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» 2017年08月02日 14時35分 UPDATE

堀井雄二の地元で体感するドラクエ30年と原点 「ドラクエミュージアム」&「堀井雄二展」、洲本会場レポート

2016年の東京から回ってきたドラクエ30周年企画展。最後の淡路島・洲本会場は、古き赤レンガ倉庫がファンタジー世界を演出するマダンテ級のイベントだった。

[亜木本レイ,ねとらぼ]

 ドラクエファンなら思わず割りたくなるようなツボ、勇者たちの旅路に登場しそうな重厚なレンガ造りの建物。「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親、堀井雄二さんの出身地である兵庫県洲本市(淡路島)で、企画展「ドラゴンクエストミュージアムセレクションズ」と「堀井雄二展」が開催中だ(7月16日〜8月7日)。

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 ドラクエの民家や城壁を思わせる建物に

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 割るとゴールドが手に入りそうなツボも点在

 シリーズ30周年を記念して2016年から東京、大阪、名古屋と回ってきた、ドラクエの歴史を振り返る企画展の最終地。ただ堀井さんの故郷というだけでなく、まさにドラクエワールドから飛び出したかのようなロケーションがドラクエファンの心をくすぐる、ディティール満載のイベントだった。「堀井雄二展」も本会場のみの開催……冒険のもようをお伝えしよう。

洲本を舞台にしたドラクエスタンプラリーのレポート記事はこちら

赤レンガを背景に勇者たちのジオラマが躍動

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 会場の入り口

 本イベントは、洲本バスセンターから徒歩1分の「洲本市民広場横 赤レンガ倉庫」で行われている。この倉庫群は、今から100年以上前、鐘淵紡績(現・カネボウ)によって建てられた。ヨーロッパ風の歴史あるたたずまいは、まるでドラクエのお城のよう。

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 中に入ってすぐのところに、スライムの形のお花が飾られていた

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 受付ではうちわがもらえた。各シリーズの主人公たちと、スライムのイラストだ

 まずは「ドラゴンクエストミュージアムセレクションズ」。中に入った瞬間、荘厳な雰囲気に圧倒された。「ロトシリーズ(ドラクエI〜III)の名シーンの絵画」「鍛冶職人謹製のロトの装備」「堀井雄二さんが記した開発資料集」が、広い空間に一挙に展示されている。

 特に、レンガ造りの背景をバックにしたロトの装備は、とても神々しく、いつまでも見ていたいくらいだった。今回のイベントは、既に東京、大阪、名古屋で行われている。洲本市の方によると、その全てを訪れたファンの中には、「洲本の展示が一番よかった」と話していた人もいるそうだ。確かにそう思わせられるだけの雰囲気がある。

 

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 巨大なロゴの下には、各シリーズのパッケージが飾られている

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 歴代主人公たちのパネル

 ドラクエ全シリーズのパッケージと、歴代主人公たちのパネルがあるフロアを抜けると、天空城のジオラマがお出迎え。ここから先には、「天空シリーズ(ドラクエIV〜VI)のジオラマ」が展示されている。

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 雲の上に浮かぶ天空城のジオラマ

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 臨場感満点のドラクエIVのジオラマ。レンガの壁を背景にすると、雰囲気抜群

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 東京の「ドラクエミュージアム」に行った方は必見! 追加のジオラマも展示されていた

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 ドラクエVIのジオラマ。ムドーの強さ、ダークドレアムの恐ろしさが忠実に再現されている

 筆者は展示物のほとんどを、東京で開催された「ドラゴンクエストミュージアム」で観ていたのだが、あのときとは違った趣を感じた。レンガ造りの歴史ある壁をバックにするだけで、非日常感が生まれ、展示物の雰囲気は変化する。さらに「堀井さんのふるさとで観ている」という事実が、特別感を生み出し、より一層の感動を呼び起こすのだ。

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 ドラクエVII、VIIIの展示

 ドラクエVII〜Xに関しては、キャラクターと名場面のパネルが展示され、プロモーションビデオが流されていた。一つ一つ見ていると、プレイ中のさまざまな思い出がよみがえるようだった。

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 ドラクエIX、Xの展示

ドラクエ生みの親の出発点を知る「堀井雄二展」

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 洲本だけの特別企画「堀井雄二展」

 同時開催の「堀井雄二展」は、洲本だけの特別企画。堀井さんの冒険の歴史、すなわちドラクエが世に送り出されるまでの道のりが、ファミコン風のドット絵で表現されている。

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展

 ここでは、石ノ森章太郎先生監修の『マンガ ドラゴンクエストへの道』を自由に読むことができる。堀井さんをはじめとした、ドラクエ製作陣たちの奮闘記だ。実はこのマンガには「オリジナル版」と、一部の内容が削除された「再編集版」が存在する。今回用意されているのは貴重な「オリジナル版」。「面白いゲームを子どもたちに届けたい!」という製作スタッフの熱い思いを存分に感じ取ることができた。

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 滝沢ひろゆき『マンガ ドラゴンクエストへの道』より

 そしてなんと、堀井さんが手がけた初期の三作品「ラブマッチテニス」「ポートピア連続殺人事件」「軽井沢誘拐案内」も、当時のPCで試遊することも可能! パッケージ、取扱説明書なども手に取って見ることができる。

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 パッケージ、説明書には、当時から「堀井節(堀井さん特有の言い回し)」が健在

 「ラブマッチテニス」は、その名の通りテニスゲーム。堀井さんが、エニックス(現スクウェア・エニックス)の「第1回 ゲーム ホビープログラムコンテスト」に応募し、入賞した作品。プログラミングも堀井さんが手掛けている。コントローラーでキャラクターを動かして、テニスボールを打ち合う。シンプルながら奥が深いゲームだ。

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 「ラブマッチテニス」

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 「ポートピア連続殺人事件」

 「ポートピア連続殺人事件」は、ファミコンに移植されたことで有名なアドベンチャーゲーム。発売当時は、どんでん返しのあるストーリーが話題を呼んだ。現在でも「犯人はヤス」というフレーズが「ネタバレ」を表すインターネットスラングとして使われるなど、ゲームファンに与えた影響は大きい。「すもと(洲本)」がゲーム内に登場し、実際の洲本港の写真とゲーム画面を比べてみると、なんとなく雰囲気が似ているかも?

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 ポートピア連続殺人事件の「すもと」と、実際の洲本港

 「軽井沢誘拐案内」は、ちょっとえっちなミステリーアドベンチャー。ドラクエも「ぱふぱふ」に代表されるように、毎シリーズ、必ずお色気系のキャラ、イベント、装備といったものが登場する。このゲームはその原点ともいえるだろう。

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 「軽井沢誘拐案内」

 気のすむまでイベントを堪能し、会場の外に出ると、7月15日に除幕したばかりの「スライム&ロト装備の銅像」が目に飛び込んできた。堀井さんいわく「スライムに幸福、盾に厄よけ、剣に悪縁を切る願いを込めたパワースポット」とのこと。

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展 「スライム&ロト装備の銅像」

 「あの頃、僕らは勇者だった」……、これは最新作「ドラゴンクエストXI」のWebプロモーション映像で使われていたフレーズだ。歴代の主人公たちの歩みは、私たちドラクエファン自身の歩みでもある。歴史ロマンあふれる雰囲気や堀井さんのルーツが感じられる洲本でしか会えないひと夏のドラクエワールド――ここで観た世界は、決して私たちのぼうけんのしょからきえることはないだろう。

ドラゴンクエスト 洲本 ミュージアム 堀井雄二展

(亜木本レイ)

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