実写化の不安乗り越え完成したスカヨハ攻殻をたけし称賛「漫画の実写で最初に成功した例に」
たけし「ゴースト・イン・ザ・シェル唯一の失敗は荒巻じゃないかという説も(笑)」
士郎正宗さんの漫画「攻殻機動隊」をハリウッドで実写化した映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」(日本では4月7日公開)の来日記者会見が3月16日に都内で開催され、主人公・少佐役のスカーレット・ヨハンソンをはじめ、ピルー・アスベック(バトー役)、ジュリエット・ビノシュ(オウレイ博士役)、ルパート・サンダース監督が荒巻役のビートたけしさんと共に登場した。
ヨハンソンは冒頭、「日本が生んだ原作を実写化した本作をお披露する最初の都市に東京はとてもふさわしい。とても興奮している」とあいさつ。
オファーを受けた当初は、詩的で幻想的な原作の世界観をどう実写化するのか自分の中でイメージがつかめず、気持ち的にもおじけづいたという。ジュリエット・ビノシュも「脚本を渡されたときは暗号書を見ているようで全く理解できなかった」と同様の思いを口にしたが、ヨハンソンは、監督と長い時間を掛けて話し合っていくうちに、自分自身の存在に疑問を抱く“少佐”の存在に魅せられ、ついには作品のテーマが脳から離れなくなったのだという。
実際の撮影は、「自分がどう役に息を吹き込むのか、感情的にも肉体的にも大変な作業だった」と明かすも、「役者として未知の世界に大きく一歩を踏み出した作品。世界中で愛されている作品に出演することは光栄であると共に責任も感じるが、存在の危機を感じている役を5カ月ほど演じ、それを乗り切る体験をしたことで、キャラクターの成長と共に自分の成長が感じられた」と喜びを語った。
ヨハンソン演じる少佐の上司に当たる公安9課の荒巻を演じたたけしさんは、「大きなバジェット(予算)の本格的なハリウッド映画に初めて出られて、自分にとってもいい経験になった」とあいさつ。
撮影は何もかも邦画とはスケールが違うことに驚きも多かったようで、ただ歩くだけのシーンを撮影するのにも「『グッド』と監督に言われてよかったのかなと思ったら『ワンモア』って。その後も『ナイス! ワンモア』『ベリーグッド! ワンモア』『エクセレント』『ジーニアス』、でも『ワンモア』。これはお金が掛かるなとつくづく思った」と笑う。一方で、役者としての振る舞いをヨハンソンからあらためて学んだとし、「さすがにこの人(ヨハンソン)はプロだなと日本に帰ってきてつくづく思う。そのくらい素晴らしい映画ができた」と仕上がりに自信を見せた。
監督を務めたルパート・サンダースは、美術学校時代に原作と出会い、その卓越した世界観に若き想像力をかき立てられた人物。「実写版を作るなら、僕が作りたいと思っていた」と作品への強い思いを吐露する一方で、「士郎(正宗)さんや押井(守)さん(神山)健治さんに恥じないものを作らなければならないというプレッシャーがあった」と実写化の重圧を明かした。
作品作りに当たっては日本映画を強く意識して作り上げたといい、同作を「(黒澤明監督の)『醉いどれ天使』と『ブレードランナー』が出会ったような作品」と表現。「実写版を通じ、世界の人々が士郎正宗や押井守が生み出した素晴らしい作品を知ることになることを非常にうれしく思う」と話した。
記者会見でキャストや監督が一様に口にし続けたのは、原作やそれを生み出した士郎正宗さん、アニメを手掛けた押井守さんらへの強いリスペクトだが、たけしさんは加えて、「漫画の実写化は原作に必ず負けて文句を言われるのが定説。でも、この作品は、もしかすると漫画の実写で最初に成功した例になるのではないか。唯一の失敗は(自分が演じる)荒巻じゃないかという説も」と、自虐ネタを挟みつつもリスペクトと独自性が融合した新たな作品の仕上がりに自信を見せた。
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スタイリッシュな戦隊ものな雰囲気漂う。
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