あれから10年、「ケータイ小説」が急速に廃れた理由とは? 現役女子高生に『恋空』を読んでもらった(2/2 ページ)

» 2017年07月18日 11時00分 公開
[長橋諒ねとらぼ]
前のページへ 1|2       

現役女子高生に、あのケータイ小説を読んでみてもらった

 現役の女子高生があの時話題になったケータイ小説を読んだら、どんな反応を示すのでしょうか。都内在住の女子高生に、お話を伺ってきました。

 今回取材にご協力してもらったのは、都立高校に通うなるみさんとゆうかさん。現役バリバリの高校生です。

 筆者がはじめに、「これ、知っていますか?」とおもむろにガラケーを見せると……。

 「お母さんが使ってました!」との返答が。

Pシリーズのボタンで開くあのシステムに、感動している2人

 このガラケーは実際に筆者が過去に使っていたもの。なぜ長州小力さんのストラップが付いているのかも分からないし、なんかもうダサいを通り越して逆にカッコイイ気もしますが、女子高生いわく、「ダサい」とのこと。

 30年前の「ラジカセ」は最近カッコよくフィーチャーされているかもしれないですが、ガラケーのように中途半端に古いと、まだ「ダサい」のかもしれません。

 さて今回は、「恋空」「teddy bear」を読んでもらうことにしました。2人ともケータイ小説は生まれて初めて読むとのこと。



筆者

 読んでもらった感想ですが、いかがでしたでしょうか?



ゆうか

 結果的には、面白かったです。最後まで一気に読めちゃいました。私が読んだ「恋空」は、上・下巻あったのですが、普段使っているスマホと同じように「横文字」で書かれていたので、3時間くらいで読めました。



なるみ

 私もすぐ読めました。ただ、ところどころ分からない箇所が多くて、戸惑いもありました。例えば、このいきなり出てくる「ポエム」。最初はどう解釈していいか分かりませんでした。



急に出てくるポエム


ゆうか

 確かに私もありました。浜崎あゆみ(?)さんの“詩”が急に出てきて、なんでだろう? って思いました……。



筆者

 浜崎あゆみ、まさか知らないの?!



ゆうか

 名前は知ってますが、ちゃんと聞いたことはないかもしれないです。



筆者

 まじですか。



ゆうか

 あとは「PHS」とか「小文字」とか……なんだろうって。



筆者

 PHSは昔のケータイで、主に電話をするためだけのものだったんですけど、小文字とはなんのことでしょう?



ゆうか

 「ありがとう」を「ぁりがとぅ」って書いているところです。読んでて気持ち悪くなっちゃいました……。



筆者

 ああ……それは「ギャル文字」という文化でして、当時とても流行ったんですよ。むしろ、小文字を使うことによって、かわいさとか個性を出していたんです。



なるみ

 LINEスタンプみたいな感じですか?



筆者

 まあ、そんな感じですね(笑)。





なるみ

 あと物語のほとんどが、出てくる人たちの「会話」だけで進行していったので、この人たち、本当はどんなことを考えているんだろう? って疑問が湧いていました。



筆者

 なるほど。確かにケータイ小説には、情景や心理描写がほとんどなくて主に登場人物の会話のみでストーリーが展開していくんです。それはスラスラ読めた要因かもしれないですね。



ゆうか

 あ、あと、ヤンキーの人がよく出てきたんですけど、私ヤンキーを見たことがなくて……本当にいるんだって思いました。



筆者

 まじですか。



ゆうか

 遊びに行く場所も「河原」なんて行かないですし、プレゼントに「Zippo」っていうものをあげているし、ちょっとよく分かりませんでした。



筆者

 「Zippo」っていうのはライターのことです。その頃、2つで1つの「ハート」を表現したZippoがなぜか流行ったんですよ。

 ちなみに、普段遊びに行くとしたらどこに行くんですか?



ゆうか

 インスタで調べたオシャレなカフェに行きます!



筆者

 なるほど……。ちなみにケータイ小説が今の時代に流行っていたら、読んでみたいと思いますか?



なるみ

 そうですね……。話自体はわりと面白かったので、今の時代に合わせたストーリーになっていたら……。例えば話の中にインスタとかが出てきたら、読みたいなって思いますね。



ゆうか

 私も同じ意見です。ただ今回読んだ話は、子どもを産んだり、ドラッグをする人がいたりと、いろんな要素が詰まりすぎてて、正直こんな女子高生いるの? って思ってしまいました。10年前と比べて、環境が変わっているってことなのでしょうか。



筆者

 そうですね……。確かに東京でもギャルっぽい女子高生とかは少なくなってきていますし、治安もよくなっているかもしれません。郊外はまた異なるかもしれませんが……。



ゆうか

 本に出てくる人たちにちょっと共感ができなかったので、別の世界の人かな? って感じで読み進めました。そういうフィクション的な見方で読めば、面白いなって。



筆者

 ありがとうございました!



ケータイ小説を読んでみたくなりましたか?

 10年前に大流行したケータイ小説。「もちろん読んだことあるよ!」という人もいれば、「興味がなかった」という人もいるでしょう。

 世の中が「ケータイ」から「スマホ」になった今でも、老舗ケータイ小説サイト「魔法のiらんど」や「野いちご」の運営は続いています。本記事を読んで気になった方は、一度読んでみてはいかがでしょうか。また、刊行されている10年前のケータイ小説には、その当時の「リアル」が描かれているので、その頃高校生だった方は思いをはせることができると思いますよ。

 余談ですが、筆者が高校生だった頃、アルバイト先の本屋さんでケータイ小説「赤い糸」の実写映画の撮影が行われました。なぜかエキストラとして選ばれ、レジを打つアルバイト役を演じたのですが、本記事を執筆する際にそのことを思い出してTSUTAYAでDVDをレンタルしてみました。すると、見事にレジ打ちの部分だけカットされていたのです。フジテレビさん、なんでカットしたんですか!?

長橋諒

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」