ガンは治療を重点的に行わない方が長生き―― “高濃度水素水で温熱免疫療法”を勧める医療漫画に疑問の声 保健所「指導する」

厚労省、保健所、クリニックに見解を聞きました。

» 2017年07月04日 17時34分 公開
[Kikkaねとらぼ]

 東京都渋谷区の表参道首藤クリニックが自サイトで掲載していた、ガン治療に関する漫画について、ネット上で波紋が広がっています。


首藤クリニック 物議を醸したページ(現在は削除済み)

首藤クリニック 物議を醸したページ(現在は削除済み)

 物議を醸しているのは、同クリニックが取り組んでいる「超高濃度水素水を使った温熱免疫療法」を紹介するWeb漫画(現在は削除済み)の一部で、「突然ですがクイズです ガン発生後、長生きするのはどちらでしょう?」という設問に対し、「A.自然に身を任し、治療を重点的に行わない人」「B.財力に任せ、様々な治療、薬を試すセレブな人」と2択を迫るもの。

 漫画内では「A」が正解とされていた他、「抗ガン剤などは強力すぎて、ガン細胞もろとも正常細胞も、免疫細胞も破壊してしまう」「実際にガン治療を行う多数のお医者さんが、『自分ならこんな治療法はしない』と証言してるくらい」などと表現していました。

 これについてネット上では7月4日早朝から「これあかんやろ…」「免疫力に水素水ですか…」「ヤバい代替療法のテンプレ」などと非難が殺到したほか、6月22日に亡くなった小林麻央さんが同クリニックに通院していたというウワサや、芸能人が過去に同クリニックの水素温熱免疫療法をテレビで紹介していたことなども明らかとなり、7月4日午前7時ごろから急上昇ワードに「首藤クリニック」や「水素温熱免疫療法」などがランクイン。騒ぎが大きくなると、同日中にトップページに貼られていた漫画のリンクが削除された他、15時ごろには漫画ページそのものが削除されました。


首藤クリニック 当初はトップページに漫画がリンクされていた(現在リンクは削除済み)

厚生労働省と渋谷区保健所に聞く、「表参道首藤クリニック」

 こうした漫画の表現について問題はないのか、厚生労働省に見解を聞いたところ、問題ある表現である可能性は否定しないとしつつも、原本を見ていないこと、また医療広告に該当する場合の管轄は地元自治体(今回の場合渋谷区)の保健所になる判断とのことでした。

 その後、渋谷区の保健所にも取材したところ「お示しいただいた内容については、Web上の情報と認識している。現状の医療法において、Web上の掲載物は、広告に当たらずとなっている。ただし、Web上全般の内容については、自主的規範である医療機関ホームページガイドラインの指針に基づいた自発的な改善を促す等指導を行う」との回答がありました。

表参道首藤クリニックの回答

 本件について、表参道首藤クリニックに問い合わせたところ、「担当者が(来院中の患者の)対応に追われているので、回答は差し控えたい」とコメント。漫画が削除された経緯や、漫画内で用いていた表現の解釈についての明言は避けました。


 同クリニックは、他人のさい帯血を投与する医療行為を無届で行っていたとして6月28日付で厚生労働省から再生医療等安全性確保法に関する緊急命令を受けていました。

画像:表参道首藤クリニックより

(Kikka)

関連キーワード

漫画 | 治療 | 医療 | 表参道 | 水素 | がん | 再生医療


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」