落書きレコードばかりを集めた「あなたの知らない『汚レコード』の世界展」開催中 第一人者が語る“汚レコード”の魅力とは
買い取りも行い、「面白いレコード」は査定価格がアップ!
東京・東陽町(江東区)の中古レコード店「ダウンタウンレコード」で、落書きレコードばかりが並ぶ「あなたの知らない『汚レコードの世界展』」が6月18日まで開催中です。入場は無料。
主催はダウンタウンレコードと、元新聞記者であり、“汚(お)レコード”コレクターとしても一部で有名な小島泰生さん。店内では期間中、小島さんと仲間の松野肇さんが集めた「汚レコード」約70点を展示しています。
小島さんは落書きされたレコードを「汚レコード」と名付けた張本人。実生活で色々あった9年前に、その気晴らしへ出かけたリサイクルショップで1つのレコードを見かけたのが、汚レコード道にハマるきっかけでした。
「そのレコードがこれです。高級なはずのレコードを、チラシの裏扱いにしているのが素晴らしい」(小島さん)
見せてくれたのは、無造作にペンで「ごはんお たいておく事 母より」と書かれたジャケット。なぜよりによってレコードジャケットに書いたのか。そこまでして伝えなければならないことだったのか。見れば見るほど不思議な1枚です。
「だいたい100円か50円で買ったものです。汚レコードはレコードショップにはそもそもないことが多く、あるのはリサイクルショップや蚤の市。雑に並んでいるレコードたちを、手を真っ黒にしながら探しました。大手より、ガラクタが並ぶ個人リサイクルショップの方が汚レコードに出会えます。そういうところでしっかり探せば、なんとか見つかりますよ」(小島さん)
実は小島さん、汚レコードを処分しようと思っていたとか。
「レコードを置く場所がなくなったため、家にあった数十箱分のレコードと一緒に汚レコードも処分しようと、ダウンタウンレコードさんへ買い取りに出しました。それを『どうせなら展示しないともったいない』と、展示会の開催を勧められたのです」(小島さん)
そもそも、当時から高級品であったレコードのジャケットに落書きをするという行為自体が、小島さんは信じられないそう。
「たとえいらないレコードだったとしても、当時レコードは高級品だったはず。そこへ手書きで字や絵を書くという感覚がいまだに分からないです(笑)」(小島さん)
例えば、表になぜか「52.8.17 心臓マヒの為急死!」と書かれたエルヴィス・プレスリーのレコード。
「ファンだからこそ、死んだことがものすごくショックで書き留めざるを得なかったのでしょうが、こともあろうに、ジャケットにそのまま書くかと。でもその衝撃がそのまま字体に表れています。まさに「レコード」の意味どおり「記録」しているところが面白いですね」(小島さん)
実は汚レコードはプレゼント品だったものが多いそう。「結婚祝いに奥さんが夫へプレゼントした手紙つきのレコード」など、それを売るか? というものがリサイクルショップによく売られているそうです。
ちなみにこのような落書きが「CD」にされていたことは、小島さんは見たことがないとか。
「アナログレコードという、紙のジャケットだからこそ『書きたい』という自然の欲求が生まれるんだと思います。対してCDのブックレットはケースの中に入っていますからね」(小島さん)
誰かに見せるためではなく「無意識に、書きたい」という気持ちがこもった、作為性のない産物だからこそ小島さんは惹かれるといいます。
「何気なく書いた落書きにこそ、人の背景が表れます。そこには人間の面白さ・馬鹿さ・物悲しさまで表れていますね。」(小島さん)
この汚レコードの活動については、展示会会場のダウンタウンレコード店主の土田さんも、「マイナスだとされていたものがプラスになる。価値観の転換をもたらせるのでは」と意義を語っています。
「あなたの知らない『汚レコードの世界展』」の見どころを、小島さんは飾らずにこう語ります。
「面白いと思って、ただただ集めただけのもの。苦笑していただければと思います。バカっぽさがいっぱいにあふれているので。」(小島さん)
なおダウンタウンレコードでは、普通はマイナス査定となる汚レコードを通常通りの査定額で買い取り中。面白ければさらにプラス査定となる場合もあるとか。
6月10日には、元ピチカート・ファイヴの小西康陽さんと汚レコード仲間の松野肇さんをゲストに招き、小島さんが汚レコードの全てを語るトークショーも開催されます。先着20人までなので、興味のある方はお早めに。
(辰井裕紀)
関連記事
- やるせない落書きが地上の楽園になってた 天才落書き職人の仕事ぶりに思わずにっこり
すばらしい発想で、やるせない落書きが大幅アップデート。 - 盤面をクルクル自走する スマホで操作可能なレコードプレーヤー「LOVE」、資金調達中
近未来的デザインがかっこいい。 - 恒例の京大「折田先生像」、今年はコウメ太夫になる 注意書き「どうか土曜日は破綻しないでください」
受験生は水曜日にドブに落ちないように気をつけましょう。 - レコードの上を走って音楽を再生 ミニカーみたいなレコードプレ−ヤーがクラウドファンディングで人気
ぐるぐる回って流れる音楽。 - 宇宙人に届くかな? 地球外生命体に向けて製作された“ゴールデンレコード”を現代にリマスターさせるプロジェクトが始動
聞こえますか。 - なぜこの絵で分かるんだ! Googleが「急いで描いた落書きを人工知能に当てさせるゲーム」を公開
手書き文字認識技術を応用。適当に描いた絵でも、ちゃんと推測してくれます。 - デジタルとアナログでは描き方に根本的な違い――的確に示した漫画がTwitterで共感を呼ぶ
アナログでは修正に手間がかかるし、デジタルではソフト操作の修得が大変。 - ファンシーさゼロ シルバニアハウスが魔改造で黒い“悪バニアハウス”に
実在の廃屋をモデルに再現……こえぇえええええええ! - ちょっとほしいかも 思わず御礼を言いたくなる「もらって楽しい請求書」が芸術作品の域
必要なのは、切手と筆記用具と想像力だけです。 - 気付かなかったら怒りのデスマッチするところだった 電子辞書の液晶画面が粉々になったように見えるドッキリが心臓に悪い
機能の有効(?)活用。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
-
元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
-
ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
-
「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
-
“作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
-
誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
-
21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
-
0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」