ニュース
» 2017年07月27日 23時10分 UPDATE

「VRポルノ専用ヘッドセット」はなぜ生まれた? 開発チームにインタビュー

「安価な機能特化型HMD」の可能性。

[VR Inside]
VR Inside


VRotica

 先月、「VRポルノを見るためだけ」に開発されたスタンドアロン型HMDがリリースされた

 HMDの名前は「VRotica」

 VRoticaの特長は前述の通り、「ポルノ視聴専用デバイスであること」。またこの他にも、価格設定が220ドルと他社のHMDに比べて安く抑えられている点や、HMD操作の簡便性も大きな特長となっている。

 しかし他社のHMDは、動画のみならず豊富なゲームや多種多様なVRエクスペリエンスを楽しめるように開発されているものがほとんどだ。

 その状況の中で、なぜ「VRポルノ視聴専用」のHMDを開発したのだろうか?

 そこで今回VRInsideはVRoticaの開発チーム(The VRotica Team)にインタビューをおこない、VRoticaを開発した狙いなどについてお話を伺った。

 The VRotica Teamの方々は快くインタビューに応じてくださり、そして結果として、「ポルノVR業界」という一市場の枠を超え出て、「安価な機能特化型HMD」という領域横断的なテーマを考える上で示唆に富むご回答をいくつも頂戴することができた。

 以下ではその内容をご紹介していこう。


The VRotica Teamへのインタビュー

「VRを聞いたことすらない」という人も対象!

――VRoticaはどういった顧客層をターゲットとしているのでしょうか?

The VRotica Team:VRoticaはあらゆる人を対象としております!

 OculusやViveといった装置をセットアップするために、2000ドルを払い、そして時間と労力を費やすことが出来るのは一部のお客様に限られます。

 VRoticaはそのプロセスを簡易化して、220ドルのヘッドセットを購入して再生ボタンを押せば、優れたクオリティのVRコンテンツがお使いいただけるようになっております。

 そのために、たとえ「VR」という言葉を聞いたことがなかったり、あるいはVRシステムの購入を検討したことがない方であっても、VRoticaを購入して、テレビのように簡単に操作して頂くことが可能です。


「ポルノ」は「VRを知らない人」にも通じる

――スタンドアロン型HMDのコンテンツとして、ポルノ動画に着目したのはなぜでしょうか?

The VRotica Team:VRを全く聞いたことがない、あるいはVRを気に掛けたことがないという方々に向けて販売するために、私どもはそうした方々がお買い求めなさるものと通じ合う必要があったのです。

 VRoticaによってお伝えしたいメッセージはこうです。

 「ご購入して頂ければ、お客様は没入型アダルトコンテンツを体験いただけます。お客様はファンタジーの世界に生きていくことになるでしょう」

 現在VRプラットフォームにおいて、アダルトコンテンツを探してサイドローディングするというプロセスには困難性が増しております。特に、多くのVRプラットフォームが彼らのアプリケーションストアからそうしたプロセスを実行することを認めていない、ということが大きな理由となっているのです。

 私どものチームはこのプロセスを合理化し、単純なクリックだけで簡単にアクセスすることが出来るように致しました。


ワンクリックで動画を視聴!

――VRotica開発の際、ユーザーがポルノ動画を快適に視聴できるようにするため、気を付けた点などはありますか?

The VRotica Team:ポルノ動画体験を洗練するために、非常に多くの取り組みをおこなってまいりました。

 ここでは、その中でも最も重要な取り組みをいくつかご紹介いたします。

  • VRoticaでは「BadoinkVR」や「VRCosplayX」といった世界中で最良のVRポルノ動画プロダクションから動画をご提供いただいております。(なお)私どものプラットフォームは、他のプロダクションの方々にもご参加いただけるオープンな環境となっております。
  • ヘッドセットのメニューを極めて簡単に操作できるようにしました。スイッチを入れて、ヘッドセットの中で動画をクリックし、そして動画を視聴する、と言った風に。
  • VRoticaでは、動画をヘッドセットの中で1クリックすればダウンロードできるように設定しています。

 また、かつてのSEGAのゲームコンソールにあったゲームカートリッジのように、ヘッドセットに差し込むタイプのUSBスティックに動画をインストールして販売するという予定もあります。

  • VRという言葉を聞いたことが無いという人でもご購入いただける「アダルト玩具」となるよう、ヘッドセットを非常に低価格に抑えました。
  • 私どもは欠けることのない完全なポルノ動画体験を簡単にお楽しみいただけるように致しました。

 どなた様にでも、VRoticaは「世界中で最も簡単に使用できるヘッドセットだ」と言う点ついてはご賛同いただけると思います。


アダルトコンテンツへのアクセスを容易に

――最近では、VRポルノ産業の潜在的な需要は大きいと言われています。VRoticaはポルノ産業の中でどのような役割を果たすとお考えですか?

