お坊さんが本気で考えた「お寺で きもだめし」の看板が話題に どんな内容なのか聞いてみた

これは思わず足を止める。

» 2017年07月31日 16時24分 公開
[Kikkaねとらぼ]

 道端に設置された「お坊さんが本気で考えた お寺で きもだめし」という看板が話題を呼んでいます。なぜお寺が肝試しを企画したのか、また一体どんな内容なのかを取材しました。

 みーや★(@NS944A)さんがTwitterに投稿したのは、大分県別府市にある「本願寺別府別院」が設置した看板で、7月30日に開催された「お寺で きもだめし」を告知するもの。投稿から1日で3万1000件以上の“いいね”を獲得しています。


お寺できもだめし これは思わず足を止めちゃう(画像提供:みーや★(@NS944A) さん)

 ツイートには「本物のヒトダマや幽霊を呼んじゃいそう」「レベル100くらいの肝試しかもしれない」「取り憑かれてもちゃんとお祓い出来ますよーってこと?w」「どう見てもモノホンの幽霊が出る流れしか思い浮かばないww」など、お寺ならではの肝試しを期待する声が多数あがっています。

本願寺別府別院に聞く、“肝試し”開催の狙い

 それにしても気になるのはなぜお寺が肝試しをやっているのか。編集部が取材を申込んだところ、本願寺別府別院の担当者が快く応じてくれました。

――早速ですが、なぜお寺で肝試しをやろうと思いついたのでしょうか

本願寺別府別院近年核家族化などで自宅にお仏壇がなかったり、仏教に縁がないという方も増えてきています。そういった方たちにもお寺はもっと身近な存在だと知っていただきたくて、企画いたしました。

――お寺というとどうしても厳かなイメージがあるのですが、肝試しをやってしまっても大丈夫なものなのでしょうか

本願寺別府別院最近はお寺には「人が亡くなったら行く場所」というイメージを抱く方も多いのですが、お寺というのはもともと仏教の教えを広めるための場所で、いつでも、どなたさまにでも気軽に来ていただける場所です。ですから、どういう手段・方法を取ったとしても結果的に仏教の教えを広めることができれば良いと考えています。

――そういうことなんですね。肝試し自体はどういった内容なのでしょうか

本願寺別府別院仏教には「地獄(じごく)」「餓鬼(がき)」「畜生(ちくしょう)」と呼ばれる「三悪道」という世界があります。地獄は怒り、餓鬼はむさぼり、畜生はおろかさなどを意味しているのですが、この世界観をお堂の中で表現しています。


お寺できもだめし 肝試しのルートを再現したイラスト

――例えば“おばけ”などはでたりするのでしょうか

本願寺別府別院はじめに通る「畜生道」には真実が見えず迷っている化け物、続いて通る「餓鬼道」には地面を這うもの、最後に通る「地獄道」では鬼が参加者を待ち受けています。これらは実は人間の内面をイメージしており、肝試しを通して「一番恐ろしいのは人間の本性」、つまり煩悩欲望であることを表現しています。恐ろしいおばけというのは人には見せられない自分自身の姿を表しているということですね。最後には鬼が参加者に「本当にこのままで良いのか」と問いかけつつ説教をし、仏様の待つ極楽浄土に移動していただきます。

――極楽浄土の間では何が起きるのでしょうか

本願寺別府別院ここには仏様がおられまして、僧侶と一緒に合掌していただくことで、仏様への帰依を示しつつ、きもだめしは終了となります。

――ちなみに入場料などはどうなっていたのでしょうか

本願寺別府別院おさい銭のシステムなので、特に決まった金額はありません。皆さんのお気持ちでとお願いしております。

――きもだめし開催の反響はいかがでしたでしょうか

本願寺別府別院とても好評をいただいております。昨年に続き2回目の開催となりましたが、今年もたくさんの方にお越しいただけてうれしい悲鳴を上げております。


 また開催日を年1回(1日)から延長してほしいとの声も多くあるとのことですが、いわゆる“中の人”は全てお坊さんであることなどから、急な不幸が遭った場合などの対応も考えねばならず、なかなか難しいとのことでした。

 お坊さんならではの解釈で人気を博している肝試し。もし機会があれば行ってみたいですね。

(Kikka)

関連キーワード

お寺 | 仏教 | お化け・幽霊 | 取材 | Twitter


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」