飼い猫が逃げたことが開発のきっかけ 猫をアプリで探すサービス「ねこもに」開発者に話を聞いた
6月にスタートする、アプリを使った猫捜索サービス「ねこもに」。開発のきっかけや魅力を聞いてみた。
スマホアプリで迷い猫を探す「ねこさがしIoTサービス『ねこもに』」を、システム開発会社オープンストリームが6月19日に開始します。
猫に装着させた「ねこもに発信器」から発された電波を、iPhoneにインストールした「ねこもに専用アプリ」で受信。猫のいる場所をアプリの地図上に推定表示してねこを探します。具体的にどのようなサービスなのか、開発担当者に聞きました。
―― 開発のきっかけを教えてください。
オープンストリーム サービス発案者・リーダーが猫を飼育しておりまして、その猫が夏場に突然網戸を突き破って逃げたことがありました。そのときの不安な思いを解消したいという気持ちが、サービス発案のきっかけです。家族同様の猫が迷子になってしまい、クルマにひかれてしまったり、保健所に保護されて殺処分にされたり、長い間発見されずお腹がすいてひもじい思いをさせたら……となると、もう仕事も手につきません。昨今の猫ブームによって、日本国内での飼い猫数は1000万頭に迫る勢いですが、その一方で迷い猫になり、飼い主の元に戻れない子も多いです。
また、震災をはじめとした自然災害発生時には、ペット管理が不十分となるため、多くの迷い猫が発生します。この「迷い猫問題」に対し、システムで解決するために「ねこもに」の開発にいたりました。「ねこもに」のサービス機能をご利用いただくことによって、地域コミュニティーのネットワークを活性化し、猫と人との共存関係向上に貢献したいと考えています。
―― 使い方や、「ねこもに」ならではの魅力を教えてください。
オープンストリーム Bluetooth Low Energy(BLE)という無線技術と当社独自の位置推定技術(特許出願中)を組み合わせて「ねこもに」が成り立っています。スマートフォンなどに搭載されているGPSシステムを採用・搭載すると軽量小型化が難しく、また電池寿命も数日ですが、「ねこもに」は1年間のメンテナンスフリーを実現しています。
既に販売されているBLEを使った製品では、捜索電波の到達距離が20〜30メートルのものもありますが、「ねこもに」の発信機は電波の到達距離で実測値75メートルを実現しました。より広い範囲を捜索可能で、さらに「ねこもに」独自の推定技術によってBLEの到達電波がどこから発されているのか推測し、他製品より早く猫を発見することに貢献できると考えています。
―― 猫虐待の事件も報道されていますが、「ねこもに」で猫を見つけて虐待をするなど、悪用につながる可能性はないのでしょうか?
オープンストリーム ねこもに発信機と猫の関係性は、公開されておらず飼い主にしか分かりません。また、家族や仲間と共同で探す際に、アプリに登録してもらうために使用する「時限(30分)有効の任意識別番号」も飼い主しか発行できないので、悪用される可能性は低いと考えます。
―― 「ねこもに」のサービス開始は6月19日からですが、既に問い合わせや反響は届いていますか?
オープンストリーム ゴールデンウィーク中、5月3日〜6日に幕張メッセで開催された「Pet博」にブース出展した際、猫飼いの方から直接お話を聞くことができました。そこでは、iPhoneで猫を探せること自体への驚きから、旅行時の活用、犬への利用ニーズなどさまざまなご意見をいただきました。また、Android版のリリースを切望しているという声も多くありました。
―― 今後、アップデートなどの予定はありますか?
オープンストリーム まだ正式なご案内はいたしかねますが、今後は中期的計画として定期的なアップデートを行い、猫の捜索効率の向上やコミュニティー機能の追加などを検討しております。
「ねこもに」は現在、Amazon.co.jpで予約販売中です。
(姫野ケイ)
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