The VRotica Team:(1つめに)私どもはお客様方が更に簡単にVRポルノを始められるようにして参ります。

 VRoticaはモバイルVRに比べてより良く、より簡単に、そしてより安価にVRポルノを経験する事ができ、そしてViveやOculusなどのVRHMDよりも簡単に、そしてより安価なものとなっていきます。

 (2つめに)私どもはVRアダルトコンテンツの生産者がより簡単にコンテンツを販売することが出来るようにして参ります。

 コンテンツ生産者はWebサイトを立ち上げることも、広告費を支払うことも、あるいはお客様に対して「VRアダルトコンテンツを視聴するための10ステップ」などをお伝えする必要も無くなります。

 (最後に)アダルトショップへアクセスすることを容易にして参ります。

 アダルトショップはヘッドセットを販売し、普段販売しているアダルト玩具やDVDのように(ヘッドセットに差し込む)USBスティックを販売するようになるでしょう。


HMD毎に異なる「ブランド化」を

――Varietyの記事の中では「アダルト産業は我々が目をつけた最初のニッチ市場です。けれども我々は同様のモデルを他のニッチ市場にも適用していこうと計画しています」と仰られていました。具体的には、今のところどういった種類のニッチ市場を構想していらっしゃるでしょうか?

The VRotica Team:私どもは今年度は言語学習用ヘッドセットと恐怖症治療用ヘッドセットの開発に取り組み始める予定です。

 他のB2BやB2Cといった使用目的で利用可能なプラットフォームに関わる方々からのパートナーシップを受け付け中です。

 (開発された)ヘッドセットは各々異なったブランド化がなされ、完全に他のヘッドセットとは独立した商品となります。

 たとえば、もしも私どもがフットボールチーム「ヴィッセル神戸」のヘッドセットを作ったとします。

 ヘッドセットの外観は「ヴィッセル神戸」のチームロゴである黒と白をあしらったものになるでしょう。コンテンツはクラブと一緒に創り出されて、そしてヘッドセットはファンショップでチームのグッズと一緒に販売されることになるでしょう。


「機能特化型HMD」は「VRを知らない人」にも届きうる

「機能特化型」が生む利点

 The VRotica Teamの方々のお話は大変興味深いものがある。

 というのもそもそも VRoticaが「ポルノ専用端末」となったのは、「VRを知らない」という無関心層にもマーケティングの範囲を広げようとする狙いがあったからだ。

 そしてその答えの1つがHMDをニッチな市場に限定した「機能特化型」にしてしまうことだった。

 加えて、扱うコンテンツと機能の幅を狭めることで、価格を安く抑え、また操作を「ワンクリック」にまで単純化することが可能になっている。「機能特化型」にすることで、無関心層にもリーチしやすい条件が自然と整ってきたのである。


「超」ニッチな市場も掘り起こせる?

 VRの認知度は国内でも高まりつつあり、経済産業省のレポートによれば同省がヒアリングした国内のAR・VR企業の多くは2020年の東京オリンピックまでには、AR・VRツールが一般化していくことを予測しているという。

 しかし一方で、現状としてはまだまだ社会的浸透は十分と言えない、というのが大方の見解である。

 そのため「AR・VRに既に興味がある層」だけでなく「無関心層」をどう巻き込んでムーブメントを起こしていくか……という点を考えることは非常に重要な課題と言えるだろう。

 そんな時、VRoticaの1つのニッチ市場(だけ)をターゲットにした「機能特化型HMD」というアイデア、そしてHMD毎に異なる「個別のブランディング」を施すという手法は参考になるのではないか。

 あるいは「ヴィッセル神戸」の喩えのように、「特定のスポーツ」の「特定のチーム」のサポーターというとんでもなくニッチな特定層をメインターゲットとしたHMD開発もあり得るかもしれない……?


関連リンク

Copyright Spicysoft(TM), All Rights Reserved.

自分がツインテールのかわいい女の子だと思い込んで「はとバス」の取材をレポートする(後編)

えんやの銭湯イラストめぐり:

ねとらぼがスマホからも見れる!