バニラ・エア、車いす男性のタラップ昇降方法で議論に 航空会社に車いす運用ルールを聞いた
車いすを担ぐ行為は、ケガを防ぐ目的で禁止しているとのこと。
奄美空港で格安航空会社(LCC)のバニラ・エアを利用した車いすの男性が、搭乗しようとした際にタラップを自力で登っていたことを朝日新聞など各社が報じ、議論を呼んでいる。この男性は高校3年生春にラグビーの練習中に脊髄を損傷したという40代。これまでに158カ国を訪問しており、バリアフリーに関する執筆や講演活動を行っていた。
顛末は男性のサイトにも公開されている。それによると6月3日、男性は5人の同行者と共に奄美大島を旅行するため、関西国際空港でバニラ・エアを利用。その場でタラップの写真を見せられ“歩けないのであれば乗せられない”旨を告げられたものの、「同行者の手伝いのもと乗降する」と説得しそのまま搭乗。奄美空港に着いた後は、同行者に車いすを担いでもらう形で階段を下りた。
6月5日、帰りの便に乗ろうとした男性は、奄美空港のチェックインカウンターで空港用の車いすに乗り換えてほしいと言われた。男性は同行者に担いでもらうには自分の車いすの方が良いと考え、自分のものを使いたいと返答。すると15分程待たされた後、往路で車いすを担いだのは規約違反だったと告げられた。その後、「同行者の手伝いを受け、階段昇降ができるなら」との条件付きで、搭乗が認められたという。
男性は搭乗するとき1段ずつ腕の力でタラップを登り、ドアの前で機内用車いすに乗った。男性はその時の心境を「仕方ないので、階段に座って、一段一段、這って登ろうとすると、それもダメだと言ってくる。無視して上っていくしかない。でないと大阪へ戻れない」とつづっている。
バニラ・エアの見解
バニラ・エアは取材に対し、車いすをかついではいけないという規約は「人が乗った車いすは非常に重いため本人と周囲の人のケガを防ぐ目的で、約款外の内部ルールとして定めたものだった」と回答。今回の例では復路でのみ適用されたが、本来は往路・復路を問わず決まっていたルールだという。
また、車いすの利用客に対しては以前から事前連絡をするようサイト上でアナウンスしており、担当者は「連絡があれば対応していたし、もし乗せられない場合でも説明できていた。車いすの方の事前連絡は認知されているものと思っている」と語った。なお、今回の件を受けバニラ・エア公式サイト上の運用ガイドには同16日以降「奄美空港での階段昇降の際には階段昇降器を使用する」とする記載があるが、15日以前にも下記のような文言がサイト上に記載されていた。
奄美大島線ご利用のお客様へ
奄美空港施設要件にともない、おからだが不自由なお客様/車椅子ご希望のお客様の安全確保およびSTEP利用時の不意の事故を未然に防ぐために、お客様ご自身またはお連れのお客様の補助を得てSTEPを昇降いただけるかの事前確認が必要になります。事前のご確認は予約センターまでお問合せいただきますようお願い申し上げます。
男性のサイトには、奄美空港で搭乗する際に「同行者は私の足首をもってお手伝い。途中でキャビン・アテンダントが手伝うと駆け下りてきた」との記述もある。スタッフは搭乗の際に手助けをしたのか、バニラ・エア広報に聞いたところ「(当時の具体的な状況は)把握していないが、障がい者の方が1人で登ろうとしていたら、手伝おうとするのが普通だと思う」とした。
バニラ・エアは、今回の件を受け、アシストストレッチャー(座った状態で人を乗せられる担架)、階段昇降機の導入を決定。また、奄美空港では現在1基のボーディングブリッジを配備しているが、11月の空港拡張に伴って2基に増加され、「今後同様の事案は起きなくなる見込み」(バニラ・エア広報)だという。
6月30日18時追記
毎日新聞によると「関空−奄美線では、自力で歩けない車椅子のお客さまから事前に連絡があった際には搭乗をお断りしていた」とあり、当初ねとらぼの取材に答えていた「連絡があれば対応していたし、もし乗せられない場合でも説明できていた。車いすの方の事前連絡は認知されているものと思っている」と齟齬(そご)があった。
あらためてバニラ・エアの担当者に確認すると、毎日新聞の記事は“誤解を与える表現”だと回答。担当者によると、「100%断っているわけではなく、事前に連絡をいただければむしろなんとかご利用いただけないか相談させていただいていた。断っているほうが少ない」と、必ずしも飛行機への搭乗そのものを門前払いしていたわけではないと説明した。断った事例としては介添えがおらず、まったく動くことができない場合などを挙げている。
関連記事
- 機内でベビーカーを取り上げられた母親が号泣する動画が物議 アメリカン航空が不適切な対応を謝罪
他の乗客が、乗務員と口論になる一幕も。 - “旅客機から乗客を強引に引きずり下ろすVRゲーム”開発始動 ユナイテッド航空への痛烈な皮肉
クラウドファンディングで開発資金を募集。その結果いかんで、支援額は航空会社の乗客を保護する消費者団体へ寄付されます。 - ユナイテッド航空で話題の「オーバーブッキング」、日本で起こった場合は? JALとANAに対応を聞く
米ユナイテッド航空で起こった過剰予約による乗客の強制連行事件。日本の場合どうなるのでしょうか。 - 遺影を「お客さま」と呼んで隣の席に座らせてくれた航空会社の神対応
本当に2人旅をしているような気持ちに。 - インドの航空会社が女性スタッフだけで世界一周飛行を達成 ギネス記録にも申請
機内のクルーだけでなく、地上スタッフも全員女性という徹底ぶり。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
-
パパに笑顔を見せる4カ月の赤ちゃん、ママの顔を見ると…… あるあるな反応に「なんで?!」「ママをすごく信頼してる証拠」とさまざまな声集まる
-
スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
-
顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
-
巨大ウサギのデカさを伝えるため、2Lペットボトルを横に置いてみたら…… 衝撃の比較結果に「えっ、500mlじゃないんですか」「マジで大きい」
-
元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
-
実写「シティーハンター」、最後まで見るとあるはずの仕様がない配慮「わかってる」「粋なはからい」「いい判断」
-
身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」