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» 2017年06月28日 17時10分 UPDATE

バニラ・エア、車いす男性のタラップ昇降方法で議論に 航空会社に車いす運用ルールを聞いた

車いすを担ぐ行為は、ケガを防ぐ目的で禁止しているとのこと。

[イッコウ,ねとらぼ]

 奄美空港で格安航空会社(LCC)のバニラ・エアを利用した車いすの男性が、搭乗しようとした際にタラップを自力で登っていたことを朝日新聞など各社が報じ、議論を呼んでいる。この男性は高校3年生春にラグビーの練習中に脊髄を損傷したという40代。これまでに158カ国を訪問しており、バリアフリーに関する執筆や講演活動を行っていた。


タラップ 航空会社

 顛末は男性のサイトにも公開されている。それによると6月3日、男性は5人の同行者と共に奄美大島を旅行するため、関西国際空港でバニラ・エアを利用。その場でタラップの写真を見せられ“歩けないのであれば乗せられない”旨を告げられたものの、「同行者の手伝いのもと乗降する」と説得しそのまま搭乗。奄美空港に着いた後は、同行者に車いすを担いでもらう形で階段を下りた。

 6月5日、帰りの便に乗ろうとした男性は、奄美空港のチェックインカウンターで空港用の車いすに乗り換えてほしいと言われた。男性は同行者に担いでもらうには自分の車いすの方が良いと考え、自分のものを使いたいと返答。すると15分程待たされた後、往路で車いすを担いだのは規約違反だったと告げられた。その後、「同行者の手伝いを受け、階段昇降ができるなら」との条件付きで、搭乗が認められたという。

 男性は搭乗するとき1段ずつ腕の力でタラップを登り、ドアの前で機内用車いすに乗った。男性はその時の心境を「仕方ないので、階段に座って、一段一段、這って登ろうとすると、それもダメだと言ってくる。無視して上っていくしかない。でないと大阪へ戻れない」とつづっている。



バニラ・エアの見解

 バニラ・エアは取材に対し、車いすをかついではいけないという規約は「人が乗った車いすは非常に重いため本人と周囲の人のケガを防ぐ目的で、約款外の内部ルールとして定めたものだった」と回答。今回の例では復路でのみ適用されたが、本来は往路・復路を問わず決まっていたルールだという。

 また、車いすの利用客に対しては以前から事前連絡をするようサイト上でアナウンスしており、担当者は「連絡があれば対応していたし、もし乗せられない場合でも説明できていた。車いすの方の事前連絡は認知されているものと思っている」と語った。なお、今回の件を受けバニラ・エア公式サイト上の運用ガイドには同16日以降「奄美空港での階段昇降の際には階段昇降器を使用する」とする記載があるが、15日以前にも下記のような文言がサイト上に記載されていた。

奄美大島線ご利用のお客様へ
奄美空港施設要件にともない、おからだが不自由なお客様/車椅子ご希望のお客様の安全確保およびSTEP利用時の不意の事故を未然に防ぐために、お客様ご自身またはお連れのお客様の補助を得てSTEPを昇降いただけるかの事前確認が必要になります。事前のご確認は予約センターまでお問合せいただきますようお願い申し上げます。


タラップ 航空会社 バニラ・エアの現在の記載(赤線は編集部によるもの)

 男性のサイトには、奄美空港で搭乗する際に「同行者は私の足首をもってお手伝い。途中でキャビン・アテンダントが手伝うと駆け下りてきた」との記述もある。スタッフは搭乗の際に手助けをしたのか、バニラ・エア広報に聞いたところ「(当時の具体的な状況は)把握していないが、障がい者の方が1人で登ろうとしていたら、手伝おうとするのが普通だと思う」とした。

 バニラ・エアは、今回の件を受け、アシストストレッチャー(座った状態で人を乗せられる担架)、階段昇降機の導入を決定。また、奄美空港では現在1基のボーディングブリッジを配備しているが、11月の空港拡張に伴って2基に増加され、「今後同様の事案は起きなくなる見込み」(バニラ・エア広報)だという。

6月30日18時追記

 毎日新聞によると「関空−奄美線では、自力で歩けない車椅子のお客さまから事前に連絡があった際には搭乗をお断りしていた」とあり、当初ねとらぼの取材に答えていた「連絡があれば対応していたし、もし乗せられない場合でも説明できていた。車いすの方の事前連絡は認知されているものと思っている」と齟齬(そご)があった。

 あらためてバニラ・エアの担当者に確認すると、毎日新聞の記事は“誤解を与える表現”だと回答。担当者によると、「100%断っているわけではなく、事前に連絡をいただければむしろなんとかご利用いただけないか相談させていただいていた。断っているほうが少ない」と、必ずしも飛行機への搭乗そのものを門前払いしていたわけではないと説明した。断った事例としては介添えがおらず、まったく動くことができない場合などを挙げている。

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