予約を無断キャンセルした客の番号を共有するサイト、注目浴びる 背景には飲食店の“泣き寝入り”事情(1/2 ページ)
サイト運営者、個人情報保護委員会に取材しつつ、飲食店経営者に“無断キャンセル”の実情を聞いた。【訂正】
飲食店の悩みのタネである、大人数で予約したお客さんが連絡なしに来ないケース。こうした予約者の電話番号を店舗側で共有して、リスクを軽減しようという個人サイト「予約キャンセルデータベース」が、ネットで注目を浴びている。
きっかけとなったのは、7月3日の飲食店経営者のツイート。6人で予約したまま連絡なしで来ない客がいたが、小さなお店は潰れてしまうのでせめて連絡してほしい。飲食店全体でも無断キャンセル電話番号のデータベース登録も始まっているのでご注意を、と呼び掛けた。ツイートは同情や共感をもって、5万回以上リツイートされた。
この「データベース登録」が具体的にどのサービスを指しているのかはわからないが、「このサイトのことでは」とTwitterで予想されていたのが「予約キャンセルデータベース」だった。
サービスでは、予約を連絡なしにキャンセルしたことがある人の電話番号を、店舗が事前に調べられる。運営者にメールしてID・パスワードを発行してもらえば、どの店舗でも無料で利用可能。ログイン後に使える機能は2つ。予約を無断でキャンセルした人の電話番号を登録する機能と、既にデータベースに登録されているか番号を検索ボックスに打ち込んで確認できる機能だ。
検索結果は「登録されている」「されていない」のどちらかでしか表示されない。さらに運営者によると、暗号鍵とともに不可逆暗号化(ハッシュ化)して保存されているため、運営者が生のデータを見ても詳細を知り得ないシステムになっているという。
しかしトップ画面には運営元が明記されていない。Twitterでは「なかなかいい」「便利」と評価する人もいたが、それ以上に「個人情報保護法的に大丈夫なのだろうか?」「悪用されそう」と疑問や警戒の声が多く上がっていた。
運営者と個人情報保護委員会 両者の見解
運営者・Kさんに取材したところ、サービスは2015年末に会社に務める傍ら個人で開始したという。自宅近くのお気に入りのお店が予約の無断キャンセルで困っていたのを受け、「仲間内だけでもいいから、過去に大人数での無断キャンセルしたことがある人を予約前に確認できるシステムを作ろう」と開発に至ったそうだ。
サイトの運営が個人情報保護法などに抵触する恐れはないか聞いたところ、「始めた頃に弁護士に相談の上、問題ないという判断となりました。また、最近取材された際に、メディア側の方が再度弁護士にお問い合わせいただき、やはり問題ないという判断となりました」と答えた。
現在、登録されている番号は30数件程度。手応えについては、「登録店舗が少ないこともありますが、特にこれといった手応えはありません。役に立っているという実感もありませんが、今回少々有名になったことで、登録の申請が更に増えましたので困っているお店はまだまだあるんだな、と悲しいながら感じております」という。
逆に問題や不都合を感じていることはあるか尋ねると、「特に不都合な点はございませんが、お使いになられる店舗経営者さんにご利用方法はお任せという性善説に基づいていますので、この辺がネックになることが後々あるかもしれません」とのことだった。
行政機関の見解はどうだろう。「個人情報の保護に関する法律」に基づいて事業者を監督している機関・個人情報保護委員会の事務局担当者に、サイトを確認してもらった。違法性について、次のように述べる。
「サイトが『電話番号のみ』しか登録されていない場合、法に抵触するかどうかはケースバイケースになってきます」(担当者)
現行法で電話番号は『個人識別符号』から除外されており、単体で特定の個人を識別し得る符号ではないとされている。しかし運営者がサービス内で名前や住所など他の情報と結び付けていたり、電話番号があまりに特定の個人を識別できるような番号であったりすると個人情報として扱われるので、法に抵触する可能性も発生するという。
「また同法律は事業者を対象としているので、サービスの内容が営利・非営利問わず『事業』とみなされるかどうかも大事な観点となってきます。『予約キャンセルデータベース』に事業性があるかは、サイトを見る限り断定するのが難しいです」(担当者)
なお、2016年11月作成の「個人情報保護法ガイドライン」で「事業」とは、「一定の目的をもって反復継続して遂行される同種の行為であって、かつ社会通念上事業と認められるものをいい、営利・非営利の別は問わない」と解説されている。
また、電話番号を提供するお店側に問題が発生する可能性もあると担当者は話す。
「同法では事業者が個人情報をもらう場合、その利用目的を本人に通知するか公表するかの義務が課せられています。なので、お店が予約キャンセルデータベースに電話番号を登録することが、事前に通知・公表していた利用目的に反するのであれば、法律にも違反することになります」
個人情報保護に詳しい自宅研究員・高木浩光さんは、今回のサービスでは電話番号を暗号鍵とともハッシュ化することは、不可逆暗号化の意味をなさないという。
「第三者には鍵が漏洩しなければ復元できないので漏洩対策としてはありですが、当該事業者(今回の運営者)にとっては、電話番号のように11桁と領域が狭いものなら復元できるので、意味をなさないのではないでしょうか」
またこのシステムでは、店舗側の誤入力や、番号変更、故意などで、無断キャンセルしたことのない人の番号が登録されてしまう恐れもある。「サイトには『電話番号を直接お問い合わせされてもわかりませんので、ご了承ください』と書いてありますが、そうした濡れ衣に対処する気が一切無いことを表明しているのも問題です」と苦言を呈した。
このあたりの欠点については運営者のKさんも「確かに、総当りのツールを作成すれば秘密鍵を知っている私なら番号を突き止めることも可能です。しかし世の中のサービスのパスワード管理は同じやり方で知り得る事が可能だと思うので、何か良いやり方があればご教示頂いただきたいところです」と改善の余地があることを認める。
「店舗側が逆恨みで関係のない番号を登録する可能性はありますが、性善説に基いていますのでシステム的にはどうしようもないところも出てきます。早くこういったサービスを資金も人材も潤沢な大手グルメサイトで実装いただき、『無断キャンセルを防ぐ』よりよい仕組みができるといいと思います」(Kさん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
-
元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
-
ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
-
「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
-
“作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
-
誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
-
21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
-
0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」