牡蠣に牡(オス)の字が使われている意外な理由

カキ小屋で雑学を連発せよ!

» 2017年08月04日 11時00分 公開
[QuizKnockねとらぼ]

 「Rのつかない月には食べるな」(例えばAugust(8月)には"R"がつかないから食べるのやめとけ)と言われるカキですが、それはマガキの話

 イワガキは産卵時期が違うため、ちょうど夏場、今が旬です。さらに、保存・輸入技術の向上も相まって、今では通年でカキを味わえるようになりました。

 ところで、この「カキ」、漢字では『牡蠣』と書きます。この「牡」という漢字、読みは「オス」(牡馬(ボバ)の牡ですね)。

 なぜ牡蠣には牡という漢字が使われているのでしょうか。そしてメスはどうなったのでしょうか。

 今回は「カキ小屋で披露すると一目置かれる」雑学を、こっそり皆様にお教えします。

カキのオスメスは顕微鏡で判定する

 今でもカキのオスメスは基本的に顕微鏡判定です。そんなわけで、カキに「牡蠣」という漢字が当てられた時代には、その性別を鑑定できる術などありませんでした。

 そこで昔の人は思った。「カキは『白子』に似ているからオス」。そんな単純な、とお思いでしょうが、仕方ない事情もあります。

 例えば「サザエ」。これは内臓部分が白のものがオス、緑のものがメス。そんなわけで、「身が白い貝=オス」という固定観念が存在しても仕方なかったのです。

 こんな観念のもと、カキは全部オスだと思われ、漢字では「牡蠣」と書かれることになりました。もちろん、メスの牡蠣もいます。

昔の人の勘違い「磯のアワビの片思い」

 貝のオスとメス。恋の季節に覚えておきたい言葉を1つ。

 「磯のアワビの片思い」という、最近ではあまり聞かなくなった言葉があります。言葉の意味は「片思い」。片思いをシャレて言った言葉です。

 しかし、なぜ「アワビ」? これも、貝類に対する昔の人の勘違いから来た言葉です。これは「アワビが二枚貝の片側しか無い」ように見えたから。もう片方の「相方」を探している、と考えたのでしょう。

 それでは、なぜアワビは片側しかないのでしょう? それは……実はアワビは「巻き貝」だから。巻き貝なのであの形も当然なのです。

二枚貝の殻は「ピッタリ合う」

 さて、アワビから派生してもう1つ。雑学を畳み掛ける!

 昔の人は「二枚貝の殻はピッタリ合う」という認識を持っていました(だからアワビは奇妙だと思われたのでしょう)。

 例えば「ハマグリ」。大昔はハマグリの貝殻を「毛抜き」として使っていました。こんなことができるのも、貝殻がピッタリ合うから。

 そして平安時代には「貝合せ」という遊びが生まれます。ハマグリの殻を複数ばらまいて、同じ貝の貝殻を2つ見つける神経衰弱的ゲームです。

 ここから生まれた言葉があります。貝合せで失敗したとき、昔の人は「ぐりはま」といいました。「はま」と「ぐり」を入れ替えた言葉です。これが「ぐりはま」→「ぐれはま」→「ぐれ」と来て、現在で言う「グレる」が生まれました。室町時代から「グレる」という言葉が存在したとされています。

 「牡蠣」の字を当てられたカキ。メスもしっかり存在するので、オスのカキは片思いでは終わりません。

 一方で「牡」なんて言われたメスの側は、今頃グレているかも知れませんね。

制作協力

QuizKnock


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」