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» 2017年04月10日 18時10分 UPDATE

手作り折り紙を10円〜50円で販売 田舎の商店にある「折り紙自販機」はこんないい人が折っていた

なんか、憧れる。

[高橋ホイコ,ねとらぼ]

 ていねいに折られた美しい「折り紙」を販売する自動販売機が話題になっています。設置している岡野商店に話を聞きました。

 折り紙の自動販売機があるのは愛媛県内子町。のんびりとした田園風景が広がる地域にある岡野商店の店先に設置されています。テープで作った「おりがみ」の看板を掲げた自動販売機でカエル、くちびる、シュリケン、紙ふうせんなどのなつかしい折り紙が10円〜50円で販売されています。

自動販売機全景 レトロな雰囲気の自販機

どうして、折り紙の自販機を始めたのですか?

 岡野さんによると、この自動販売機はもともとタバコを売っていたもの。2008年にtaspo(タスポ)に対応しない自動販売機が利用できなくなり、しばらく捨てるにも捨てられず放置していたのですが、近所の人に「どんぐりでも、小石でも、はめて売ったにゃぁ」と言われ、趣味でやっていた折り紙を遊び心で販売し始めたそうです。「そんなの売れるわけがないと言う人もいたし、売れるとも思っていなくて、本当に遊び心」と岡野さん。

自動販売機で売られている品 もともとはタバコの自販機だったらしい

どんな人が買いに来ていますか?

 販売当初は全く売れなかったものの、昨年末に新聞やテレビで取り上げられたことで、帰省中の人などがよく買いに来るように。今は買いに来る人もぼちぼち増えてきていて、ネットを見て来ている人が多いそうです。岡野さん自身はネットは使っていないので、子どもに見せてもらったことはあるものの、何を見て来ているのかよく分からないのだとか。

自動販売機設置風景 素朴な感じがします

折り紙はいつからやっていたのですか?

 折り紙は「そんな昔からやっていたわけじゃないの」という岡野さん。折り紙を始めたのは、地域で行われている和紙の展示会へ何か出してと頼まれたことがきっかけ。内子町は手漉き和紙で有名なのですが、近年は和紙を手漉きする工場が減っており、年に1回和紙を盛り上げていくためのイベントが行われているそうです。

折り紙は地元の和紙を利用しているのですか?

 自動販売機の折り紙も地元の和紙なのか聞いてみたところ「地元の和紙は高すぎます! 私の折り紙にはもったいない」と話していました。ていねいに折られているのでもったいないなんて感じませんが、本人はとても謙虚で奥ゆかしい方で、「私なんかが作るものなので……」と100均の折り紙など安い紙を使用しています。最初は包装紙を使っていたこともあったそうです。

購入した折り紙 きれいな折り紙だなあ

お値段が格安ですがもうかっていますか?

 「10円の折り紙なんて、1分で折らないともうけなんて出ない」と語る岡野さんですが、当然1分では折れないとのこと。遊び心でやられていたのであまり気にしていない様子でしたが、「外の箱だけで10円以上かかっていることに最近気付いた」そうです。自動販売機には「外箱は再利用できるので置いて帰って頂けるとたすかります」という張り紙がされています。値段設定は「自分の折り紙なんて……」という気持ちから。もっと払いたいです……!

外箱を置いていってのお願い 不要なら外箱は置いていこう

お気に入りの作品はどれですか?

 自動販売機の一番上の段は季節ごとにラインアップを変えているそうで、現在はカブトや刀など5月にちなんだ作品が並んでいます。なかでも刀はこだわりの作品とのことです。「一番のお気に入りは3月のひな祭りの際の作品だけど、1月の正月ものも良かったし、次は7月、七夕にします。7月のオススメは織り姫です」と生き生きと話してくれました。

5月の販売品の様子 刀が輝いてますね

 やわらかな明るい声の持ち主で、この折り紙どおりていねいに生きている方なのかなと感じました。この折り紙を持っていたら、岡野さんの美しさを少し分けていただけそうな気がします。買いに行きたい。

画像提供:ぼん(@bon_chic)さん

高橋ホイコ

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