コラム
» 2017年04月28日 10時00分 UPDATE

「結婚式で出席者のカメラ持込料10万円」ってホント? 式場側の言い分は

友人が一眼レフを持ってきても、請求しないってよ!

[高橋ホイコ,ねとらぼ]

 「結婚式で出席者のカメラ持ち込みに10万円!?」ネット上に掲載されたとある式場の注意喚起チラシをめぐって、さまざまな意見が飛び交いました。「友人と偽って入ろうとする外部業者がいるから仕方ない」と理解を示す意見がある一方、多くは「高額すぎない?」「専属カメラマンのため?」などと批判的な声でした。

 これらのネット上の疑問に応えるため、当該注意喚起チラシを使っていた式場をはじめ、結婚式場の業界団体や国民生活センターに取材をしました。

男性カメラマンのイラスト 結婚式にこんな友人が来たら、10万円請求されるのだろうか?

「プロ用カメラ」を使うと誰でもアウト?

 問題となった注意喚起チラシは「スナップ写真外部業者のお持ち込みについて」という見出しで始まります。「外部業者の持ち込みをお断りしています。」との説明のあとに「ご招待の有無に拘わらず、下記の機材及びそれに準ずる機材をご使用の場合はプロと判断し所定の持込料を頂戴いたします。」と書かれ、カメラや周辺機材のメーカー・型式が細かく記載してあります。

 指定されたカメラは本体価格でおおよそ20万円〜60万円程度と高額なものばかりですが、プロではない一般の写真愛好家が所有していることもあるでしょう。親族や友人のためにと張り切って一眼レフを持ち込んだがために、高い持ち込み料を請求される――そんなことがあったら晴れの舞台が台なしです。

カメラとレンズの写真 写真愛好家の知人に所有カメラを見せてもらった。素人でもこれだけ持ってるご時世です

「友人のふりをする外部事業者」対策

 結婚式場の業界団体である公益社団法人日本ブライダル文化振興協会によれば、こうしたケースについて認識はしているそうで、「外部業者が友人のふりをして撮影をすることがあり、その対策の一環ではないか」とのことでした。料理はいらない、引き出物もいらないとあからさまなケースもあるそうです。

ブライダル協会サイト 公益社団法人日本ブライダル文化振興協会(公式サイト

 実際のところを、話題となった注意喚起チラシを使っていた式場に聞きました。

――どうして持込料を請求しているんですか?

A: 式場のカメラマンを使っていただきたいので、抑止のための費用として請求しています。これらの費用は契約前にきちんと説明し、新郎新婦に納得していただくようにしています。

 ネット上でチラシが出回ったことは把握しており、現在ではこのチラシの使用はやめています。以前は、契約前の説明に約款、細則に加えてこのチラシを使用していましたが、現在は約款、細則のみで説明しています。

――10万円は高額だと思うのですが?

A: スナップ写真の外部業者を入れる際の持込料が10万円です。金額が10万円である根拠は、申し訳ありませんが私の立場では存じ上げません。

持込料について、新郎新婦には「契約前」にきちんと説明している

 なんだか納得しにくい費用である「持込料」。適格消費者団体である京都消費者契約ネットワークが2007年に日本ブライダル文化振興協会に対し、持ち込みを一切禁止にしたり、不当に高額な持込料を定めたりしないよう加盟業者へ指導すべきと意見書を出しています。この件に関して日本ブライダル文化振興協会は、持込料の上限を決めるなどはしていないが、加盟業者に対しては契約前にきちんと説明するように通知しているそうです。

京都消費者契約ネットワーク意見書 京都消費者契約ネットワークの意見書より抜粋(公式サイトより)

 最近では持込料を取らない会場もあるようですが、話題の式場では持込料について、どのように考えているのでしょうか。

――持込料を無料にする予定はないのでしょうか?

A: 持込料につきましては、契約前にしっかり説明し、新郎新婦に納得いただいた上で契約するようにしています。ブライダル業界も厳しい現状がありますので、お客様の持込料に対する不満の声がどんどん大きくなるようであれば、検討しなくてはいけなくなるかもしれませんが、現時点で、ただちに持込料を無料にする予定はありません。

友人が一眼レフを持って来ても、10万円は請求しません!

 何はともあれ、外部業者でもない普通の友人が高級なカメラを持ち込んだだけで10万円も請求されたら困ります。その点についても確認してみました。

――友人が高級なカメラを何も知らずに持ち込んだ場合も、やはり10万円請求されてしまうんですか?

A: 実際にご友人の方が高級なカメラを持ち込んだことで、新郎新婦に請求することはありません。あくまでも、外部業者を防御するための対策です。外部業者がご友人のふりをして入ろうとすることはありますが、実務としては打ち合わせの時点、例えば席次表を見た時点でなんとなく分かります。その時点で新郎新婦と相談しています。

ルールは式場によってまちまち

 日本ブライダル文化振興協会によれば、「カメラの機材を指定して持込料を請求する」対応は結婚式場業界で一般的とまではいえないとのことでした。特に持込料に関して業界統一のルールは作っていないそうです。

 一方、国民生活センターによれば「たまたま知り合いにカメラマンがいたので、友人に撮影をお願いしていた。しかし当日に業者は入れないとプロ扱いされ、プロは中に入れないといわれた」という相談事例があるとのこと(この事例はどこの式場かは分かりません)。当日のトラブルになることもあるので、契約前、事前打ち合わせの際にきちんと式場と話し合うことが大事だと国民生活センターの担当者は話していました。

 話題の式場も友人ならプロであっても持込料を取らないこともあるそうです。状況に応じて個別の相談で決めているそうなので、何よりも事前の相談が大事なようです。

国民生活センターホームページ ブライダルフェアに行く前に国民生活センターの記事を読んでおくといいかも(公式サイトより)

高橋ホイコ

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