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» 2017年04月17日 18時39分 UPDATE

授業中に亡くなった中学生の卒業式、学校側が遺族の出席を拒否して波紋 父親「限界に近づいています」と心境吐露

ご両親の気持ちに寄り添った解決が望まれます。

[Kikka,ねとらぼ]

 大分県の私立・岩田学園 岩田中学校が、授業中に亡くなった男子生徒の保護者に対して卒業式の出席を拒否。警察沙汰になるなどし、両親が署名サイトで「卒業式に参加できなかった理由を明らかにしたい」とするキャンペーンを行っています。


卒業席出席拒否 change.orgで署名活動中の「学校事故で亡くなった息子の卒業式に参加できなかった理由を明らかにしたい」

  複数のメディアによると、2016年5月、体育の授業中に柚野凜太郎さん(当時3年生・14歳)が倒れて死亡。両親が今年3月に行われた卒業式の出席を要望したところ、学校側から参加を拒まれ、警察に通報される騒ぎになったとのこと。

 東京新聞の取材に対し、学校側は両親の出席を拒んだ理由を「面会などで感情的になることがあり、式の運営に差し障りがあった」と説明した――とされています。

 ねとらぼ編集部が取材したところ、大分県私学振興課が今年1月末から同校に対して、学校事故対応に関する指針に「被害児童生徒等の保護者の意向も確認し、卒業式への参列等も検討する」と書かれていることなどを説明行ったとのこと。しかし学校側は「参列はご遠慮を願う。卒業証書は(凛太郎さんの自宅に)郵送する」と回答していました。


卒業席出席拒否 「学校事故対応に関する指針」の一部。「被害児童生徒等の保護者の意向も確認し、卒業式への参列等も検討する」と書かれている(学校事故対応に関する指針より)

 その後、凛太郎さんの両親から私学振興課に対して「卒業式に出席したい」との相談があり、担当者は複数回に渡って学校側に連絡。卒業式当日の朝まで「両親と話し合いの場を持つように求めた」といいますが、最終的に同校の柳井修校長から「理事長や副理事長などと協議したが、学園としての判断は変わらない」との回答があったと明かしました。

 担当者はこれまでの対応を振り返り、「あくまでも指針には法的な効力がないため、県としてはお願いを続けてきたという状況だった」と話しました。

 しかしこの対応に納得のいかない両親は、change.orgで「息子・凛太郎を卒業式に参加させたい」とする署名活動をスタート。その上で卒業式当日に学校を訪れたところ、学校側が警察に通報し、卒業式への出席はかないませんでした。

 現在は署名活動のタイトルを「学校事故で亡くなった息子の卒業式に参加できなかった理由を明らかにしたい」へと変更し、真相究明を求める柚野真也さんに現在の心境をうかがいました。

父が語る亡き息子の卒業式、出席への思い

――卒業席に出席したいと考えたのは、どのような思いからでしょうか

柚野さん:息子にとって最後の卒業式。出席できるのは当然だと思っていました。いまだに学校の対応に納得できません。

――学校側に卒業式出席の要望を打診されたのはいつごろですか

柚野さん:卒業式の2日前です。あり得ない対応です。

――要望に対して、学園側からの回答は

柚野さん:「卒業式の参列はご遠慮願いたい。本校の保護者ではないので」とのことでした。

――大分県私学振興課などからの指導があったとのことですが、具体的な内容については把握されていますでしょうか

柚野さん:「両親と話し合いの場を設けて、卒業式の参列を協議してください」と卒業式の1カ月前から指導していました。

――卒業式には警察が来たとのことですが、誰が通報したのでしょうか

柚野さん:学校側です。

――今後、学校側に望むことはありますか

柚野さん:なぜ、卒業式に出席できなかったのか。学校事故対応に関わる指針を守るつもりはないのか。私達に対して何とも思わないのか。誠意はないのか。息子の事故をなかったことにしようとして、どうするのか。言いたいことは山ほどあります。


 また柚野さんによると、卒業式ではクラスメイトからの要望で、凛太郎さんの席が用意されて写真が置かれた他、凛太郎さんの名前が呼ばれると、クラス全員が「ハイ!」と返事をする計らいもあったとのこと。一方学園側は4月17日現在、建造物侵入容疑の被害届を取り下げていないといいます。

 change.orgでは「なぜ保護者が息子の卒業式に出席しようと思って学校に入っただけなのに。どうやら学校は当日の建造物侵入容疑の被害届は取り下げていないようです。理解できません。最愛の息子を失って11カ月。歯を食いしばってきましたが限界に近づいています」と胸の内をつづった柚野さん。今後は両親の気持ちに寄り添った解決が望まれます。

 また本件について学校側に取材を申し込みましたが、第三者委員会の審議の過程の途中であることを理由に「一切取材はお受け出来ません」とのことでした。

(Kikka)

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