変身っぷり」
  2. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  3. /nl/articles/2405/06/news040.jpg 「東京チカラめし」約2年ぶりに東京で“復活” まさかの出店場所に驚き「脳がフリーズしそうに」
  4. /nl/articles/2405/03/news025.jpg 「今までなんで使わなかったのか」 ワークマンの「アルミ帽子」が暑さ対策に最強だった 「めっちゃ涼しー」
  5. /nl/articles/1611/04/news117.jpg 「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出
  6. /nl/articles/2405/07/news114.jpg 大谷翔平がエスコート 真美子さん「ドジャース奥様会」に再び登場で頭ひとつ抜き出る
  7. /nl/articles/2405/08/news030.jpg 「新紙幣出てきたんだけど」 レジで“千円札”見た若者がポツリ→まさかの正体にショック広がる 「そうだよねえぇ」
  8. /nl/articles/2405/07/news043.jpg 16歳お姉ちゃんと0歳弟、赤ちゃんが泣くとすぐに抱っこして…… 愛をそそぐ姿に「愛しさ溢れてて号泣」「いいね1万回押したい」
  9. /nl/articles/2405/05/news018.jpg 地元民向け“バリカタ仕様”の袋麺だと思ったら……思わぬ落とし穴に「トラップ仕掛けられてる」「自分も引っかかった」
  10. /nl/articles/2405/06/news001.jpg 川をせき止めるほどのゴミ→ボランティアがを徹底的に掃除したら…… 見違える変化に驚き
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評