授業中に亡くなった中学生の卒業式、学校側が遺族の出席を拒否して波紋 父親「限界に近づいています」と心境吐露
ご両親の気持ちに寄り添った解決が望まれます。
大分県の私立・岩田学園 岩田中学校が、授業中に亡くなった男子生徒の保護者に対して卒業式の出席を拒否。警察沙汰になるなどし、両親が署名サイトで「卒業式に参加できなかった理由を明らかにしたい」とするキャンペーンを行っています。
複数のメディアによると、2016年5月、体育の授業中に柚野凜太郎さん(当時3年生・14歳)が倒れて死亡。両親が今年3月に行われた卒業式の出席を要望したところ、学校側から参加を拒まれ、警察に通報される騒ぎになったとのこと。
東京新聞の取材に対し、学校側は両親の出席を拒んだ理由を「面会などで感情的になることがあり、式の運営に差し障りがあった」と説明した――とされています。
ねとらぼ編集部が取材したところ、大分県私学振興課が今年1月末から同校に対して、学校事故対応に関する指針に「被害児童生徒等の保護者の意向も確認し、卒業式への参列等も検討する」と書かれていることなどを説明行ったとのこと。しかし学校側は「参列はご遠慮を願う。卒業証書は(凛太郎さんの自宅に)郵送する」と回答していました。
その後、凛太郎さんの両親から私学振興課に対して「卒業式に出席したい」との相談があり、担当者は複数回に渡って学校側に連絡。卒業式当日の朝まで「両親と話し合いの場を持つように求めた」といいますが、最終的に同校の柳井修校長から「理事長や副理事長などと協議したが、学園としての判断は変わらない」との回答があったと明かしました。
担当者はこれまでの対応を振り返り、「あくまでも指針には法的な効力がないため、県としてはお願いを続けてきたという状況だった」と話しました。
しかしこの対応に納得のいかない両親は、change.orgで「息子・凛太郎を卒業式に参加させたい」とする署名活動をスタート。その上で卒業式当日に学校を訪れたところ、学校側が警察に通報し、卒業式への出席はかないませんでした。
現在は署名活動のタイトルを「学校事故で亡くなった息子の卒業式に参加できなかった理由を明らかにしたい」へと変更し、真相究明を求める柚野真也さんに現在の心境をうかがいました。
父が語る亡き息子の卒業式、出席への思い
――卒業席に出席したいと考えたのは、どのような思いからでしょうか
柚野さん:息子にとって最後の卒業式。出席できるのは当然だと思っていました。いまだに学校の対応に納得できません。
――学校側に卒業式出席の要望を打診されたのはいつごろですか
柚野さん:卒業式の2日前です。あり得ない対応です。
――要望に対して、学園側からの回答は
柚野さん:「卒業式の参列はご遠慮願いたい。本校の保護者ではないので」とのことでした。
――大分県私学振興課などからの指導があったとのことですが、具体的な内容については把握されていますでしょうか
柚野さん:「両親と話し合いの場を設けて、卒業式の参列を協議してください」と卒業式の1カ月前から指導していました。
――卒業式には警察が来たとのことですが、誰が通報したのでしょうか
柚野さん:学校側です。
――今後、学校側に望むことはありますか
柚野さん:なぜ、卒業式に出席できなかったのか。学校事故対応に関わる指針を守るつもりはないのか。私達に対して何とも思わないのか。誠意はないのか。息子の事故をなかったことにしようとして、どうするのか。言いたいことは山ほどあります。
また柚野さんによると、卒業式ではクラスメイトからの要望で、凛太郎さんの席が用意されて写真が置かれた他、凛太郎さんの名前が呼ばれると、クラス全員が「ハイ!」と返事をする計らいもあったとのこと。一方学園側は4月17日現在、建造物侵入容疑の被害届を取り下げていないといいます。
change.orgでは「なぜ保護者が息子の卒業式に出席しようと思って学校に入っただけなのに。どうやら学校は当日の建造物侵入容疑の被害届は取り下げていないようです。理解できません。最愛の息子を失って11カ月。歯を食いしばってきましたが限界に近づいています」と胸の内をつづった柚野さん。今後は両親の気持ちに寄り添った解決が望まれます。
また本件について学校側に取材を申し込みましたが、第三者委員会の審議の過程の途中であることを理由に「一切取材はお受け出来ません」とのことでした。
(Kikka)
関連記事
- 空腹の生徒にタダで昼食を食べさせた学校職員が解雇処分に 学校側に批判殺到
ルール違反ではありますが賞賛されるべき行動。 - 「3.9+5.1=9.0」は減点対象 小学校算数の奇習に茂木健一郎が苦言“子どもたちへの虐待である”
「文科省にもきちんとした対応をとっていただきたい」。 - 「卒業したくない」→「卒業できると思ってらっしゃることにとまどいを隠せません」日本女子大の生協に新たな逸材が発見される
なぜ生協には天才が集まってしまうのか。 - 火花散る舌戦 「先生トイレ」「先生はトイレじゃありません」から長文マジレスの応酬を繰り出す生徒と先生が熱い
水に流せ。 - 「教員失格どころか人間失格である」vs「卒業レベルに達していない」 旭川高専で40年以上続く過激な駆け引きが話題に
戦が始まる。 - ネット署名は世の中を変えることができるのか 署名サイトChange.orgの4年間
民主運動の1つとして今やすっかり定着しているネット署名。そのお手軽さから、国の制度までも変える力は持っているのだろうか。国内最大の署名サイトChange.orgに成功例を聞いた。 - 沖縄・中学生を一方的に暴行する動画拡散 校長が詳しい事情と心境を吐露、市教委は沖縄タイムスの報道を否定
市教育委員会「いじめという認識をもち、対暴力について事実確認及び指導を行っていく」。 - 「広告会社はNAVERまとめへの広告配信を停止してください」 NAVERまとめに写真をパクられた写真家がネット署名開始
スタート3日で750人以上の賛同を集めています。 - 将棋連盟谷川会長の兄がネット署名、三浦九段の名誉回復目指す
「将棋界を正常な状態に戻す」ことも求めている。 - 「放射能を浴びているから光ると思った」 関西学院大・外国人講師が福島出身女子学生に差別発言で減給
講師は「冗談のつもりだった」と発言を認め、学生に対して謝罪したい意向を示したとのこと。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
-
60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
-
「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
-
皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
-
真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
-
71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
-
新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
-
家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
- 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
- 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
- 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
- セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」