「僕の代わりに、浅見を事件の終息へと導いて」内田康夫さんが休筆発表 「孤道」の完結編は一般公募へ
「僕が休筆すると聞いて、浅見光彦は『これで軽井沢のセンセに、あることないこと書かれなくてすむ』と思うことでしょう」。
「浅見光彦シリーズ」などで知られる作家の内田康夫さんが、“小説を書き続けることが難しくなった”として、休筆を発表しました。
現在82歳の内田さんは、1980年に自費出版した「死者の木霊」が朝日新聞の読書欄で紹介され話題となり、1982年に「後鳥羽伝説殺人事件」で商業デビュー。多くのミステリー作品の中でも、「後鳥羽伝説殺人事件」にも登場したフリーのルポライター、浅見光彦を主人公とする「浅見光彦シリーズ」は、テレビドラマとしても人気を博しました。
同シリーズの最新作「孤道」は2014年12月から毎日新聞で連載されていましたが、2015年の夏に内田さんを脳梗塞が襲い、左半身に残ったまひのため休載となっていました。
未完となっている「孤道」は5月12日に単行本が出版予定で、そのあとがきで内田さんは休筆を報告しています。また、自身が「死者の木霊」を見いだされたことを振り返り、“世に眠っている才能の後押し”をするため、「孤道」の完結編を一般公募すること、そして自身も短歌という凝縮した世界でならまだ創作できるとしており、しばらくは短歌でリハビリする考えを示しています。
なお、完結編の一般公募は3月21日に特設サイトがオープン。自身の情報発信は講談社BOOK倶楽部のWebサイト「内田康夫と早坂真紀の夫婦短歌」で行うとしています。
僕が休筆すると聞いて、浅見光彦は「これで軽井沢のセンセに、あることないこと書かれなくてすむ」と思うことでしょう。でも、どなたかが僕の代わりに、浅見を事件の終息へと導いてください。 (単行本のあとがきより一部抜粋、ほんのひきだしから)
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