「クイズ王」はクイズ王になる前には何者であったのか?(1/3 ページ)

さえない1人の中学生が、世間から「クイズ王」と呼ばれるようになるまで。

» 2017年05月01日 06時00分 公開
[伊沢拓司ITmedia]

 はじめまして。ワタクシ、ライターの伊沢拓司と申します。東京大学の農学部で大学院生をしています。

 2010年、2011年の高校生クイズを2連覇して以降、「クイズ王」として『Qさま‼(EX)』『頭脳王(NTV)』『東大王(TBS)』等のクイズ番組に出演しました。最近ではテレビ朝日の年越し番組『くりぃむvs林修 年越しクイズサバイバー』に2年連続で出演しております。

 それにしても、自分で「王」を名乗るやつにロクなやつはいませんよね。『三国志』で勝手に皇帝を名乗りだした袁術は当代きってのザコでしたし、DQ5のニセたいこうも胸糞キャラとして有名です。

 クイズ王もそれに似たにおいを感じます。明確な定義も存在しなければ、公式な認定もありません。テレビで分かりやすいアイコンとして使われるか、格好のイジリどころとして友人たちが使うか……という感じです。「ハカセ」的なね。

 Wikipediaの項目「クイズ王」のクイズ王一覧には、一般人クイズ王として30人ほどの名前が並んでいます(恥ずかしながら僕の名前もあります)。挙げられた名前の横には、好成績だったテレビ番組の名前も添えられており、その戦績こそがクイズ王の権威を示すものとなります。

 でも、ちょっと待ってください。

 クイズ王は、なぜそのテレビ番組に出場したのでしょうか。そもそも、テレビに出て勝利を挙げるまでは何をしていたんでしょうか? クイズ王は世襲制ではないので、生まれながらのクイズ王というのは誰もいないわけです。彼らはどのような人生をたどり、そしてどのようにクイズ王になったのでしょうか。

 今回は、新米クイズ王である僕が、いろいろなクイズ王の事例を通して「クイズ王のつくりかた」を解説したいと思います。

クイズ王と呼ばれるまで

 まずは、「クイズ王」と世間的に呼ばれるようになるタイミングについておさらいしましょう。

 前述のように、多くのクイズ王はテレビでの活躍でもって世間に認知され、そのタイミングで「クイズ王」というラベルを貼られてクイズ王デビューを飾ります。逆にいえば、クイズ王になる基準は「テレビでの活躍」にあるわけです。つまり、クイズ王を作り出すには、テレビで活躍させれば良い。

 では、一歩踏み込みましょう。ただの一般人を「テレビのクイズで活躍させる」にはどうすればよいのか?

 ここからは、具体的な事例でもって説明しましょう。先に答えを言ってしまうならば、「クイズに王道なし」なのです。クイズ王が言うんだから間違いない!

弱小クイズ研での日々

 まずは僕の例から。僕がクイズ王と呼んでもらえるようになったのは、おそらく2011年、高校2年生のころから。第31回の『高校生クイズ』に優勝したことで史上初の個人2連覇を達成し、一般参加型のクイズ番組に呼ばれるようになったタイミングでした。

 2011年はいわゆる「クイズ王番組」=一般人参加でクイズ最強を決定する番組が復活した年でした。『SASUKE』の乾Pが手掛けたTBS『World Quiz Classic』のド派手な演出が時代の扉を開くと、翌2012年にはフジテレビの深夜番組『Q-1』や2度開催されたTBS『THEクイズ神』といった、テレビ素人を中心に据えたクイズ番組が複数登場しました。

 僕はこの機に恵まれ、テレビの前でクイズを披露できました。そして、このタイミングでテレビ側から「クイズ王」と呼んでもらえるようになったワケです。

 じゃあそれまで何をしていたのか、というと「しがない中学生活」「クイズの鍛錬」です。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」